ペルニ 西パプアのファクファク発ジャカルタ行ティダール KM Tidar マカッサル港で
2014年8月1日(金) ペルニ PELNI とは Pelayaran Nasional Indonesia(インドネシア国営フェリー)の略。料金が極めて安く、2014年8月現在スラバヤからラジャアンパットのゲートになる西パプア州ソロンまで3,000kmを所要4日と14時間、ウィサタクラス全食事付Rp.783.500(6,738円)で行ける。 他スマトラ、カリマンタン、ジャワ、バリ、スンバワ、フローレス、スラウェシ、パプアなどインドネシア国内の島々を同様の格安庶民料金でめぐっている。自動車やコンテナも積載可能な大型客船。ドイツの造船会社マイヤーヴェルフト Meyer Werft 製。 |
チレマイ KM Ciremai やラボバル KM Labobar などのペルニの船名はすべてインドネシアの山の名前からとっている。ペルニの船の定員は大まかに500人~3000人乗りと数種類あり、たとえばチレマイは1等44名、2等88名、3等288名、ウィサタ(エコノミー)1553名で合計定員1973名。ティダールは総定員1904名、ラボバルは3084名、ランベル
KM Lambelu 2003名、グヌンデンポ KM Gunung Dempo 1583名、サンギャン KM Sangiang は510名等々。
しかし実際はエコノミーには座席指定のない自由席で詰め込むのでイルドゥルフィトリ(断食明けで最大ピーク時)などには2000人乗りに4000人乗ることもあるらしい。
船室は1等~3等、ビジネス、ウィサタ、エコノミーとある。ただLCCなどの台頭で飛行機の値段が安くなり、1等料金はフライト代よりも高い。最安エコノミーでも食事は3食無料、水つきで船内で配給される。それ以外の弁当や飲み物の売り子も常に周回している。混雑時のエコノミー自由席は甲板泊を覚悟したほうがいい。 最安自由席エコノミーはかなり濃い船旅になるので、格安旅行耐性のない日本人にはエコノミーよりましな3等やウィサタ利用のほうがよさそう。料金は3000km航行でも1,000円違わない。船内には食堂、医務室やカラオケや売店がありイスラム礼拝室もある。船内では毎朝早朝アザーンあり。 |
ペルニのクラス分けは船によって変わる。ティダールの場合は1、2、3等とありその下にエコノミーがあるが、グヌンデンポ KM.GUNUNG DEMPO の場合は1等に1A、1Bとあり1Aのほうが若干高い。その下には2等も3等もなくウィサタ(ツーリスト)クラスのみでエコノミーもない。
また2014年8月現在、チレマイ KM.CIREMAI の場合は1等2等とその下にビジネスとウィサタ(旅行者)クラスしかない。数字等級のないクラスはランク的にはエコノミ<ウィサタ<ビジネス。3等の下にエコノミ、2等の下にビジネス、ウィサタが来る場合が多い。
2014年8月1日現在の料金の例。KM.CIREMAI、TANJUNG PRIOK(ジャカルタ) - JAYAPURA(パプア州の果ての港町)の場合、航行距離は片道3500kmで、
1等 Rp. 3.730.000、
2等 Rp. 3.041.500、
ウィサタ Rp. 1.312.500。チレマイにはエコノミーはない。
またエコノミーには座席指定のない自由席チケットもあり「乗っけてやるが席はない。甲板でも廊下でも好きなところへ行きやがれ」という体制。途中乗船のエコノミーの場合このタイプのチケットが多い。ただ3等座席指定で船底のノンエアコン蒸し風呂船室に閉じ込められるくらいなら甲板で風に当たって航海したほうがいいような場合もある。甲板にはゴキブリもねずみもほぼいない。
ペルニ格安クラスを利用しての船旅は日本人の一般旅行者向けではない。勧められるのは途上国の格安旅行耐性のある旅人限定。船内ではインドネシア語しか通じず、一般的運行間隔は2週間。運行所要は行く場所にもよるが数日~1週間。エコノミ船室は蒸し風呂で、ゴキブリもねずみも徘徊する。 LCCに乗ってキーッとなるタイプの方は決してペルニに乗ってはいけない。日本から現地の宿や鉄道を必死に予約しようとするタイプもむかない。そういう方々にはペルニ以外の豪華客船は腐るほどあるのでそちらをお勧めする。ただインド鉄道3等に乗って顔がにやける格安旅行愛好者の場合は実に濃い船旅を堪能できる格好の獲物だ。 |
混雑時のエコノミー自由席での長距離航行は結構大変なので、最初は気合の入ったバックパッカーでも所要2日くらいの近場でウィサタ座席指定ありくらいからはじめたほうがいいかもしれない。私の実感ではエコノミーとウィサタの差は思っていたより大きかった。
ペルニの航行スケジュールがほぼ2週間に1回というペースなので事前にネットで希望乗船地の出発日時を確認してその日にこちらのスケジュールをあわせる必要がある。スケジュールはペルニの公式ホームページで確認できる。出発2週間くらい前にならないとネット上にスケジュールは出てこない。ペルニの運行は気まぐれなので運がよければ1週間に3本もスラバヤ港にジャヤプラ行きがやってくることもある。
ペルニ公式ホームページでは直近2週間の航行スケジュールと料金のチェックができるのみで、乗船チケットのネット予約はできない。
チケットは通常出発港近くのペルニ事務所のチケット売り場で買うのが一般的。バリ島のブノア港にもチケットオフィスはある。またペルニ事務所まで行かなくとも手数料を取られるが地元系ツアー会社でも手配できる。手数料はピンきりで外国人料金が定着している観光地では高くなる傾向あり。
出港日1週間前から前日までに買うのが一般的。当日出港前でも買えなくはないが殺気立った地元民のおしくらまんじゅうに負けると買えない難点あり。またペルニのチケットは出発港のチケット窓口か周辺のツアー会社でしか確保できない。たとえばスラバヤ発ソロン行きチレマイのチケットはバリ島ブノア港のペルニチケット売り場では買えない。
ペルニには最安エコノミーで乗船しても無料の食事が3食つく。チレマイの場合No4フロアの配給窓口で朝6時~8時、昼10時~13時、夜16時~19時と無料のお弁当が配給される。乗船券を見せてチェックして下の写真のような弁当と水を受け取る。
すいている便では配給窓口待ち時間は1分ほどだが、混雑している便だと船内半周30分の長蛇の列に並ばされる。無料弁当とは別に食堂や売店もありそこでも食事はできる。
しかし船内売店では缶コーラ15,000Rp(120円)とソロンの空港より高い。それ以外にも売り子が常に船内を周回していてフライドチキン弁当2万Rp、カップ麺5000Rp、ミネラルウォーター1.5L5,000Rpなどを売り歩いている。売り子はお湯も用意していてカップ麺にはその場でお湯を入れてくれるが、船内には別にお湯の出る蛇口もあり。また途中寄港の際に上陸して港近くのコンビニに買い出しに行くのも手。地方コンビニのビッグコーラ525mlなら3,000Rpで買える。寄港時間はまちまちだがたいてい3時間くらい。
貴重品の盗難、紛失を避けるもっとも有効な方法は携行荷物をできるだけ少なくすること。「なくすものがなければなくなるものはない」という当たり前のこと。
私の場合はパソコン周りやデジカメ含めて7kgほどのバックパック1個のみ。別に手提げバッグを折りたたんで入れている。船内ではそちらに衣類などなくなってもいいものを入れて自分のベッドの頭の上の棚に上げていた。自分の席(ベッド)に荷物を置くことは席を離れた時に「この席には既に人がいる」という場所取りの効果もあり。
もうひとつは周りの乗客と仲良くなっておくこと。トイレやシャワーにいちいちパソコン入りの大きな荷物持ち込むのは大変。周りの方々と仲良くなっておけば、トイレやシャワー中実質彼らが荷物を見ていてくれる。船内では英語は全く通じないので周りの方々と仲良くなるにはインドネシア語必須。
船内の治安、安全状況は悪くない。私の場合と前置きは必要かもしれないが。皆さん他人の荷物への興味より自分の荷物をとられないようにするのにいっぱいいっぱいという感じ。3等客室でパソコン開いてゲームしいる地元の方もいる。ペルニのエコノミー大部屋では周りとコミュニケーションとれず孤立するほうがいろいろ面倒かもしれない。船内で外国人は珍しいのでわりと歓迎される。
ペルニ チレマイから見る夕暮れのスラバヤ港
ペルニ最安エコノミーに乗る場合に必要なことは大きく2点。
①荷物を少なくする。
②インドネシア語をしゃべれるようにしておく。
ただ「絶対に必要」というわけではなく「推奨」という程度。荷物が大量にあってもインドネシア語が話せなくてもペルニエコノミーには乗れるが旅の内容が全く変わる。また上の2点をクリアしてなければ面倒が多いのも確かだ。
バリ島からロンボク島へはツアー(往復ボートのみ含めて)がたくさん出ているがボート代は高めの外国人料金。月に2度ほど気まぐれにやってくるペルニで行けばビマ経由マカッサル行きでブノア港からロンボク島アンペナンまでEKONOMI片道51,000Rp(450円)で行ける。
例えば KM.TILONGKABILA BENOA / DENPASAR → AMPENAN / LEMBAR 所要5時間。
ちなみにウブン(デンパサール郊外バスターミナル)からバスだとロンボク島 MATARAM 15万Rp(1,500円、クラスによって若干違う)。こちらはブノア港でなくバタンバイ港経由でバスごとフェリーに乗る。港で待たされるがボートのみの所要は2時間弱。しかしクタ発のミニバンバスでマタラム11万Rpなのでウブンまでいく必要ないか。ギリ島直行でもバス込みで16万Rp。
0:27 2014/08/01
エアアジア、ジョホールバル発着3路線就航。7月11日からホーチミンとジョグジャカルタともに週4便、7月12日からロンボク島週3便。ジョホールバル(写真右)にはシンガポールダウンタウンからバスで40分でいけるので実質シンガポール線。空港税の高いチャンギをさけ、その分をフライト代に還元か。
シンガポール沖20kmバタム島PULAU BATAM からジャカルタ、タンジュンプリオ TANJUNG PRIOK へのペルニも出ている。シンガポール直結だといろいろ問題あるので近くまで行って安く済ませる同じしくみ。
三菱東京UFJの推奨するTrusteer社のRapportというインターネットバンキング用ウィルス対策ソフトダウンロードして使用する。ほどなく我が家のワイファイ接続が遮断される。ウィンドウズのファイヤーウォールやマカフィーと競合している可能性あるとみてアンインストール。正常にワイファイ復活。ネット見れなくなるウィルス対策ソフト利用する意味がない。
ペルニ 格安で乗っても赤道直下の海と空はトロピカル。
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ペルニ 赤道直下クルージング
ペルニチレマイ1等客室。ジャカルタ~ジャヤプラ Rp. 3.730.000, 3万円ちょっと。ウィサタクラス Rp. 1.312.500, の2.8倍。所要7日。ちなみにジャカルタ~ジャヤプラフライトは1万5000円くらいから。
ペルニ 1等客室のトイレ 自室にシャワートイレがついている。
ペルニフェリー1等エリアにはエアコンの効いたゲームルームあり。
貨物エリア
3等ウィサタに座席番号あり
エコノミー自由席の時にはここを占拠してここで海風当たりながら天の川見上げて寝る。朝寝返り打つと水平線が見える。船のライトは一晩中煌々とついている。
ペルニ 自動車入口
ペルニ 乗船風景
無料お弁当の受け取り風景
船室でページ制作
船室でいっしょだったおじさん達
デッキで知り合いになったジャカルタの大学生。彼は1等乗船中で彼からペルニについて英語でいろいろ情報聞けた。
ペルニ航海。格安で乗っても南の海のクルージングには間違いない。
この救命胴衣の箱の上で寝転ぶ。パソコン入りのバッグが枕代わり。チレマイのバウバウ以降は船内は上の写真のようにすいていた。ティダールのマカッサル~スラバヤの混雑と対照的。
私の荷物。青いほうは普段は折りたたんでバックパックの中。
マカッサル港のペルニ