びー旅ドットコム 第29回 アンコールワット4
アンコールワット 行き方
アンコール遺跡を個人で回る方法
シェムリアップで宿を確保したら次は遺跡めぐりの手配。シェムリアップ中心部からアンコールワットまでは片道7kmあるので徒歩で行くには若干遠い。周辺遺跡群はもっと遠いので一般的にトゥクトゥク(写真下)をチャーターして遺跡をまわる。その行き方解説。
日本からのアンコールワットへの行き方解説はこちら
2017年2月1日よりアンコールワット入場料値上げ。
1日券37US$、3日券62US$、1週間券72US$。
2017年2月1日以前は1日20US$、3日40US$、1週間60US$だった。
遺跡を回るには入場料が必要。入場料は1日37US$、3日62US$、1週間72US$。3日と1週間の入場券に使う顔写真はゲート脇で撮るので写真の準備は不要。入場券で入場した日は何回入場してもOK。3日券は有効期間1週間のうち任意の3日間入場可。3日連続して訪問する必要ない。1週間券も同様のしくみになっている。
この入場券で回れる近隣遺跡はバンテアイスレイやクバールスピアン、ロリュオス遺跡群まで。ベンメリア(5$)やプノンクーレン(20$)、コーケー(10$)、プレアヴィヒア(10$)には別途入場料が必要なので注意。
アンコールワット自体は1日あれば十分見て回れるが、その周辺にたくさんの遺跡がありそれらを含めて観光するには1日では難しい。
アンコール遺跡群を効率よく回る定番遺跡めぐりコースは「大回りコース」、「小回りコース」と2つに分けられる。これにバンテアスレイという郊外の遺跡を入れて3日でかなり遺跡を堪能できる。周辺には1週間かけてでも回りきれないくらいの遺跡があるが、テンション高いのはやはりアンコールワットとこの2つのコースに点在する遺跡群。写真右はライ王のテラス
Leper King Terrace の彫刻。
シェムリアップから北32kmにあるバンテアスレイは半日かけていく価値はかろうじてあるが、南東13kmにあるロリュオス遺跡群はアンコールワットの規模を小さくして薄めたような感じなので、限られた時間をつぶして無理に回るのはちょっと微妙。 3日で遺跡群を回るような場合はあまり知られてない遠方の遺跡に無理に行くより、有名どころを一通り回って、余った時間で自分で回った中でお気に入りの遺跡に再度行って、そこでゆっくり過ごすほうがいいような気はする。アンコールワットとバヨーン以外では小回りコースの「タプローム」と大回りコースの「プリアカン」がテンション高い。遺跡以外のトンレサップ湖とクロコダイルファームはテンション低いのでこちらも貴重な時間つぶしていく価値は微妙。 |
シェムリアップにいるバイタクやトゥクトゥクのドライバーなら説明しなくても遺跡ルートは熟知しているので、「大回りコース(グランドコース)」、「小回りコース(スモールコース)」等大まかに希望を言った後は細かい支持は出す必要はない。
またこれらの遺跡めぐりは思った以上に体力を使う。トゥクトゥクで連れて行かれるのは遺跡の前まででそこから遺跡の中までは徒歩で回る。また遺跡の最上階へ急な階段を両手両足を使ってよじ登ったりしている間に夕方を待たずに結構ヘロヘロになる。1月2月に行っても日本の真夏と変わりない暑さ。土ぼこりも体力を奪う。夜明けのアンコールワットを見る場合にはまだ暗いうちからホテルを出ないといけないので、そういう場合は睡眠不足も重なって余計に疲れがたまる。 私の場合は通しで夕方まで遺跡めぐりすると次の日まで疲れが残るので、昼に1回シェムに戻って昼飯食ってお昼寝してから午後の遺跡めぐりに向かったりもした。 |
個人で行く遺跡めぐりで利用するのがバイクタクシー(バイタク)かトゥクトゥク。バイタクとは右写真の左側の原付タイプ(排気量は100cc)のバイクタクシー。運転手と2人乗りで遺跡を回るスタイルで1人の場合、最もお金がかからない。
トゥクトゥクとは右写真の右側にあるような客席を付けたバイク。2人以上で利用する場合は自由度は減るが1人当たりは安くなる。トゥクトゥクを使って遺跡めぐりをする場合はこれを丸1日チャーターする。大回りコースを回って1日チャーター15$~、バンテアスレイを回っての1日チャーターで20$~。ベンメリア遺跡を回って1日チャーター30$~。2016年11月現在。
宿泊の宿で早々に勧められるのが宿専属のトゥクトゥク。ドライバーは英語を話し場合によっては片言の日本語もしゃべる。有名なバックパッカー宿はこういう専属ドライバーを複数抱えている。
その宿に泊まったらそこのお抱えのトゥクトゥクを使うという、なんとなくではあるが「空気」が出来上がっている。なのでその宿に泊まって外部の地元料金のバイタクやトゥクトゥクを利用する場合、あからさまに不快な態度をとられる事もある。
ただその宿のお抱えを必ず使わねばならないということはない。
トゥクトゥクは基本観光客用なので地元料金利用は難しい。ちなみに宿専属のトゥクトゥクの1日チャーター小回りコース12US$から、大回りコースは15US$から(1人利用の場合)、バンテアスレイまで含んだ1日チャーターはトゥクトゥク20US$(1人利用の場合)から。交渉制なのでこの料金は若干上下する。2016年11月現在。
シェムリアップではトゥクトゥクドライバーは片言英語を話す場合が多いがそうでない場合もある。また良心的な地元の方ほど英語は話さない傾向がある。普段地元の方のみを乗せているバイクタクシー利用にはカンボジア語は必須。「1日チャーターで10$」「今日は大回りコースを行ってくれ」等が伝わればややこしい会話の必要はない。片言でも会話にカンボジア語が入れば相手とのコミュニケーションの深まりはだいぶ変わる。タイ語やベトナム語と違って声調がないのでカタカナを読めば大体通じる。以下参考会話集。上の2行を言えばむこうも営業体制に入る。
「アンコールワットに行きたい」→「クニョム チャン タウ オンコァ ヴァッ」
「1日いくら?」→「ネアックモートー ムオィ トガイ トライ ポンマーン?」
「1日10$でOK?」→「ムオィ トガイ ドップ ダッラー OK?」
「今日は大回りコース行って」→「トガイ ニッ ソーム タゥ ヴォン トム」
「明日は小回りコース行って」→「スアエク タゥ ヴォン トーッ」
「ファイブダラー」「シックスダラー」等、数字くらいは地元トゥクトゥクでも英語で通じる。また大回りコース、小回りコースは「グランドツアー」「スモールツアー」で通じる時もある。適正料金でOKしない場合はあまり深追いしないでさっさと次のトゥクトゥクに当たったほうがいい。
1日問題なくすんだら次の日もそのトゥクトゥクを使うようにする。「明日朝5時にここに来てくれ」は「スアエク プルック、マオンプラム、ソーム マオク ティニッ」。赤字部分に希望の数字(下の表参照)を入れ替えれば明日の予約は完了する。バンテアスレイまで行く場合は20$くらいが適正価格。 チップは基本不要。その日1日楽しめたなら次の日もそのトゥクトゥクを利用してあげると、それがチップの代わりになる。「今日よかったら明日もあんたに頼みたい」はまじめな地元バイタクには殺し文句にもなる。カンボジア語では「バゥ トガイニッ ネアック ル・オー、 クニョム アオイ ネアック トゥクトゥク タウ ス・アェク ティエッツ」 |
地元系バイタク利用で知っておくと便利な言葉 | |||
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ちょっと待って | チャム ボンテッ | 食事 | ムホープ |
ここで止まって | チョプ ティニッ | 水 | タック |
トイレはどこ? | ボンコアン ナウ アエナー | ~に行ってください | ソーム タウ ~ |
ゆっくり | ムオイ ムオイ | 1時間 | ムオイ マオン |
右に曲がって | ボッ スダム | 30分 | サム サップ ナーティー |
左に曲がって | ボッ チュヴェン | 10分 | ドップ ナーティー |
まっすぐ | トロン | こんにちわ | チョムリアプスォー |
いくらですか? | トライ ポンマーン | ありがとう | オークン |
私、あなた | クニョム、ネアック | どういたしまして | オッツ エイ テー |
少しまけてください | ソーム チョッ ボンテッ | はい いいえ |
バーッ(男)チャーッ(女) テー |
カンボジア語の数字 | |||||
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1 | ムオイ | 11 | ドップムオイ | 30 | サムサップ |
2 | ピー | 12 | ドップピー | 40 | サェサップ |
3 | バエイ | 13 | ドップバエイ | 50 | ハーサップ |
4 | ブオン | 14 | ドップブオン | 60 | ホックサップ |
5 | プラム | 15 | ドッププラム | 70 | チェットサップ |
6 | プラムムオイ | 16 | ドッププラムムオイ | 80 | バェッサップ |
7 | プラムピー | 17 | ドッププラムピー | 90 | カウサップ |
8 | プラムバエイ | 18 | ドッププラムバエイ | 100 | ローイ |
9 | プラムブオン | 19 | ドッププラムブオン | 1000 | ポアン |
10 | ドップ | 20 | モペイ | 10000 | ムーン |
バイタクや地元食堂でよく使う数字のパターン | |||
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1000リエル | ムオイポアン リエル | 1$ | ムオイダラー |
1500リエル | ムオイポアンプラムローイ リエル | 2$ | ピーダラー |
2000リエル | ピーポアン リエル | 10$ | ドップダラー |
2500リエル | ピーポアンプラムローイ リエル | 11$ | ドップムオイダラー |
3000リエル | バエイポアン リエル | 20$ | モペイダラー |
3500リエル | バエイポアンプラムローイ リエル | 21$ | モペイムオイダラー |
4000リエル | ブオンポアン リエル | 36$ | サムサッププラムムオイ |
1500リエルは「ローイリエル」を省略して「ムオイポァンプラム」でも通じる。 4000リエルは1$と同じ、1.5$は「ムオイダラーピーポアン」。数字の後に「OK?」とつければ料金交渉可。 |
1日目
大回りコース+プノンバケン
2日目
小回りコース
+お気に入り遺跡再訪
3日目
バンテアスレイ
+アンコールワット
トゥクトゥク代は1~2日目12~15$、3日目20$~
以上3日間でトゥクトゥク代は合計47US$。1日チャーターなので疲れたらいったんホテルに戻って飯食ってお昼寝してまた遺跡めぐりのような使い方もできる。2014年現在、ガソリン代が以前より高騰して一部のドライバーは往復14kmの手間を嫌がる場合もあるので、昼にいったんホテルに戻るような場合は事前に交渉しておいたほうがいい。たぶんプラス2~3US$でOKしてくれる。
早朝の夜明けのアンコールワットへ行ってその後大回りコースを行くと夕方までもたずにくたくたになってしまう。なのでいったんホテルに戻ってお昼寝というのはおすすめ。夕方のプノンバケンの夕日までには気力が戻る。「ホテル」はカンボジア語でもそのまま「ホテル」で通じる。「ホテルに戻って」→「タゥ ホテル(オタェル)」 「少し休憩する」→「ソムラーク ボンテッ」 「2時にまたアンコールワットに行きたい」→「マオンピー クニョムチャン タゥ オンコァヴァッ ティエッツ」
アンコールワットはサンライズ以降午前中は逆光になるので池の前からの定番の逆さアンコールワットのきれいな写真は撮れない。順光のきれいな写真を撮るには午後2時~4時に訪問する。なので午前中バンテアスレイやベンメリア訪問した場合余った時間でアンコールワットに行くと効率がいい。ちなみに午前中は空港方向とは逆の東門からは順光になる。
大回りコースでもバンテアスレイでも早朝から回り始めると午後1~2時頃には一通り回り終えるので、そこでいったんホテルに戻って休憩して2時~3時頃から再びアンコールワットやバヨーンへ向かうのもいい。朝とは違った遺跡の表情を見ることができる。遺跡内は食事も飲み物も高いので市内に戻って食べた方が安くすむ。
バイタクで連れて行かれる場所は遺跡の入り口で、そこにバイタクを待たせて入り口からは1人で遺跡内に入って行く。トゥクトゥクドライバーはガイドではないので遺跡内には同行しない。アンコールワットの場合は2時間もあれば大体一通り回れるので「チャムティニッ、 ピーマオン」(ここで2時間待って)と言えばそこで2時間くらい待っていてくれる。カンボジア時間なので別に3時間かかっても問題はない。アンコールワットの入り口付近はものすごい人なので、はぐれるといけないようにトゥクトゥクの型や色、ドライバーの顔はよく覚えておこう。大抵出口に戻ればむこうから寄ってくるが。他の遺跡群も入り口で降ろしてもらって遺跡は一人で回るというパターン。
写真右上はタプロム。シャヤバルマン7世の母親の霊を祭った霊廟寺院。記念写真定番スポットでいつも人であふれかえっている。「この木ガジュマルを切ると建物も崩壊してしまうため共存させている」というが切って崩壊していない遺跡は周りに複数ある。一方でガジュマルが遺跡を崩壊させるという説もありややこしい。ただ切ると見てくれがかなり残念な状態になるので実際は観光資源確保の一面ありそう。確かにこの状態は圧巻で他にはないテンション。タプロム含むアンコール遺跡小回りツアー解説はこちら。
レンタルの自転車(1日1~1.5$)を借りて自転車で回るという選択もあるが、アンコール遺跡群は思ったより広く、小回りコースでも自転車だとヘロヘロになる。また自転車を長時間放置したまま遺跡めぐりをしないといけないので盗難・紛失等余計な気は使う。
もちろん鍵もついているし、入り口付近では1$のコーラを頼むのと引き換えに自転車を売店スペースに駐輪できるが、そういう出費をちょろちょろしていると結局バイタクで行ったほうが安かったりもする。バンテアスレイまで自前の自転車で回る欧米人観光客もいるが、自転車での遺跡めぐりはよっぽど体力に自信がない限り避けた方がいいかもしれない。
アンコールワットとバヨーンくらいまでならそこそこ気分良く自転車でも行ける。ただしアンコールワット単純往復でも14kmあるので、何駅から何駅までのように自分の近くの土地の距離に置き換えて、そこを炎天下に移動することを想像して決めた方がいい。
また遺跡の入場料を支払わないで無料で遺跡観光をする方法として午後の4時半以降、ゲートでの入場券チェックがなくなってから遺跡めぐりをするという方法が昔から知られている。しかしすぐに日が暮れて真っ暗になるので実質5時半くらいまでしか遺跡にはいられない。やはり少なくとも1日は入場料払って昼間入場した方がいい。夕暮れ入場は遺跡入場料は無料だがしっかりバイタク代(地元バイタクでも往復3$~)はかかるので、テンションを考えるとあまりおいしい方法とは言いがたい。