びー旅ドットコム 第29回 アンコールワット個人旅行2
アンコールワット 行き方 バンコク発フライトと陸路
日本からアンコールワットへ安く行く
2010年ポイペト~シェムリアップ間道路完全舗装が完了。2013年2月からモーチットバスターミナル発シェムリアップ直行国際バス運行。カンボジア側で乗換えずに同じバスでシェムリアップまで行く。料金750バーツ。モーチット朝9時発シェリムアップ午後3時着。
一方2014年9月羽田、関空~ドンムアンへのエアアジアX就航に加えて、2013年10月からドンムアンからシェムリアップへエアアジアが運航開始し、バンコクエアウェイズが独占してバンコク~シェムリアップ片道250US$と高値維持していた状況も一変。アンコールワットへの格安移動の選択肢は増えた。バンコク発の最安はカオサン発ツーリストバスで片道290B~。
アンコールワットの拠点シェムリアップに日本からの直行便はない。上海、バンコク、ホーチミン、クアラルンプールを経由して行くのが一般的。格安フライトで経由する場合は上海経由の中国東方航空、バンコクやクアラルンプールを経由するエアアジアなどが筆頭にあげられる。
特に2014年9月1日より関空、成田よりバンコクへエアアジアがフライトを運行させ、さらのそのエアアジアが2013年10月1日よりバンコク~シェムリアップに就航しているのでフライトで格安にシェムリアップへ行きやすくなった。
ただそんな状況でもやはり最安にシェムリアップに行くには周辺国からの陸路入り。バンコクやホーチミンからバスで国境を越えてのシェムリアップ行きが最も安く現地へ行ける。写真右上はシェムリアップのバンコクカオサン行きバス。国境でタイ側のバスに乗り換える。2014年11月現在バンコクまで片道9US$(270THB)~。
バンコク~シェムリアップ間は直線距離で365,65km(Google Earth直線距離計測による)。東京~京都間378km。ちなみにバンコクからアランヤまでは216km、ポイペトからシェムリアップまでは143km。不足分がポイペト~アランヤ間の距離で6Km。 バンコク~シェムリアップ間の道路舗装が2010年に完成し、2013年2月からはシェムリアップ直行国際バスが走るようにもなった。エアアジアはプロモフライトこそ安いが、利用者側にある程度の融通がきかないと激安フライト確保は難しい。やはり格安に焦点を当てるならバンコクからのバスでの陸路入り。このルートは料金のみでなく格安移動の味を楽しめる個人旅行入門ルートでもある。参考までに以下カンボジア国境情報。 |
カンボジア国境情報 | |
●カンボジア・タイ国境 1.Poipet - Ban Klong Leuk ポイペト - クロンレウク(アランヤプラテート) 2.Cham Yeam - Hat Lek チャムヤム(ココン) - ハートレック 3.O'smach - Chong Chorm オスマック - チョンチョム 4.Choam - Sangam(Chong Sa Ngam) チョアム(アンロンベン) - サンガム 5.Prom - Ban Pakard プロム(パイリン) - バンパッカード 6.Dong - Ban Lem ドン - バンレム ●カンボジア・ラオス国境 1.Dongkalaw(Dom Kralor) - Voeung Kam ドンカラウ(ドンクラロー) - ブンカム |
●カンボジア・ベトナム国境 1.Bavet - Mok Bai バベット - モクバイ 2.Kaam Samnor - Yin Soeung(Chau Doc) カームサムノア - インセウン(チャウドック) 3.Phnom Den - Tin Bienh プノンデン - ティンビエン 4.Trapaing Phlong - Xamat チャパインプロン - サーマット 5.Trapaing Sre - Bonue チャパインスレ - ボヌエ 6.Oyadav - Lethanh オヤダヴ - レタイン 7.Banteay Chakrei - Dinh Ba バンテアイチャクレイ - ディンバー 8.Preak Chak - Ha Tieng プレアチャック - ハーティエン 9.Samrong - Mi Quy Tei サムロン - ミークイテイ |
バンコクから陸路で国境越えてシェムリアップへ行く方法は大きく3つ。 ①鉄道と地元バス利用 ②カオサンバス ③国際バス ①が完全自力で難易度が高く最も手間がかかる。やり方によっては移動代は最も高くつくし時間もかかる。タイ語やカンボジア語が話せた方が望ましい。 ②はカオサン通り発の外国人用ツーリストバス。バックパッカー定番メニューで確保も移動前日に簡単にできる。この中では最安だが味のある罠が多数ある。 ③が最もスマートで気分よく国境越えができるがその分若干高い。以下その概略。 |
①鉄道と地元バス利用
バンコクのホアランポーン駅からカンボジア国境の町、アランヤプラテートまでタイ国鉄が朝05:55と昼13:05の1日に2便列車を運行させている。3等のみ、48B。所要5時間。早朝発ならその日のうちに国境越えられるが午後初の場合はアランヤプラテートで1泊するのが一般的。アランヤプラテートに宿は数軒ある。以下その例。
ARAN GARDEN HOTEL 1
TEL:037-231105/037-231836
シングルファン部屋トイレシャワー付 150B~
ツインファン部屋トイレシャワー付 200B~
ロンクルア市場 アランヤプラテートから6km 個人でソンテウ等で行く場合、タイ側国境は大きな市場のようになっていてどっちが国境方向か初めてだとわかりづらい。人の流れていくほうがカンボジア方向。タイ語で国境は「チャーイデーン」、カンボジア語では「プラムダエン」。
またアランヤプラテートにはバンコクのモーチットバスターミナルから複数(列車よりは本数は多い)のバスが出ている。料金はクラスによって違うがだいたい200B~。バス停やアランヤプラテート駅から国境までは6kmほどで列車やバスの到着に合わせてソンテウやバスが運行している。国境のロンクルア市場まで料金10B。カンボジア観光ビザは国境で取得できる。2014年10月1日より観光ビザ(ビザT)が20ドルから30ドルに値上げした。
国境のロンクルア市場からポイペト国境は徒歩で越えられる。ビザ取得や両国イミグレ通過も含めて混んでいても通常30分かからない。
ポイペト側からバス会社各社によってターミナルが異なる。旧ターミナルは2kmほどだが新ターミナルは10kmほど。バイタクが連れて行ってくれる。ピックアップトラックもあるが朝が多く、昼過ぎには客が少ないのでぼったくられる。
乗り合いタクシーもあり1台48US$で4人で乗れば12US$だが、1人で乗れば48US$になる。ポイペトからシェムリアップの所要はバス3時間、乗り合いタクシー2時間。ちなみにバンコクからプノンペンへの国際列車の工事現在進行中。2015年にできるという話だったがたぶん延期、また延期となる。国境イミグレはどうなるのか。パダンブサールタイプか?
②カオサンバス カオサンロード発のツーリストバス。シェムリアップまで290THBからと最も安い。このカオサンバスの難点は以下の2点。 1.提携レストランで強制連行 郊外の周りに何もないレストランで食事休憩という名目で1時間ほど無駄に時間をつぶされる。レストランの料金も外国人料金で高め。タイ側で1回(アランヤプラテート)、カンボジア側で1~2回(シソポンやクラランなど)ある。 2.シェムリアップ提携宿に強制連行 国境バスターミナルや提携レストランで無駄に時間をかけて暗くなってからシェムリアップへ到着。連れて行った先の提携宿に宿泊させようとする。なので提携宿以外で降りることはできない。ただ必ずしもそこに泊まる必要はなく、提携宿でもさほど高くはない。 |
ほかにビザなしで利用すると高めの手数料でビザ代行を強制しようとする。国境のレートの悪い両替窓口で「ここはとてもレートがいい」と嘘をついて両替させようとする。アランヤプラテート郊外のバスターミナルで延々待たせて「早く行きたいならタクシーを使おう」と本来払う必要のないポイペト→シェムリアップの追加料金を支払わせようとするなどさまざま。もともとの料金設定が安すぎるので小技で小銭を稼ごうとする仕組みが多数ちりばめられている。むきになってとりあっても無駄なのでこの辺の攻防をゲームとして楽しめる旅人向き。
③国際バス
モーチットバスターミナル発のシェムリアップ行タイトランスポート社の国際バス。750B。シェムリアップまで乗り換えなしで同じバスで到着する。国境ではバスを降りて全員のイミグレ通過まで待っていてくれる。朝9時発、シェムリアップ午後15時着。国境名物ハイエナ君とのバトルもカオサンバスのいじわる時間稼ぎも皆無の快適バス。
今後この手の国際バスは増えるようだ。2014年年末までにナコンチャイエア Nakhonchai Air (エアとついているがバス会社)がモーチットからシェムリアップ、プノンペンへの国際バスを運行することを発表している。
国境はカモを待つハイエナ君の跋扈するエリアなので注意がいる。ここで英語を話す地元民は120%その種の人間なので相手にしない。彼らにビザを頼むと無用に高額になる。またその後も延々つきまとわれてシェムリアップまでもぼったくり料金で行かざるを得なくなってしまう。
対応策は完全無視。しつこい場合はビザを持っていなくてももう持っているとうそをつく。多少英語が話せてもしゃべれないふりをする。カンボジア語で「No
thank you」は「オッ テー オークン」なので連呼すれば若干効果はある。英語で取り合うのが最悪の対応。
バンコクからのカンボジアへ往復する時、短期間に複数回タイに再入国する場合、若干配慮が必要になった。
2014年8月からタイの沈没組追い出し政策で、ビザなし入国の条件が厳しくなり、タイには1年に2回までしかビザなし入国ができなくなった。
日本からバンコクへの渡航で入国1回とカウントされるので、タイからビザなしでのシェムリアップへの陸路往復は「1年に1回」しかできなくなった。ビザなし入国でその年にすでにタイ入国している場合、一度タイを出国すると2回目からはビザがないとタイには戻れない。今のところポイペト国境でタイのアライバル観光ビザは取れないので、事前にプノンペンのタイ大使館で観光ビザを取らないとタイに再入国ができない。
なので1年に2回目の陸路入国でビザがない場合はバンコクには戻れず、シェムリアップからラオスかベトナム方向へ陸路で抜けるか、空路でタイ以外の国へ行くしか方法がなくなった。
このタイ再入国問題の対応策は事前にタイのマルチビザを取得しておくか、通常の観光ビザで入って現地でリエントリーパーミット(再入国許可)をとるという方法もある。ただこの1年2回入国を実際どこまでイミグレで厳密にカウントするかは不透明。ちなみにシェムリアップからはベトナム方向へもラオス方向へもジョイントチケット(バス)で陸路で抜けられる。タイビザなし入国詳細はこちら、 タイ観光ビザ取得詳細はこちら。
遺跡めぐりの3日間を終えるとかなり疲れるので、バンコクへ帰る場合、1日くらいシェムリアップの宿でゆっくりする日を取っておいたほうがいいかもしれない。
シェムリアップのオールドマーケットには気のきいたお土産類はあまりない(と私は思う)。強いてあげれば「DANGER MINE CAMBODIA」のTシャツ2$から。
マーケットでおいしいのは南国フルーツ。ランブータンやマンゴスチンが1kg5000R(150円)位。完熟マンゴーやドリアンもいい。日本では考えられないような安い値段で売っている。ドリアンは本来雨季が旬の果物なのだが最近は乾季に行ってもある。ココナッツシェイクやココナッツアイスも結構いける。豆を甘く煮たぜんざいもどき500R(15円)をカキ氷とココナッツミルクをかけて食べる地元甘味もうまい。カンボジアに慣れていない場合は次の日の下痢は覚悟した方がいいかもしれないが。蓮の実というコアな地元スナックもある。束で1000R(30円)。
帰りのバンコク行きのバスチケットは帰る日の前日の手配でいい。大抵宿泊している宿で扱っているが申し込む場所によって値段が違う。大体8~10US$。8$で取り扱っているツアー会社はシバタ通りをいくつかあたればすぐ見つかる。
プノンペン5$やクラチェ12$、アンロンベン6$へのバスもある。プノンペンへはトンレサップ湖からボート(20~22$:4時間)も出ていて宿で手配可。プノンペン方向へのバスターミナルはシェムのホテルエリアからかなり離れていてとても歩ける距離ではない。バイタクで4000R。プノンペンへのバスは5$、バックマージンレストランで時間をつぶされるので5時間くらいかかる。