日本人が留学や習い事、高額の費用払って英語を習得する風潮は滑稽。そもそも「英語が話せること」は海外に出れば当たり前のことで何の価値もない。それ以前に海外の非英語圏で英語で旅をするのは旅下手の証拠。非英語圏途上国で英語はぼられ言語。
英語?そんなのしゃべれて当たり前でしょ。出るとこに出れば3~4か国語話すのが普通だったりするし。各国現地語で海外を放浪する旅人から日本人と英語について一言。
2016年5月22日(日) 日本で生活する外国人で、日本語ペラペラでも、日本人のように漢字や敬語を使いこなし、日本人のような自然な言葉の使いまわしのできる外国人は少ない。というよりほとんどいない。日本語が堪能な外国人でも文章や文字を書かせれば日本人でないことがすぐわかる。なぜなのか。 日本語は他言語より習得の深度が深く、習得しも習得しても覚えることが際限なく現れる。意思の疎通程度にはそこまで深い習得は必要なく、使える日本語レベルの習得は難しくないので、ほとんどの日本語ペラペラの外国人はその位置にいる。 |
日本人の場合はかなりの深度まで日本語をきっちり学校教育で習得させられる。日本人は脳の言語領域を母国語で飽和させている。他言語を入り込ませる隙間が他国の方より少ないのだ。
ほんの一部の天才を除く普通の人の脳の場合、言語領域で稼働できる「容量」は決まっていてそれを超えるとそれ以上入っていかない。シンプルな母国語の場合、その脳の領域に空きがあるので他言語がそこに入って行きやすい。英語圏の大学での日本語習得の難易度はアラビア語と並んで最難易度とされている。つまり多くの日本人は母国語で領域が占拠されている状態なのだ。
そこに母国語と同じ密度と同じ深度でまじめに他言語を詰め込もうとするので「無理だ」と拒絶反応が起きうまくいかないのだ。
この辺が日本人が英語を話せない要因の一つになっていると私は思う。写真右上は西アフリカのベナン、コトヌー。彼らとの会話はフランス語。英語は全く通じない。
子供時代を英語圏で過ごした帰国子女にありがちな状況。ネイティブな発音は完璧だけど、漢字が書けない。敬語が不自然。なぜなのか。「容量」が英語で埋まると今度は日本語が入っていかなくなるからだ。
先日ネットで「なぜ日本人が英語をしゃべれないのか」を解説する英語商材の笑うような勝手な私見を見かけた。その原因は「白人に対する劣等感」からなのだという。いやいや、それはあんたとあんたの周辺だけだろ。そんな勝手な言い分が通るなら私も勝手な私見、独自のびー旅言語理論を。たぶんそれよりはましだと自分では思うので。
ではどうすれば英語がしゃべれるようになるのか。それはあえて乱暴に言えば「無駄なことを覚えない」ことだ。容量の少なくなったハードディスクに何もせずに大容量データをそのまま入れると容量オーバーになる。そういう場合はそのデータを圧縮すれば入れることができる。仕組みはそれと同じ。学校英語は圧縮せずにまじめに日本語と同じ密度で英語を取り込もうとするので容量オーバーで拒否されるのだ。
日本人は簡単に習得できる英語をわざわざ複雑にして迷路に迷い込んでいる。意思伝達に必要な言語習得には、通じることを第一義とする優先順位があるが、一般的な日本人の習得方法にはその配慮がない。
短期間での他言語習得するには「優先順位の低いものを相手にしないこと」なのだ。他言語での意思伝達に、完璧な文法やネイティブの完全な発音、自分の日常で使わない単語や言い回しは必要ではない。もちろんないよりはあったほうがいいが、そこを完璧にすることで肝心の意思疎通ができなくなるくらいだったら、そこは犠牲にしてかまわない。通じた後で習得すればいいのだ。伝えることを最優先させる。学校英語のようにまじめに1から10までしらみつぶしに拾うのでなく、必要なものだけを取捨選択して取り込む「データ圧縮型習得」が必要なのだ。
もっと具体的にいえば「赤ん坊が覚えるやり方」で習得するのだ。赤ん坊は教科書や辞書なしで言葉を覚える。また日本に来たフィリピン人出稼ぎウェイターが、教科書も何もなく、3か月で日本語ペラペラになる。それはその「赤ん坊が覚える覚え方」で覚えるからあっという間に使える日本語の習得ができるのだ。
テストでいい点を取る優等生英語でなくても伝わればいいのだ。日本人だって漢字は間違えるしフランス人だって動詞の活用は間違える。枝葉を間違えて意思が通じなくなるかといえばそういうことはまずない。
びー旅で声調があって発音が面倒なタイ語を、タイ語に詳しくない方向けにカタカナ表記して解説していると、タイ語に詳しい方からその表現は正しくないと突っ込みが入る。ネイティブはそういう表現はしないというのだ。しかし私はその表現でタイで私の意図する内容が通じなかったことは1度もない。なのでそういう突込みはあえて取り入れない。通じているので問題ないと私は思うので。
ネイティブスピーカーと寸分違わぬタイ語をめざす覚え方をしていたら、凡人脳の私にはタイ語以外の言語を複数覚えることはたぶんできない。
続けて必要なのは実戦で積極的に英語を使うこと。「完璧でない恥ずかしい英語」を、伝わることを最優先させて実際に使ってみる。そうするとたとえ間違った表現だったとしても、相手に通じてうれしい思いをするはず。 うれしい思いをすると、その通じてうれしかった英語表現は決して忘れない。また通じなくて悔しい思いをしてそのあとに調べた表現も忘れにくい。習得の過程にそういう感情が加わると記憶は増進される。机上の学習にはない効果でそこに努力はない。 さらに通じるとうれしいのでますますその言語習得に情熱がわく。そうすると膨大な情報量に立ち向かっていく元気も出てくる。 |
英語の圧縮習得が可能なら、たぶんその他の言語に応用がきくので第2、第3外国語の習得も難しくなくなる。
結構な年になって新しい言語を取得するのは、きっと脳には強烈に新鮮な刺激になると思う。
数字から、料理の名前、虫や動物、野菜の名前まで全部一から覚えなおし。現地での新言語習得は毎日が新しいことだらけ。おっさんに小学生と同じ新鮮な毎日を提供する。日本の日常生活で年を取ってくると新しい体験がなくなり、同じ毎日の単調な繰り返しの生活になりがち。この刺激のない毎日がボケを進行させるような気はする。
言語の習得はそういう意味では私のようなおっさんのボケ防止にはもってこいの脳のトレーニングだ。写真右上はインドネシア国営フェリー「ペルニ」の3等船室の外の廊下でパソコン充電中のところ。この船に乗る外国人は珍しいのでわりと歓迎される。みなさんとの会話はインドネシア語。英語さえろくにしゃべらない印象の日本人が自分たちの言葉をしゃべると現地の方々はとても喜んでくれる。
ここで英語商材を持ち出して「これを使えばあなたもぺらぺら」と他サイトと同じように営業トークに切り替えたいところだが、あえてしない。私自身他言語習得にほとんど金をかけていないので勧められる立場にない。
日本人のよくやる「語学留学」は人によってほとんど効果がない場合がある。海外留学すれば英語が話せるようになると考えるのは大きな間違いだ。
それ以前に留学で学ぶものが「英語」っておかしくないか?留学って専門知識を学ぶのではないのか。人それぞれなのはわかるけど英語習得のみなら留学は必要ない。高額費用無駄になっている感じはする。写真右はサハラ砂漠横断中のエジプトエアカイロ発アクラ行。
よくある海外での日本人の行動パターン。せっかく貴重な習得環境にいるのに、日本人同士で固まって日本人同士で延々会話する。「行けば何とかなる」で渡航して現地で日本人同士で群れているだけじゃ他言語の習得は無理だ。1年の現地生活で、人によっては日本国内で1週間で習得できる「会話力が身についた」じゃきっと痛い。語学留学やワーホリが企業採用であまり評価されない理由はその辺にあるのかもしれない。
とはいえ、ネイティブスピーカーと実際に会話することが上達への近道であることには違いないので海外へ出ることが上達のきっかけになることは確かなんだけど。ただわざわざ海外に出なくとも、日本国内で映画も歌もネットやラジオなども巷に英語はあふれているのでそういうところからも十分学べる。スワヒリ語やシェルパ語習得より日本国内の英語学習環境はずっと恵まれていると思う。
リオデジャネイロ。カーニバル本戦2日目サンボドロモ。少年との会話はポルトガル語。
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アルメニア人のおじさんとの会話はロシア語。私はアルメニア語は話せないので。
ミャンマー、ダウェイバスターミナル。完全な地元民エリアなのでミャンマー語しか通じない。英語でごねているとどこからともなく英語のしゃべれるぼったくりマンが登場し、ぼったくり外国人料金提示で落着する。激安地元料金で乗るにはミャンマー語必須。
公用語が4か国語でマルチリンガルの多いスイスだが、スイスドイツ語しかしゃべらない方も多い。公用語4か国語の中に英語はないが宿では英語が通じる。ドイツ語で話しかければ標準ドイツ語で返してくれる。
ガーナ・ブルキナファソ国境で。彼との会話はフランス語。ブルキナファソは仏語圏。ガーナは英語圏といわれるが現地語のガー語しかしゃべらない人も多い。その他多くの部族語あり。ちゅうかお兄さんもうちっと笑えよ。直前までニコニコだったのに写真撮ろうとするとかっこつけるので雰囲気が変わる。
カンボジア、プノンクーレンの山の中で。彼らとの会話はクメール語(カンボジア語)。声調はないが日本人には区別しにくい母音がいっぱいある。文字も日本人にはとっつきにくい。
ニカラグア、コーンアイランドの小学生との会話はスペイン語。
ラジャアンパット、ガム島。彼らとの会話はインドネシア語。
中国 九寨溝 中国には上海語などのほかに成都語、桂林語とあるが日本人が習う普通話で通じる。
ベトナム中部プレイクバスターミナルでおばちゃんが「私をとれ」というので。おばちゃんは英語は全くしゃべれない。ベトナム語の声調は6つ。日本人の習うハノイ語は南部のサイゴン語と発音はかなり違う。文字がアルファベットもどきなので若干救いあり。
シミラン諸島ミアン島にはロシア人がいっぱい。ほとんどがロシア語しかしゃべらない。彼らとの会話に完了体、不完了体の理解は不要。若い世代は日本のアニメに詳しい。
グァテマラ ティカール遺跡