2014年9月10日(水)
タイに入国する時に30日以内の観光ならビザは不要で30日以内のタイ出国航空券があればビザなしでタイに入国できる。
滞在期限の上限などの規制がないのでこの仕組みを逆手にとって30日を越える前に陸路で隣国にいったん出国してすぐタイに入国して滞在期間をリセット、さらに30日間滞在できるようにする。これを「ビザラン」という。今まではこれを繰り返すことによってほぼ永久にタイに実質合法的にビザなし滞在ができていた。写真右上はビザラン定番国境アランヤプラテート・ポイペト国境のイミグレーション。写真の旅行者は一般旅行者でビザラン滞在組ではない。
この条件が2014年夏ごろから微調整された。このビザランによる長期滞在ができなくなったのだ。ビザなし30日入出国は陸路空路関係なく1年2回まで。滞在延長は1回につき30日1延長のみ。「それ以上はビザとれよ」ということだ。これに逆らって国境で必要以上にごねるとイミグレ担当官に「OI」永久追放スタンプ押され以降のタイ入国がかなり面倒になる。
周知のとおりタイは物価が安く、現地の方にまぎれて生活する限り生活にかかる金は日本よりずっとかからない。宿代食事代も含めて1ヶ月の生活費3万円もあれば現地で快適な生活できてしまう。 なので日本でニート生活する方々がタイに行ってビザランを繰り返しながらタイで快適な長期滞在生活するケースがあとをたたなかった。これを「沈没」とも「外こもり」ともいう。このスタイルのもともとのオリジナルは欧米バックパッカーで、タイには日本人ばかりでなく欧米の方々にもこういった長期滞在者は少なくない。現地ではこれらの沈没組の滞在延長のためのビザラン専門の国境往復ツアーまである。 |
タイのビザなし出入国条件が以前より若干厳しくなったように見えるも、現軍事政権のターゲットは現地の経済に貢献しない沈没組。狙いはビザランによる長期滞在封じ込め。沈没にもビザランにも縁のない一般旅行者にはあまり影響はない。
仕組み自体も入国自体を制限するわけでもなく3回目からはビザが必要になっただけでタイ政府が別段無茶な要求をしているわけでもない。
60日有効の観光ビザは目黒駅近くのタイ大使館で通常申請翌営業日発行できる。ただ観光ビザ申請料シングルエントリー4,500円、ダブルエントリー9,000円、トリプルエントリー13,500円と結構な値段。申請者すべてビザ申請オンライン事前予約(VABO)が必要。航空券予約コピーや写真のほかにも以前なかった職歴書や銀行残高証明書も提示必須になったようだ。
ビジネスビザを取るまでもなく、沈没組の境界部分で現地で買い付けなどの活動している方々や、ゴーゴーバーにはまってタイ通いをされている旅行者、今話題の代理出産目的で出入国繰り返す方々などには若干面倒な状態になってしまった。写真右上はバンレム・パイリン(タイ・カンボジア)国境。
たとえばタイを拠点にバンコクインバンコクアウトで周辺国を回るような場合、一度タイを出国するとその後のビザなし入国は実質1回のみでそれ以上のタイへの再入国にはビザ必須となってしまう。ビザラン1回するともうその1年はタイにビザなし入国は不可能になるのでビザランによる長期滞在は完全に封じ込められた状態になった。 タイ政府の発表では「1年間で4回まではビザなしでの出入国が認められる」ということだが、入国スタンプ1回、出国スタンプ1回とカウントするので実際は1年間で2往復。毎年1月1日から12月31日までの1年間で計算され、翌年に入ればまたリセットして1からカウントされる。ビザなし入国は陸路も空路も30日間滞在できる。 |
さらにビザなし入国後1回のみ30日のビザ延長申請ができる。申請料1900バーツ。入管窓口ジェーンワタナ通りの総合庁舎(ドンムアン空港近く)などで申請を受け付けている。ちなみにタイのオーバーステイの罰金は1日あたり500バーツ。3日までの超過なら出国時に罰金払ったほうが安くなる。
タイでは以前もこのような沈没組締め出し政策は何度か繰りかえされていた。しかしタイでは実際の決まりとその運用に隔たりがあり厳格に法律適用するとだめなこともマイペンライ(気にするな)の風潮で、実際の運用部分では大目にみられることが多々あった。そのせいで今までの締め出しはいつも効果のあがらぬうちに尻すぼみになっていた。 実際の決まりと運用に隔たりの例として、たとえばビザなし入国にはタイからの30日以内の出国航空券が必須で片道入国や陸路入国にもこの出国航空券は必要とされていた。出国航空券(必ずしも復路である必要はない)がなければ本来はビザが必要なのだ。 |
しかしこれまではイミグレで出国航空券の提示を求められることはほとんどなく、私はこの10年間片道航空券での入国でも陸路入国でも、出国航空券を持参することなく何度も無事にタイに入国していた。この決まりを厳密に適用すると陸路入国になるビザランにも再入国の際に出国航空券が必要になるのだが、出国航空券持参でビザランをする優秀な沈没組を私は見たことがない。
この辺の前例から今回の措置をゆるくとらえて「国境でごねれば何とかなる」と考えるのは避けたほうがよさそう。
国境の武勇伝としてイミグレの担当官とのバトルを得意げに話す達人がいるがこれは自分で自分の首を絞めるとても危険な行為。国境にはびこる悪質なぼったくりマンとイミグレ担当官はまったく別な存在だ。決して同じ姿勢で戦ってはいけない。
入国イミグレ窓口の担当官は自分をその国へ入国させるかどうかの最終決定権を持った立場の人間。何があっても絶対にはむかってはいけない。イミグレ担当官にはむかう行為は、たとえていえば警察の取調室の被疑者が取り調べの刑事にけんかを売っている行為に等しい。
そして今回この辺の事情がわからずに国境でごねる痛い沈没組を押さえ込むために、タイ政府はイミグレ担当官に強烈な武器を用意した。それがOI スタンプだ。OIとは
Out / In の略でビザランを繰り返す悪質な外国人に対してパスポートに押される永久追放スタンプ。これを押されると今後一切タイへの入国を拒否されるとのこと。これは一時的に入国できないというより今後タイへの入国が全くできないようになるらしい。現地の経済に全く貢献しない沈没組がいなくなることでタイが損をすることは何もないのでこの措置にマイペンライの精神は入り込む余地はなさそうだ。
今後タイへ入国する際には1年で3回目になる入国からはビザが必要になる。2回の入国でそれぞれ延長すれば1回60日滞在できるのでうまく組み合わせれば2回で120日のビザなし滞在ができる。上で述べたような事情から今後ビザランによる滞在延長は考えないほうがいい。
タイを拠点に周辺国を周遊する場合には所定の1年内3回目の入国からビザがないと入国を拒否されることになるので、そうならないような配慮はいる。タイのビザは日本だけでなくカンボジアやマレーシアなど周辺国のタイ大使館でも取得できる。
またドンムアンやスワンナプームの空港で取れるアライバルビザは中国人などビザなし入国が認められていない国の旅行者のための15日有効ビザで日本人のこういうケースのビザではない。写真右上はオスマック国境カンボジア側。
ノービザ入国時の出国航空券のチェックやそれまでのタイ出入国回数のチェックをどこまで厳密にやるのか現状不明。タイ政府自体も現在暫定軍事政権という不安定さ。いつものことといえばいつものことなのだけれど。
またこれまでのように、勢いよく始まってもいつの間にか出国航空券のチェックなど全くされなくなった経緯もあるので、今後のイミグレ状況は不透明な部分が多い。入国可否の最終的な判断は窓口の担当官に任されるので判断基準の個人差もありそう。
アランヤやメーサイ、ノンカーイ、ムクダハーン、ウボンラチャタニーなどのかつてのビザラン定番国境、さらにスワンナプームやドンムアンの外国人だらけのチェックポイントは厳しくても、地元民しか通らない国境や外国人のほとんどいない地方空港はゆるいという今までの傾向は継続されるのだろうか。
また1年に2回までノービザOKというが今年のこれまでの出入国カウントはどうなるのかなどのあいまいな部分は数知れず。きわどい境界線で入国できるのかどうかの実録は近日公開予定。
14:18 2014/09/09
最新ニュースが出回らないので沈静化したように感じるが、14年5月22日タイ国軍暫定政府の国家平和秩序評議会(NCPO)が出した戒厳令は現在も継続中。憲法の停止を含む数々の制限がタイで今もなお続いている。軍(NCPO)の指定したテレビ局、ラジオ局以外による放送は停止。第7戒厳令2557は「5人以上の政治集会禁止。違反したものには1年未満の禁固または20,000バーツ未満の罰金」と宣言。
過去、赤シャツデモに洪水、前回のバンコク封鎖の時にも私はタイにいた。タイはことごとく私の訪問時に何らかのイベントで迎えてくれる。軍政とは関係ないが、2012年12月頃からタイの観光ビザの要件が面倒になっている。14年8月沈没組追い出し政策でビザなし渡航1年2回までになったので、今後は3回目からはビザ必須。何もなければ申請翌営業日とのことだが、今後は申請者すべてビザ申請オンライン事前予約(VABO)が必要。航空券予約コピーや写真のほかにも以前なかった職歴書や銀行残高証明書も提示必須になったようだ。私の自宅から目黒駅前のタイ大使館までは距離3km。バスで10分なんだけど。
8:14 2014/09/09
いつも情報いただいている山田さんからの情報。→ 2015年タイエアアジアX の成田ードンムアン線がダブルデイリーに。2015年3月より往路成田20:15ードンムアン1:00(翌日)、復路ドンムアン10:40ー成田19:00を運行。現在の成田9:15―ドンムアン13:55、ドンムアン23:45ー成田 8:00 (曜日によって若干前後)に追加される。
同時期に成田ークアラルンプール線もデイリーで開設。…とのこと。山田さんいつも情報ありがとうございます。
0:14 2014/09/08
博多華丸・大吉さんは素浪人花山大吉と関係があるのかと思って調べてみたら特に関係ないようす。調べてみて花山大吉の近衛十四郎氏の長男が松方弘樹氏と初めて知る。え?そうだったの?と少しびっくり。
私は自分の年の話は悲しくなるのでできるだけ避ける。「いくつですか?」の問いには「いくつにみえます?」とキャバクラのお姉さんとの会話の逆バージョンになってしまう。しかし月影兵庫と焼津の半次の掛け合いを知っている時点で年齢をネットで公表しているに等しい。海外長期放浪を繰り返すとウラシマ効果の影響も進行する。最近、女子大生の間で倍以上男子(おじさんを好む傾向)がはやりらしい。すこし元気の出る話題だ。
13:24 2014/09/05
びー旅の訪問者数1日平均2500人。月間PV12万2,513、月間ユーザー数5万1,016人(9月4日時点)。他SNSやブログサイトと連動していないので比較対象なく、なんともいえないが多分個人サイトにしては多い方。
先日格安海外旅行情報なら筆頭に来るはずのサイパン情報公開したのにそのページへのアクセス数がいまひとつ。びー旅を閲覧する方々はそういうゆるい情報を必要としていない。なので予定していたグアム情報は先送り。
タイエアアジアXが9月1日より成田、関空からバンコク、ドンムアンへ直行で飛ぶようになりタイがいっそう身近になる。最近タイのビザなし出入国条件が以前より若干厳しくなったように見えるも、軍事政権のターゲットは現地の経済に貢献しない沈没組なので、一般旅行者にはさほど影響はなさそう。ビザなし30日入出国は陸路空路関係なく1年2回まで。滞在延長は1回につき30日1延長のみ。「それ以上はビザとれよ」ということだ。国境で必要以上にごねるとイミグレ担当官に「OI」永久追放スタンプ押され以降のタイ入国がかなり面倒になる。現在私自身、乾季を待って近々タイへ入国予定。
地雷危険 オスマック国境付近
びー旅ロード2013トップ
131. メーソットミャワディ国境
132. カレン族
133. シンガポールへ安く行く
134. アンコール小回りツアー
135. アンコール大回りツアー
136. バニラエア減便
137. パプアエピローグ
138. 楽天カード海外ATM被害
139. ペルニ
140. ラジャアンパット
141. ラジャアンパットホテル
142. サイパン
143. タイ入国2015
144. タイ観光ビザ
145. パックツアーと個人旅行
146. 東京シャトルネット予約
ノンカイ ラオスゆるゆる国境
ココン(タイ・カンボジア)国境
パッカード・パイリン国境 国境でカンボジアビザは取れるがタイ観光ビザは今のところまだ取れない。
バッタンバン カンボジア
プノンペンウォーターパーク
ヤラー駅 タイ深南部
ミャワディからコーカレイまでの山道を行くハイラック。2010年頃までカレン族とミャンマー軍の戦場だった。この辺も未撤去地雷多数。