プノンクーレンとはライチの山の意味。標高461m。現在国立公園になっており公園面積37,500ヘクタールと広大。外国人入場料20$。カンボジア人入場料2000リエル(0.5$)。公園内山頂付近、広範囲に点在する遺跡は行きづらいうえに規模はどれも小さい。要領の悪い旅行者が「ここに行けば達人」の現地営業トークにのせられて結構な料金払って連れていかれる遺跡といえなくもない。
プノンクーレンは802年にジャヤヴァルマン2世が即位し、プノンクーレン山頂にて「デーヴァ・ラージャ(王が神となる儀式)」儀式を行った場所。これ以降アンコール王朝はアンコールワットの時代を経て15世紀まで約600年栄えた。クメール王朝発祥の場としてクメールの人々にとって神聖な山として現在でも巡礼の場になっている。しかし外国人にはそういう思い入れはないのでインパクトは薄い。
2016年2月29日(月)
プノンクーレンはクメール王朝発祥の場としてカンボジアの人々にとって神聖な山なのだが、彼らの訪問するプレアアントム Wat Preah Ang
Thom は「遺跡」というよりお坊さんが修行する「僧院」であり、現役の参拝巡礼地。
Wat には寺の意味もあるはずだがカンボジア人は寺(Temple)ではなく僧院(Monastery)だと強硬に主張する。
カンボジア人訪問客の目的は「遺跡観光」でなく「巡礼」。山奥の遺跡まで行くカンボジア人は皆無。プレアアントムの涅槃像も遺跡としてのテンションは低く、アンコール遺跡群にあるようなインパクトを期待してきた場合、かなりがっかりする。
プノンクーレンは遺跡目当てで訪問する外国人観光客にとって行く価値は薄い。このプレアアントムのさらに奥の山の中に確かに遺跡は点在するが、規模は小さくそこまでの道も悪く行くのが大変。遺跡がしょぼくても、行くのが大変で人が行かなければ価値があると思っているのは自称達人だけ。なのでそれらの遺跡に大金と時間をかけて訪問する意味はかなり微妙。
プノンクーレンに安く行く方法にはいくつかのコツがある。後半3分の1悪路の山岳ロードになるのでバスや自動車、トゥクトゥクで行くと手前の滝やプレアアントムまでは行けるが、山頂の遺跡まで行けない。結局追加20$払って遺跡まではバイタクで行くことになる。 なのでプノンクーレンに限っては山奥遺跡まで行きたいならバスやトゥクトゥク訪問でないほうがいい。もちろん「滝とプレアアントム寝釈迦だけでいい」とか、「追加20ドルも問題ない」という場合は別。ただシェムリアップから往復140kmと山道往復20kmが同じ20ドルというのは痛い気もするが。 |
シェムリアップの自分の宿から往復140kmあるプノンクーレン山奥遺跡に20ドルで行くには、山奥遺跡までそのまま行ける「地元バイクタクシー」を使って訪問することだ。シェムリアップからプノンクーレン入場門までは55kmだが山奥遺跡まで片道70km、往復140kmあるのでその距離をバイタク後部座席で移動できる旅行者限定の方法だが。
最近バイクタクシーで遺跡を訪問する観光客は減ったがそれでも外国人用バイタクと地元民用バイタクはなんとなく境界があり分かれている。ここで利用するのはあくまで普段地元民を専門に乗せている地元バイタクだ。特徴は英語をほとんどしゃべらないこと。
私は当初選択肢の一つとしてアンロンベン行ラーンタクシーを使って途中下車していく先日のプーンコムヌー方式も考えていた。しかしプノンクーレンにこの方法は向かない。アンロンベン、スラエム行ラーンタクシーが分岐する地点はプノンクーレン入場券売り場まで15kmも離れている。またそこで降りてもバイクタクシーが捕まるような環境でないのでシェムリアップでバイクタクシーを探してプノンクーレンまで行ったほうがいい。 ただバンテアイスレイには遺跡から分岐点が近いのでアンロンベン(スラエム)行ラーンタクシー利用で日帰りで行ける。 |
またシェムリアップからプノンクーレンに行く場合、プノンクーレンの入場券売り場のある入り口までは片道50kmだが、公園が広大なのでそのあと結構な距離を移動する。
入場券売り場から滝、ワットプレアアントムまで上り坂を4km、さらにプラサットクロホームまで山道を10km。スラーダムレイ、プラサットオーパオン、ダムレイクラップ方向へ行くにはいったんワットプレアアントムに引き返して別の道を向かわねばならない。
ツアーでプノンクーレンに行く場合、ワットプレアアントム、滝より山奥の遺跡に行く場合、そこから別途バイクタクシー代15~20$を払わないといけない。日本人ツアーの場合250$と強烈。それで行けるのはワットプレアアントンまでで、そこから先の各遺跡には20$別途必要。入場料と合わせると290$必要になる。また大手の日本人ツアーの場合プノンクーレンとバンテアスレイやベンメリアなどほかの遺跡を組み合わせる傾向あるが、プノンクーレンの遺跡群は1日では足りないくらい広範囲にたくさんある。他の遺跡と組み合わせている時点で「プレアアントムと滝しか行かない」という態勢。それならアンコールワット入場料とは別払いの入場料を20$も払う意味がない。
シェムリアップで地元バイタクを見つける方法は、ゲストハウスの近くにたむろするお抱えバイタクは避ける。交差点でカモ待ちするバイタクを避ける。後は複数値段交渉してあたりをつけるなどして見つける。 シェムリアップからプノンクーレン山奥遺跡まで往復利用で20$とプレアアントンから各遺跡ごとに20$とではえらい違いだ。 私の場合、テンション低そうなスラーダムレイなどのある定番遺跡エリアは避けてプラサットクロホームに向かった。未舗装の山道であるばかりか道も複雑でわかりづらいのでレンタルバイクで自力訪問はほぼ不可能。 |
シェムリアップで確保した地元バイタクは当然プノンクーレンの地理には疎いがカンボジア人なので山の村人から道を聞きながら目的地へ向かえる。プレアアントン村で滝と涅槃仏の写真撮って、そこからバイクで山道を走ること30分。ポムクラークモンという小学校前でバイクが止まる。ここから先はバイクでも行けないので歩きだという。聞いてねえよ。バイクで遺跡まで行けるんじゃなかったのか。
聞けばそこから遺跡までは4kmほどあるという。だって道わかんねえし。幸いバイタクのおじさんが遺跡まで同行してくれることになった。
道は1本道なのだが微妙に分岐があり全くの一人だとたどり着くには難しそう。トレッキング途中、小学校にいた少年が1人途中で合流。案内してくれるようだ。少年からバイタクおじさんが情報聞きながら遺跡に向かう感じだった。
確かにバイクでは行けそうもない山道進むこと15分。あれ?4kmじゃなかったの?たぶん実際は1kmちょっとくらいか。
プラサットクロホームは山頂にぽつりと一つだけあった。サンボープレイクックにあるような前アンコールイシャーナブラ時代様式の赤レンガつくりの古い遺跡。周りには人は皆無。民家からも遠い。何でこんなところに一つだけと不思議感漂う。
遺跡よりもそこにたどり着くまでの過程に味がある感じだった。左が同行してくれたシェムリアップバイタクのおじさんと、地元の少年。少年には別れ際にチップをあげた。
プラサットクロホーム見て正直ほかの遺跡を見て回る気があまりせず、そのままシェムリアップへの帰路につく。朝の7時45分発、15時宿到着の7時間15分ツアーだった。
バイタクの支払いはツアー終了後の後払い。正直朝の交渉時はこんな面倒な訪問先とは思っていなかったので20ドルとチップで5000リエル(140円)あげた。観光客相場よりは安いが、地元バイタクにとってはかなりおいしい金額。
48US$+リエル
1 KHR = 0.028円、1US$=113円で計算 円
宿の前からプノンクレンの滝とプレアアントム経由、プラサットクロホームまでの往復20ドルの地元バイクタクシー。最初18ドルで雇ったが予想外に遠かったので20ドル+チップ5000Rあげた。
プラサットクロホーム。ここまでバイクで行けず。最後に2kmほど山道悪路を歩く。高額ガイドなしで行って道に迷うこともなく、毒蛇、サソリ、毒グモ、地雷に遭遇しなかったのはなんでだろう。かまれないようにサンダル素足じゃないほうが良かったのかな?
良心的なシェムリアップ発のツアー。3人以上の料金だが、入場料込み。日本人料金とはだいぶ違う。バスで行くので山奥遺跡まで行けず。どうしても行きたい場合はバイタク代別途15$~必要。
プノンクーレンで食べた2000Rのバーイサッチュルーク弁当。バイタクのおじさんの分も買って二人で食った。
クーレン滝の下で。ツアーで行くとこの先に地雷があると滝の下まで行かないこともあるそうだ。
プノンクーレンの滝
ワットプレアアントン。涅槃仏のある岩の上から見る。
パークハイアットシェムリアップ
1泊1室33000円~ 予約はこちら
プレアアントム涅槃仏。バンコクのワットポー寝釈迦の原型がこんなところに。サイズはずっと小さく、寝てる方向逆だけど。
プラサットクロホーム、マカラの排水口
タンニンで紅茶状態の水
プレアアントン村危険な4人乗り
過積載
バイタクのおじさんも訪問を楽しんでいる感じだった。
巡礼カンボジア人ツアーの車
プレアアントン滝
ひと昔前のツアー訪問の場合、「下の滝つぼに行きたい」というと「地雷があるので危険」といって次へ向かうのがお約束だった。いえいえ下に行く階段あるし。滝つぼでみんな泳いでいるし。
滝つぼ脇の遊泳区域に地雷はない。私も普通に歩き回った。地雷原にレンタル浮輪屋変でしょ。高額ガイドがただ単に行くのが面倒くさいだけ。観光客をあやつる便利な言葉が地雷に毒蛇。