格安海外旅行情報びー旅

シンガポール新幹線 日本製高速鉄道の海外進出展望

Singapore Shinkansen

シンガポール高速鉄道 新興国鉄道需要



Serendipity walk prologue 辺境情報局

シンガポール高速鉄道Singapore Shinkansen

日本製新幹線の海外進出展望

2016年12月14日マレーシア、シンガポール両政府は高速鉄道計画の合意文章に調印。2026年開業予定。クアラルンプールのバンダルからシンガポール、ジュロンイースト間約350キロを最短1時間30分で結ぶと発表。 駅数はマレーシア側に7駅、シンガポール側に1駅。現在のマレー鉄道より海側に建設される予定。入札は2017年第4四半期。シンガポール新幹線計画だ。

さらに続けて2017年2月5日タイのアーコム運輸相、バンコクとクアラルンプールを結ぶ約1500km の高速鉄道の整備について協議を始めると記者取材にて言明。シンガポール新幹線計画合意に続いての高速鉄道計画の表面化。現在マレーシア北部で運行されている高規格化コミューターとは別のバンコクからクアラルンプール経由シンガポール行の本格的なマレー新幹線構想が動き出している。先日私の乗ったパダンブサール発着の最高時速120kmコミューター(写真下)は中国製だが、シンガポール新幹線含む今後展開するマレーシア高速鉄道が中国製になるか日本製になるかはまだ決まっていない。



2015年運行開始のマレーシア北部の電化1000mmゲージ中国製高速鉄道 これはコミューターで普通列車。これ以外に特急列車も走る。上はアロースター駅。

前頁 海外旅行ウラシマ効果   ロード2017   次頁 てるみくらぶ倒産
このページは びー旅ロード183. シンガポール新幹線

シンガポール新幹線入札は2017年第4四半期

海外高速鉄道展開分岐点

2017年4月2日(日)

シンガポール新幹線入札は2017年第4四半期に行われる。ここで中国製になるか日本製になるか、それ以外の国になるかが決まる。日本としては中国に完全敗北したインドネシア新幹線の二の舞は避けたいところ。

入札は相手が決めることなので現段階で不透明な部分は多い。しかしこの受注先決定は日本の高速鉄道の海外進出の大きな分岐点にたぶんなる。

シンガポール新幹線完成後は北へ延伸されることが予想され、さらにその先にはタイ国境を越えてバンコクまでつながるマレー新幹線構想にまでつながる。延伸部分を巨額の費用かけてまでそれまでと違うシステムに変えることは考えにくいので最初のシンガポール新幹線を受注した国がそのまま延伸工事も受注する流れになることは目に見えている。


 

インドネシア新幹線で反省すべき点




なぜインドネシアが、日本が最高最先端と自負する日本製新幹線を計画途中で拒否したのか。それはかかりすぎる工費や完成後の運営コストに懸念が生じたためだ。台湾新幹線の赤字化の陰に潜むものに等しい。

また現状マレーシア北部クアラルンプール~パダンブサールで2015年9月8日から運行開始した中国製の1000mmゲージ高速鉄道ETS (Electric Train Service) が実績をあげてる背景も日本には逆風だ。



シンガポール ウッドランド


日本製新幹線の新しい提示

日本の売り込み方の「これが最高で、これしかありません」と最高時速250km 案のみ提示するのではなく、計画段階では工事費や完成後の運営コストのかからない案も同時に提示すればいいのではないのか。例えば最高時速150km案、180km案、250km案とそれぞれの工費の予算や、完成後の維持コストや、採算運賃まで提示して先方に選択してもらう方法が効果的なのではないかと思う。シンガポール新幹線の場合250km案が見込めたとしても、少なくとも計画段階での準備はしておくべきだ。

1000mmゲージ、動力集中方式など、本来の日本のスタイルでない高速鉄道は中国にしかできないかといえばそういうことはないはずだ。そういうやり方だったとしても日本がやったほうがより高度でコストパフォーマンスに優れた高速化ができるはずなのだ。




シンガポールとマレーシアは新興国というより先進国予備軍といったASEAN優等生国家で金銭的負担の懸念は他の新興国よりは少ない。「クアラルンプールからシンガポールまでを1時間30分で結ぶ」と発表しているように、この2国は高速鉄道に対する興味も意欲も大きい。シンガポール新幹線に限定していえば日本の高速鉄道の原点である250km案がそのまま採用される可能性も低くはない。ただそうであったにせよコストパフォーマンスへの配慮は不可欠だ。

2015年9月8日から運行始めたマレーシア北部の中国製高速鉄道ETS (Electric Train Service) は東京~大阪間の距離(クアラルンプール~パダンブサール511km)を2600円と日本の新幹線の5分の1の料金で運行している。1000mmゲージで最高時速は176km(試験走行時)だが、所要はそれまでの半分になる。2017年2月現在、土日は全便満席で席が取れないほどの盛況ぶりだった。




Booking.com

日本の弱点 決定までの時間がかかること

日本の弱点は工費や運営コストがかかるという問題以外にも、計画再提案の場合などでの立ち回りの鈍さという点もある。前回のインドネシア新幹線のように一つしかない提示案が拒否された場合、代替案再提示までとても時間がかかる。中国案に対抗できる計画を再提示する前に中国案で決定されてしまう。

なので今回は最初の提示の段階で中国が提示するであろう廉価版高速鉄道に対抗できる2案、3案も用意して相手に選択できる態勢で臨むべきだ。

また最高速度150km案、180km案では日本式スタイル1435mmゲージの高速鉄道にこだわらず工費のかからない1067mm、1000mmゲージでの運行や、完成後のメンテナンスがシンプルで費用のかからない動力集中方式での提示があってもいいと思う。

一部に日中韓共同受注案などという考えが浮上しているが、それは相手にかなわないと判断しての逃げだ。日本独自案でマレーシアとシンガポールを納得させる計画を提示するべきだ。国内入札であるような天下り裏ルートでの操作や、談合は国際舞台では通じない。根回しで何とかしようとする日本独特の考えはこの際捨てたほうがいい。他国を圧倒する最高のコストパフォーマンスがあれば日本ブランドは世界から信頼されているブランドなのだから単独受注は難しいことではないはずだ。






マレーシアでの高速鉄道受注はいろいろな意味で今後の日本の高速鉄道の海外展開の分岐点になるような気はする。マレーシアやインドネシアといった敬虔なイスラム教徒の国は、まじめで勤勉な人々に支えられている。そういう方々から得られる信頼は将来の日本にとって大きな財産になると私は思う。

Booking.com

シンガポール新幹線の後にひかえる新興国鉄道需要

ミャンマー・カンボジア

今回のシンガポール新幹線は別格だが、ミャンマーやカンボジアの今後の新設鉄道の場合、先方は石油貨物輸送に併用できる動力集中方式を望んでいる場合が多い。またそういった国では完成後の運賃を東京~大阪間新幹線のように片道14000円の運賃にすることも難しい。先日乗ったミャンマー鉄道は東京~大阪間の距離を普通列車322円で運行していた。

そういう場合、日本スタイルにこだわらずあえて動力集中方式で最高速度を150km に抑えた既成の軌間を利用しての高規格化高速鉄道にする配慮があってもいいと思う。

当然のことだが予算が限られている場合や、開通後運行コストやメンテに不安ある場合には、相手の都合に合わせる配慮があってしかるべきだ。日本にとっての最高の技術が必ずしも相手国で最高になるわけではないのだ。

関連リンク
チェンマイ新幹線  インドネシア新幹線  パタヤ鉄道  ミャンマー鉄道  マレー鉄道  プノンペンエクスプレス  マレーシア高速鉄道  アユタヤ鉄道  ナコーンラチャシーマー鉄道  スリン鉄道  スンガイコロク鉄道  エアポートレイルリンク  インド鉄道  インドネシア鉄道


ヤンゴン鉄道駅 廃車状態の日本製中古車両が現役で走る


●びー旅つぶやき

てるみくらぶ倒産


エアアジアハワイ線就航と入れ替わるように3月24日ハワイ格安ツアーを中心に扱っていたてるみくらぶが倒産した。負債額151億円。前払いが通常の業界で、反則技的に前払い金を会社の運転資金に回して自転車操業していたが、売り上げ低迷でその資金繰りが行き詰まったためらしい。

誰も口にしないがその裏にLCCの影がうっすらと見えるのは否めない。あまたの韓国、台湾線LCC、ティーウェイ航空グアム線、エアアジアXハワイ線就航の影響はたぶんある。てるみくらぶは格安を求める旅行者に支えられてきた。しかし昨今、本当に格安を突き詰めるなら「格安ツアー」ではなく、「LCC利用での自力旅」に行きつく。今回の倒産を教訓にしての利用者の選択は2つ。「格安ツアーは怖いので高額ツアーを利用しよう」となるか、「人任せのツアーは卒業しよう」となるか。どちらを選択しようと自由だ。

先日触れたエアアジア機内エンタは本家のサイトでも「Xcite Tab」という名で紹介されている。しかしこれは以前からあったレンタル機内タブレットだ。当日機内で頼むと60リンギ(事前予約49リンギ)と結構な値段の有料専用タブレットで受信する。私が先日KLシェムリアップ線で遭遇したものは、専用タブレットではなく手持ちのノートパソコンで受けてエントリーするタイプだった。ひょっとして専用タブレットでなかったから言語選択の先に進めなかったのか。それとも全く違うシステムなのか。詳細不明。ただ先日のはトップ画面に「Completely free(完全無料)」と書いてあったぞ?個人的には映画はどうでもいいので機内Wi-Fi無料解放してほしい。

22:55 2017/03/21
自分でも読めない展開。エアアジアの成田~デンパサール往復予約する。次の出国はインドネシアとなる。いやいや、待て待て。関空~ホノルルじゃなかったんかい。だから自分でも読めないんだって。旅の神様のおぼしめしに流されてって感じ?別にそのあとホノルルいってもいいんだし。

フライト料金片道表示9,900円、往復19,230円。クレカ手数料入れて最終的な支払は往復20,830円だった。この料金東京~大阪新幹線往復28,000円との整合性がとれん。ちなみに距離は14倍。預け荷物なし、座席指定なし、機内食なしのど根性フライト。それでもかつてのKL経由フライスルーより修行時間はずっと短い。

セレンディピティウォークの旅の疲れが取れていないうちにもう次の旅のカウントダウン、クレイジーな展開じゃ。我ながらあきれる。ネタの尽きないびー旅ドットコム。実をいうと帰国後2週間もびー旅の更新さぼって後ろめたさは感じていたんだ。


前頁 海外旅行ウラシマ効果   ロード2017   次頁 てるみくらぶ倒産
このページは びー旅ロード183. シンガポール新幹線


びー旅関連リンク


びー旅ロード目次

172. 海外ATM利用2016
173. アンコールワット雨季
174. 海外旅行ダイエット
175. エアアジア ハワイ線
176. 日本人と英語
177. 遅れる日本ICT戦略
178. 西アフリカ諜報訓練
179. タイに安く行く方法
180. びー旅スタイル5原則
181. 辺境情報局プロローグ
182. 海外旅行ウラシマ効果
183. シンガポール新幹線
184. てるみくらぶ倒産
185. 海外長期旅行の出費
186. エアアジアバリ島
187. インドネシアビザ
188. トラベルミニマリズム
189. バリ島ぼったくり回避
190. バリ島空港タクシー
191. バリ島空港バス
192. バリ島空港徒歩移動

びー旅ロード2015
びー旅ロード2017


ペトロナスツインタワー

クアラルンプール


ペトロナスツインタワー


シンガポール


ヤンゴン鉄道駅


タイ国鉄EU製の動力集中方式先頭車両。タイの地方行長距離路線は非電化。さらに単線が多い。


ベトナム ダナン駅


ミャンマー南部鉄道


ワイルドな線路 廃線ではない。1日1往復の運行がある現役路線。ミャンマー、ダウェイ郊外。


タイ国鉄日本製車両。


タイ普通列車車内


カオサンホテル

D&D イン 1泊1室 2,794円~
カオサン通りの老舗ホテル。屋上にプールがある。


パタヤホテル予約

びー旅ロード2017

b-tabi.com
びー旅ドットコム


Heritage Hunter
Serendipity walk
Fringe stream road