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チェンマイ新幹線とバンコク郊外高速鉄道

15年6月25日公開投稿51 バンコク鉄道情報

チェンマイ新幹線とバンコク郊外高速鉄道


チェンマイ新幹線とバンコク郊外高速鉄道Chiang mai Bullet train&Commuter rail

バンコク・チェンマイ新幹線は日本製になることが両国間協議で決まった
始発駅は当初の予定通りバンスー駅の可能性が高い 投稿者 バンコク在住 いちたんさん


バンスー駅 数年後首都駅機能がここに移るとは想像しにくいが周辺で大規模都市開発は進行中

チェンマイ新幹線 Chiang mai Bullet train

2015年6月25日(木)
びー旅編集部から

バンコク・チェンマイ新幹線が2015年5月27日、日本製になることが両国間協議で決まった。

2013年4月ころはこの高速鉄道は「バンコク~ピサヌロークが2018年~2019年の開通、チェンマイまでその2年後開通を予定」といわれていたが、延期、延期、また延期がお約束のお国柄なので今回もその例にもれずというところか。今年中に日本側からの調査団がタイ入りして来年2016年着工の予定とか。

日本が参加することは決まったが現在計画は未定の部分が多い。バンコク側始発駅も未定。しかし、やはり当初の予定通りバンスー駅になるのではないか。投稿者のいちたんさんとのメールのやり取りで見えてきたのは次のようなこと。


現在の在来線はホアランポーン駅出発してしばらく写真上のようにきわめて狭いスペースを木造民家すれすれに進む。あの人たちをすべて立ち退かせて都心で大規模工事をこの10年でやってホアランポーン付近まで新幹線路線引き込むのは至難の業。過去タイ国鉄には別の鉄道計画で、バンコク都内パヤタイの用地買収のとん挫で計画が行き詰まった苦い経験もある。

反面バンスー駅周辺は地平線まで続くようなぺんぺん草の生えるのっぱら状態。現在バンスー周辺ではバンコク郊外高速鉄道と並行して大規模な都市開発工事進行中。さらに郊外鉄道レッドラインのバーンスー中央駅(仮称)という巨大ターミナルもできつつある。日本側の調査以前にタイ側がチェンマイ新幹線の始発駅をバンスーで準備している感じを受ける。日本か参加することで今後の計画発表後、竣工延期が繰り返されることはなさそう。


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バンコクホアランポーン駅 現地ではクルンテープ駅と呼ぶ


バンコク郊外のバンスー駅 チェンマイ新幹線の始発駅最有力候補 新幹線駅は在来線駅とは別に建設される

チェンマイ新幹線とバンコク郊外高速鉄道

先日5月28日びー旅つぶやきで「バンコクバンスー駅発チェンマイ新幹線(距離約670km)が日本製になることが決定した。現地バンスー周辺では結構な勢いで工事進行中なのにそんな重要なことがまだ今まで決まっていなかったことにびっくり」と書いたら、

バンコク在住でいつも情報いただいているいちたんさんから「現在進行中の工事はチェンマイ新幹線ではなくSRT(タイ国鉄 State Railways of Thailand )ダークレッドライン『ランシット~メークローン』のフェイズ1の『バーンスー~ランシット間、全8駅、26.3キロ』の鉄道用高架の建設工事ではないか」と指摘された。

なるほど。鋭い指摘。知らなかった。バンコク近郊では郊外高速鉄道ほかモノレールや地下鉄、高架鉄道の延伸計画などチェンマイ新幹線以外に多数の鉄道インフラ計画が同時進行している。私が2015年1月バンスー郊外で見た高架鉄道工事はいちたんさんのおっしゃる通りSRTダークレッドラインのものだった。しかしその一方でバンスー郊外では先の「高架鉄道工事」のみでなく広大な敷地での大規模な都市計画工事が進んでもいる。



バンスー駅周辺の工事の様子 2015年1月


2015年6月9日撮影 バンスー駅周辺大規模工事の様子

バンコク郊外高速鉄道とチェンマイ新幹線

以下いちたんさん情報。

バーンスー駅近辺での工事についてのびー旅つぶやきを見てお知らせした方が良いかと思いメールしました。OTO様が書いておられる現在進行中の工事はチェンマイ新幹線ではなくレッドライン(バーンスー~ランシット間、全8駅、26.3キロ)の鉄道用高架の建設工事と拝察いたします。

時系列でバンコク近郊鉄道計画と実現した路線について流れを書くと以下1~5の感じです。

1 新空港(スワンナプーム空港)が建設されることが決定した1980年代、それに付随してエアポートレイルリンク鉄道(ドーンムアン空港~スワンナプーム空港)の建設も決定。ドーンムアン空港付近の国鉄線路沿いでは、日本の円借款によって鉄道高架の建設開始。

2 その後アジア通貨危機等で財政支出の目処が立たなくなったこと、都心ターミナル駅として予定していたパヤータイ駅の用地買収が進まなかったことから、計画を大幅に縮小変更。ドーンムアン空港~パヤータイ間は建設を断念し、用地買収の目処が立った辺鄙な(失礼?)マッカサンを都心ターミナル駅として、マッカサン~スワンナプーム空港のみを結ぶ鉄道として建設することが決定。

3 2009年に日本との円借款契約でダークレッドライン(バーンスー~ランシット)の建設が決定してからドーンムアン空港付近では、上記1の元祖エアポートレイルリンク鉄道の鉄道高架の橋脚の撤去作業が開始。ここをクルマ、列車で通るたびに「アホな国やな~」と思っておりました。円借款で造ったコンクリート橋脚ですから、ここのコンクリートのカケラくらいはもしかしたらかつて私が日本で納めた所得税、住民税から出来ているかもしれませんしね。


バンコク在来線近郊列車 ホアランポーン駅からドンムアン5THB、アユタヤまで15THBで行ける


バンスー駅を出るとすぐこの状態に

4 レッドラインは2019年4月開通予定。なお同じくバーンスー駅を起点とするパープルライン(バーンスー~バーンヤイ)は今年中に試験走行を開始して、2016年8月開通予定です。

5 チェンマイ新幹線ですが、日本側は今年中に調査団を派遣し、早ければ2016年中に着工されるとのこと。1兆円と言われる総工費の負担割合、完成時期など全く不明。一部のタイブログ等では2020年完成などとまことしやかに書かれたりしてますが、太平洋戦争時の泰緬鉄道建設のように死人が続出するまで作業員をコキ使ったりしない限りはまずあり得ないでしょうね。そもそもエアエイジア、ノックエア等LCCによって価格競争原理がきっちり機能しているバンコク~チェンマイ間で、誰が新幹線に乗るのかが見えて来ませんね。

◆タイ国鉄バンコク首都圏レッドライン郊外高速鉄道システム概要

レッドライン郊外高速鉄道にはライトレッドラインとダークレッドラインがありいずれもバンスーを通過する。

○ダークレッドライン Commuter rail SRT Dark Red Line
Thammasat ~ Maha Chai ダークレッドライン詳細はこちら
running from Thammasat University's Rangsit campus to Maha Chai

○ライトレッドライン Commuter rail SRT Light Red Line
Hua Mak ~ Sala Ya ライトレッドライン詳細はこちら
バンスーターミナル完成待ちで乗り入れ予定。タリンチャンまで行くので南バスターミナルに接続する。タリンチャンではサナームルアン駅、民主記念塔駅のある地下鉄MRTオレンジラインとも接続。MRTオレンジライン完成は10年後くらい?2015年6月現在は絵に描いた餅、捕らぬ狸の皮算用状態。



ホアランポーン駅のイースタンオリエンタルエクスプレス バンコク~シンガポール20~50万円


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赤字を出し続けるエアポートリンク 打開策は延伸?ドンムアン空港につながるのか?

Airport Rail Link and extension 2015

Phaya Thai ~ Bang Sue ~ Don Mueang
エアポートレイルリンクに関して、今日6月23日のタイラット紙(発行部数最大のタイ字新聞)に面白い記事が載ってました。要約すると以下の通りです。SRTET社(エアポートレイルリンクの運行会社)のパーコーン社長代行の談話

●ドーンムアン空港~バーンスー~パヤータイを結ぶ21.4キロの区間について延伸(いちたん的には「復活」ですが)工事の競争入札を3~4ヶ月後に実施する。
●環境アセスメント手続きは完了。総予算は310億バーツの見込み。
●早ければ2016年中に着工、2019年に延伸(復活?)部分を開業出来る。

ツッコミどころ満載の無責任記事ですね~。百歩譲って競争入札実施の話が事実だとしても、2019年開業なんて120パーセントあり得ないスケジュールです。仮にウルトラC案として、パヤータイ~モーチット間は現行のBTSの軌道を、バーンスー~ドーンムアン空港間はレッドライン(2019年4月開通予定)の軌道をそれぞれ相互乗り入れの形で共有出来たとしても、どう考えてもバーンスー~モーチット間が繋がりませんね~。その区間だけシャトルバスでも走らせてピストン輸送でもするつもりなのか。それともバーンスー~モーチット間だけは現行のMRT(地下鉄)を使えということなら話は分からないでもないですけどね。


「私が先日見たバンスー周辺は鉄道路線工事というより大規模都市開発というような規模だったイメージあります」とメールいただきましたが、それについての追加情報です。

おそらくOTO様の「大規模都市開発というような規模」とは、国鉄の現バーンスー駅の東側一帯の地域かと拝察しますが、あそこはレッドラインのバーンスー中央駅(仮称)という巨大ターミナルを建設中です。

余談ですが、レッドライン沿線に建設中のコンドミニアムの宣伝では「ラックホッ駅(レッドライン)から200メートル」ってな感じで、あたかもすでにそんな名称の駅が実在しているかにように略図を新聞広告に掲載したりしてます。日本なら建設中、計画中の鉄路は点線や破線で描く等の配慮がありますがタイでは思いっきり太い実線で描かれたりしてます。大手紙に掲載された記事、広告ですら、信憑性はピンキリですからいろんな意味で面白い国です。



ホアランポーン駅 この先単線で民家すれすれでバンコク郊外へ向かう


バンスージャンクション周辺 見た通りの広大なぺんぺん草大地。都心の用地買収の懸念不要なのでチェンマイ新幹線始発駅最有力候補駅

関連リンク
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エアポートレイルリンク  インド鉄道  インドネシア鉄道

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ホアランポーン駅を出てすぐの風景 山形新幹線(福島~新庄)や、秋田新幹線(盛岡~大曲)のように改軌して在来線使うにしても、これではたぶん高速鉄道の安全運航はできない。都心の用地買収は難しい。


ホアランポーン駅でてすぐの線路脇にはすれすれまで民家がびっしり。車窓から家の中が見えそうな接近具合。


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