ラオス、パクセ―のラオ開発銀行(Lao Development bank)のATM。24時間営業。
2016年4月7日(木) 海外のATMで日本のカードを使って現地通貨が引き落とせるようになって久しい。この方法だと現地に多額の現金を持参することなく、現地で必要な時に必要な分だけ現地通貨を引き出せる。ATMは現地銀行のものなので、アフリカにもインドにもあり、24時間営業で地方都市にもたくさんあって便利だ。 それらのシステムでは利用者が電子決済レートに直結するので、導入当初から2012年頃まではクレジットカードキャッシングの方が、カード会社の金利分含めても現金両替よりも利用者の得になる状況だった。ただ銀行系キャッシュカードやデビットカード、一部の極悪クレカは例外。理由は後述。 |
この「現金両替よりも得になる」という状況が、2012年頃から若干状況が変わる。電子決済レートで両替する側に生ずるおいしい部分を、間に入った現地銀行がかっさらっていく傾向が増え始めた。なので2016年現在はカードの種類、国や銀行など複数の要素とその力関係で、現金両替より「得になるか」「損するか」がはっきりしない動的平衡状態にある。「両替は俺たちの畑だ。おいしい部分をてめえらにぜってえ渡さねえ」と現地銀行が間に入って中間マージンの熾烈な取り合いをしている感じか。
日本のカードで海外で現地通貨をおろすシステムはCIRRUS(シーラス、MasterCard系)またはPLUS(プラス、VISA系)というクレジットカード会社のもの。なのでそのカードにビザかマスターのマークが入っていればデビットカードや一部銀行系のキャッシュカードでも使える。クレジットカードの場合はキャッシング枠の設定が必要。びー旅スタイルを前提にしているのでアフリカやインドで効力のないアメックス、ダイナース、JCBはあえてとりあげず。 クレジットカードには「カード手数料は加盟店負担原則で顧客転嫁禁止」という利用者にはとてもありがたいルールがある。 |
このルールを適用すると「加盟店」に当たる現地銀行のATM手数料は取られないのが本来あるべき状態。なのでCIRRUS、PLUSシステム導入当初は現地銀行がATM手数料を利用者から取ろうとするとカード会社のポリシーで拒否され請求段階ではねられていた。ちなみにこれはクレカ会社のルールなのでシステムを間借りしている銀行系キャッシュカードやデビットカードには適用されない。
しかしこのはねられる部分がここ数年ではねられなくなってきた。国や現地銀行協会がこの顧客転嫁ポリシーを打破すべく「我国の銀行がATM手数料を取ることは正しい」との決定をしたのだ。2012年以降のタイ(銀行協会による決定)、2013年1月以降のオーストラリア(国の法律による)などがそれにあたる。
2012年からタイのATM事情が激変した。タイ銀行協会が現地ATM手数料を合法と決め、それまでクレカの顧客転嫁禁止ルールではねられていた現地ATM手数料がはねられなくなってしまった。
さらに2014年に150THBだったATM手数料が180THBになり、さらに2015年12月200THB(610円)に値上げした。なので2016年現在タイに限って言えばATM利用は以前ほど利用者側に得にならなくなる。レートのいい現金両替の方がより多くの現地通貨を手にできるのだ。
ATM手数料は1回あたりにかかるので、タイでATMを利用する場合は小額を複数回に分けて降ろすより、ある程度まとまった金額を一度にまとめておろす方がいい。
また現地銀行ATM手数料がみな200THBであるのに対し、イオンATM(写真左の紫のATM)の手数料は150THBだということも参考に。このイオン
AEON は日本のイオンのタイ現地法人。イオンATMの台数はまだ少ないがビッグCやテスコロータスなどに気まぐれに設置されている。カオサン通り近くではチャクラポン通りのタンフアセンデパート(写真右上)の1階入口裏にある。タイイオンATM・店舗マップへ
場所・時間 | 引き落とした金額 | 請求金額 | 実質レート |
---|---|---|---|
16年1月5日 ミャンマー・ダウェイ カンボーザ銀行 |
15万チャット 現地ATM手数料 なし(0円) |
元金13728円 利息 229円 実際の支払い 13957円 |
1Kyat= 0.09305円 |
16年1月13日 タイ・バンコク イオン(タンフアセン) |
7000 THB 現地ATM手数料 150THB(570円) |
元金 23425円 利息 622円 実際の支払い 24047円 |
1円= 0.29733円 |
16年1月31日 ラオス・パクセー ラオ開発銀行 |
100万 Kip 現地ATM手数料 2万Kip(280円) |
元金15154円 利息268円 実際の支払い 15422円 |
1円= 66.1393kip |
16年2月12日 ベトナム・ダナン AB BANK ※1 |
200万 VND 現地ATM手数料 2万VND(100円) |
元金10183円 利息270円 実際の支払い 10453円 |
1円= 193.246 VND |
16年2月18日 ベトナム・コントゥム BIDV ※2 |
200万 VND 現地ATM手数料 なし(0円) |
元金10141円 利息239円 実際の支払い 10380円 |
1円= 192.678 VND |
16年2月26日 カンボジア・シェムリップ Cambodian Public Bank |
200 US$ 現地ATM手数料 なし(0円) |
元金22544円 利息443円 実際の支払い 22987円 |
1円= 0.00870 $ |
16年3月2日 カンボジア・シェムリップ ABA Bank |
100 US$ 現地ATM手数料 なし(0円) |
元金11370円 利息195円 実際の支払い 11565円 |
1円= 0.00864 $ |
沢山あるクレジットカードの中、私の狭い経験の中でと前置きして、使えるまともなカードはニコスカード、セディナカード。反対に不快な経験させられ印象が悪いのが楽天カード、オリコカード。一概に言えないが、審査が簡単だったり、何かの入会のついでなどですぐ取れるカードほど良心的でない場合が多いようだ。 具体的には、後日請求書を見るとあちこちで手数料取られてレートに細工され結果とんでもない極悪レートでの外貨獲得になっている。ATMエラーで現金が出てきていないのに後日不当に請求され、異議申し立てをしても拒否されるなど。入会の営業トークはいいことしか書いていないので、実際に使ってみないとわからないのがつらいところ。 |
海外の現地銀行ATMを利用して日本の口座から現地通貨を引き出せるこのシステムはクレジットカード会社のネットワークを使ったもの。なので使うカードは最短距離でシステムを利用するクレジットカードの方がいい。銀行系キャッシュカードやデビットカードはそのシステムを借りている状態なのでその分中間マージンが多く発生する傾向がある。
銀行系キャッシュカードやデビットカードは金利の代わりに換算レートに何%かを加算して取る仕組みをとっている。またクレカ独自のポリシーである顧客転嫁禁止ルールは適用されないので、現地銀行ATMの承諾画面でOKを選択すれば請求段階ではねられることない。一般的に中間にはいるものが多くて遠回りになるほど利用者の利益は削られるものだ。
ただクレジットカードがすべて効率がいいかといえばそうでもなく、クレカ会社の中にも良心的でないものもある。現地銀行ATM手数料のほかに日本側でも別途手数料を取り、さらに金利までも取る極悪クレカもなくはない。
またクレカの欠点は取得時に審査がありそれなりのハードルがある。取得に時間もかかるのが難点。ただ勤め人ならほぼ問題なく誰でもとれる。CIC、JICCにブラックリスト掲載中とか、債務整理後7年未満というのでなければだが。事情で良心的なクレカを持てない場合に、審査の甘い極悪クレカを使うくらいなら、審査のない銀行系キャッシュカードやデビットカード利用の方がいいかもしれない。
16年1月5日利用したミャンマー、ダウェイ、カンボーザ銀行ATM。現地ATM手数料承諾画面で5000チャットの手数料了承するもクレカの顧客転嫁禁止ルールにより請求ではねられ実際は取られていなかった。
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私が実際に利用したガーナ、アクラの中心部トードゥ地区のATM。写真撮っていたらマシンガンを持ったセキュリティーに撮るなと注意された。ATM手数料は取られず。帰国後の請求は現金両替よりATM利用のほうが若干得だった。
16年1月31日パクセ―のラオ開発銀行 Lao Development bank ATM利用。現地ATM手数料2万キープ(280円)取られていた。
カオサン近くタンフアセンのイオンATM(紫)。手数料150THBでレート計算も良心的。隣のカシコーンバン(赤)は200THB。タイ銀行ATM手数料は2015年12月180THBから200THBに値上げした。
2016年2月26日シェムリアップのカンボジアンパブリックバンク利用。200US$おろし、上のように現地ATM手数料5$の承諾画面で手数料支払いを了承をする。しかし帰国後の請求で手数料分はクレカの顧客転嫁禁止ルールではねられてこの5$は取られていなかった。利用カードはセディナマスターカード。
2016年2月26日カンボジアンパブリック利用時の領収書から。5ドルのATM手数料の印字あるも請求段階ではねられて実際には取られず。
2016年3月2日、ABA Bank(カンボジア)100US$の引き出しに現地ATM手数料4$の表示。
ABA Bank領収書。こちらも請求段階ではねられて4$は取られず。利用カードはセディナマスターカード。ちなみに2012年12月アンツ(ANZ)利用時オリコカードでATM手数料5ドルは取られていた。
ブルキナファソ、ワガドゥグの両替所。ATMより両替のほうが損になり長時間かけてわけのわからん書類をトロトロ作るので時間もかかる。窓口では英語不可、要フランス語。
トーゴ ロメの私が実際に利用したATM。現地ATM手数料取られず、約1ヵ月後のカード会社からの請求は現金両替よりも得だった。アフリカ諸国では特に陸路国境での両替レートは強烈に悪い。
カンボジア、シアヌークビル、アンツATM。オーストラリアの銀行なので手数料はねられにくい。2011年ニコスビザカード利用時には手数料はねられたが、2012年12月利用時オリコマスターカード利用でATM手数料5ドルが取られていた。
私が実際に利用したインド、ムザファルプールのATM
ヒマラヤの山の中、ネパール、ナムチェのATM
ハワイワイキキのATM
ラジャアンパットのATM。ワイゲオ島ワイサイ、インドネシア。
イオンカード(WAON一体型)
海外ATM利用にはVISA・Master提携カード必須。年会費無料。電子マネーWAON一体型カード
カオサン通りと両替屋