2023年9月現在、カンボジアには個人で簡単に現地のローカル村でホームステイできる仕組みがある。バンテアイチュマール村というカンボジア北西部のローカル村が村単位で外国人のホームステイ受け入れを行っている。村にはホームステイを掲げる地元宿が9軒あり宿泊費も1泊7US$(約1000円)と格安滞在できる。
ホームステイには専門の旅行会社通す必要もなく、そこに自力で行きさえすれば、誰でも簡単に濃いカンボジアローカル体験のできるホームステイができる。あまり知られていないおいしい環境がバンテアイチュマール村にはあるのだ。バンテアイチュマールへの個人での行き方と、ホームステイの方法解説2024年版。
バンテアイチュマール村はカンボジア第4の世界遺産になると噂の「バンテアイチュマール遺跡」脇の村で、遺跡まで1~2㎞ほどの距離(宿の位置による)で遺跡まで歩いて訪問できる。また遺跡観光に加えて濃いカンボジアローカル体験もできる。
バンテアイチュマール遺跡とは12世紀末から13世紀初め、クメール王朝のジャヤバルマン7世が息子の死を弔うために建設した仏教寺院。千手観音のレリーフが有名。東西約1600メートルと規模は大きい。あまり修復がされておらず、訪れる観光客も少ないのでアンコール遺跡群にはない雰囲気がある。2023年現在遺跡入場料5US$。1回払えば日をまたいで何回でも入場できる。周辺徒歩圏内にも複数の関連遺跡あり、遺跡群の中に村があるといっていい。
訪問は乾期(11月~3月)にしたほうがより快適で楽しい旅ができる。雨期訪問は、遺跡のテンションが落ちるだけでなく、道がドロドロになるなど雨期には無用なストレスが多数出現する。
またバンテアイチュマール村を拠点にバンテアイトープやタイ国境にあるターモアン、タークロバイなどの遺跡もまわれる。
バンテアイチュマール村行き方 បន្ទាយឆ្មារ
●拠点シソポンまで自力で行く ក្រុងសិរីសោភ័ណ
バンテアイチュマールに効率よくいく方法は、拠点シソポンまで自力で行くことなのだ。拠点は決してシェムリアップにおいてはいけない。ややこしくなってぼられるだけなので。シェムリアップから行く場合も自力でローカルバスなどを利用し、シソポンまで移動してそこを第一の宿泊拠点にする。またホームステイ宿の予約は必要ない。現地についてから当日簡単に自力確保できる。ただ実際はホームステイ宿の予約はできるので、念のために後述しておくが、しないほうがずっと異次元深度の深い旅はできる。
ちなみにシソポンはタイ語発音。シソポンを連呼しても現地の方に通じない場合あり。クメール語発音はセレイソポーン
ក្រុងសិរីសោភ័ណ(クロン セレイソポーン Serey Sophorn City)。シソポンはバンテアイミアンチェイ州の州都でもあるので、カンボジアのローカルバスの行き先がシソポンでなくバンテアイミアンチェイ
បន្ទាយមានជ័យ となっていることもありややこしい。
そのシソポンへの行き方は大まかに2通り。バンコク発か。シェムリアップ発か。日本からカンボジアへの直行便はなく、バンテアイチュマールホームステイはアンコールワット観光のついでにできるような内容ではないので、主にバンコク発の行き方解説。
バンテアイチュマール遺跡はバンコクから最も近いカンボジアのハイテンション遺跡。バンコクからの片道の道のり349km。
実はバンテアイチュマールはバンコクから最も近いカンボジアのハイテンション遺跡なのだ。カオサン通りからの片道の道のり358km。国境での出入国手続き時間入れて所要は約8~9時間なので早朝出れば夕方にはバンテアイチュマール村に着く。バンテアイチュマール最寄りの国境は約30km離れたバントロクンだが、そこにはまだ外国人用のイミグレはないので、ロンクルア~ポイペト国境からの入国してシソポン経由が一般的。
アランヤプラテート駅 プノンペンまでレールは完成しているが、もろもろの事情で運行開始までこぎつけられない。国境のロンクルアまでは約6㎞。歩ける距離だが途中猛烈に野良犬にからまれる。
大まかな流れは、バンコク→シソポン→バンテアイチュマール。まずカンボジアのシソポンに自力で行く。具体的には国境のアランヤプラテートまで行って、ロンクルア国境からポイペト入国。カンボジアビザは国境で30日シングル観光ビザが30US$でとれる。ポイペトからバスなり乗り合いタクシーなり使ってシソポンまで自力で行く。バンテアイチュマールでのホームステイを考えているなら、必ず拠点をシェムリアップに置かず、シソポンにおく。
バンコクから国境のアランヤプラテートまで(250㎞)は48THB(190円)の鉄道移動が最も安い。ポイペトからシソポンまでも格安ローカルバスが出ている。詳細は
2023年の実録ページで確認を。割高にはなるが、カオサンバスやナコーンチャイエア国際バス途中下車でも特に問題ない。以前シェムリアップまで200THBだったカオサンバスはコロナ明けで高騰していて2023年1月1400THBになっていた。また近い将来、バンコク~プノンペンの国際列車が運行するようなれば、もっと簡単にシソポンまで行けるようになる。
●YouTubeおとちゃんねる
格安シェムリアップ行バス
2023年1月4日 地元民用ローカルバスに乗ってポイペトからシソポン1万リエル(320円)で行く
バンテアイチュマール寺院遺跡 ប្រាសាទបន្ទាយឆ្មារ
関連リンク
バンテアイチュマール行き方2015
プレアヴィヒア寺院 カンボジア5大遺跡
徒歩でアンコールワット サンボープレイクック行き方
コーケー遺跡7ドルツアー 大プリアカン行き方
バンコクからバンテアイチュマールトボン村までは、国境での出入国手続き時間入れて所要は約8~9時間なので早朝出れば夕方にはバンテアイチュマール村に着く計算。ただポイペト発のバスやシソポン発の乗り合いタクシーには利用する時間によって料金が変わる傾向がある。特に乗り合いタクシーの場合、昼以降は同乗客が集まらないので足元見たぼったくり請求になりがち。
シソポンの地元ホテル。3階角部屋で風通しも眺めもいい25畳部屋。ファン部屋トイレシャワーTV付で1泊28000リエル(当時900円;7US$)。こういう宿はなぜか予約サイトには出てこない。
シソポンのホテルを booking.com で探す
推奨される方法は、まずシソポンに宿泊し、翌朝プサートメイ(プサーチャムカーコー)発の乗り合いタクシーでバンテアイチュマール村まで行く方法。朝頻発するので、シソポンに宿泊して翌朝出発が効率がいい。昼以降行くと乗り合いの同乗者が集まらないので、外国人の場合一人で乗って50US$の流れになる。朝で良心的乗り合いタクシー捕まえられれば5US$で行ける。
2023年1月実録。
プサーチャムカーコー前で客待ちする乗り合いタクシー
料金交渉はクメール語ですると安くなる傾向あり。またシソポンには8US$前後のコスパのいい地元宿が複数ある。それらは予約サイトには出てこないので当日確保が面倒がない。
シソポンのバンテアイチュマール行き乗り合いタクシー乗り場はプサーチャムカーコー前。そこまではバスターミナル脇のホテルから2.1㎞なので歩ける距離。バイタクで2000~3000リエル。プサーチャムカーコーからバンテアイチュマールトボン村のタクシー乗り場までは60㎞。完全舗装道路で1時間ちょっとでつく。
シェムリアップから162kmにあるバンテアイチュマール。日本人向けシェムリアップ発ツアーだと4万円(1名参加)かかる。日帰りだと車内監禁6時間、遺跡滞在1時間…行って確認するだけになる。
バンテアイチュマール行き方解説2015年版
シェムリアップから片道8.75 US$ (当時998円)で行く方法
バンテアイトープ脇の湖 遠くで蓮の花が沢山咲いている。
ホームステイの方法 宿の場所詳細
自力でバンテアイチュマール村の乗り合いタクシー乗場まで行けば、そこから複数のホームステイ宿に歩いて行ける。最近外国人専用のホームステイ宿以外にカンボジア人も宿泊できるゲストハウスもできた。電話番号はこのページに出ているので電話予約できる。英語可、日本語不可。ホームステイ関係はほぼ英語が通じる。また宿確保の相談や依頼は観光協会オフィスでできる。それぞれの場所の詳細は下のグーグルマップで確認を。いずれもやや歩くが徒歩圏内。乗合タクシー乗場からスレイモムまで片道道のり650m。
2023年1月9日から1月17日まで私はバンテアイチュマールトボン村に8泊9日した。前半3泊コクーンスレイモム1泊7US$に宿泊、バンテアイチュマールゲストハウス1泊7.5US$(通常8US$)に2泊。サヴィーホームステイ1泊7US$に3泊した。
バンテアイチュマールの宿を booking.com で探す
バンテアイチュマールマップ
ប្រាសាទបន្ទាយឆ្មារ
バンテアイチュマール村生活2024年版
コクーンスレイモム Khocun Srey Mom home stay 予約
私が2015年、2017年、2023年に宿泊した宿。英語可、日本語不可。メールで口約束、現地払いという感じ。
●Khocun Srey Mom home stay
1泊7US$。トイレシャワー共同 ファン部屋
Banteay Chhmar Community Based Tourism
Tel: (+855) 97 516 5533
Mr. Sopheng Khlout(スレイモム 宿のご主人の携帯電話)
Mail: sophengcbt@gmail.com
info@visitbanteaychhmar.org
ちなみに支払いはチェックアウト時にまとめて払う。シソポンまでの帰りのタクシーや、バンテアイトープへのバイクタクシーも宿で頼める。食事は宿でも頼めるが、若干高め。屋台で買ったほうが安いので私は屋台で買って食べていた。宿にWi-Fiはなく、観光協会オフィスに無料Wi-Fiあり。びー旅やおとちゃんねるのアップはそこからしていた。スレイモムやバンテアイチュマールゲストハウスは英語が通じるが、サヴィーホームステイはあまり通じず。ほぼクメール語で会話していた。ただ部屋はサヴィーホームステイのほうがスレイモムより倍くらい広い。レンタル自転車1日1.5~2US$。
バンテアイチュマールの宿を booking.com で探す
味のあるサイクリングロード 歩くとたまにわんこがからむ。
また遺跡の北にあるSokha's Organic Farm というプールのある宿はネット上で予約はできるが1泊5000円。
バンテアイチュマール村の観光協会ホームページもあり問い合わせ応じてくれる。たぶんここからもホームステイ宿の予約は依頼できる。グーグルマップには電話番号が出てくる宿もあるのでそこからも予約はできる。繰り返すが当日簡単に部屋の確保はできるので、ツアー卒業したばかりの経験の浅い旅行者でも、英語で意思疎通できるなら予約の必要はない。クメール語は不要。
観光協会ウェブサイト
www.visitbanteaychhmar.org
バンテアイトープ脇の道 カンボジア
遺跡訪問の仕方 入場料支払方法
バンテアイチュマール遺跡の入場料は5US$。日をまたいでのマルチ入場可で1回払えば何度でも入場できる。チケットはなく売り場のおじさんに顔を覚えてもらう味のあるシステム。入場料支払窓口は東門にしかないので、初回訪問は東門から入って入場料を払う。別に南門から入って東門に行ってもいいんだけど。
千手観音の場所は上のグーグルマップで確認を。周辺遺跡やバンテアイトープ、ターモアン、タークロバイ遺跡に入場料はない。
きゃぴきゃぴ女子高生のクーヨン移動
遺跡群の中にある村にホームステイ
バンテアイチュマール村のホームステイ宿は、一番近いタプローム遺跡には500mくらいしか離れておらず、メインのバンテアイチュマール遺跡も南門から直行すれば1㎞くらいしかない。実質遺跡群の中の村にホームステイしている稀有な環境。ここに1泊1000円で宿泊できるのはかなりおいしい状況と思う。
シェムリアップからアンコールワットは7㎞。スラアエム村からプレアヴィヒア寺院遺跡までは30㎞。コーケーもサンボールプレイクックも大プリアカンも拠点村からはとても遠く気軽に歩ける距離ではない。ノーリード野良わんこにもからまれるし。
またシェムリアップやプノンペンなどの外国人観光客受け入れ態勢万全の地域にはない異次元深度の深さも兼ね備えている。アンコールワット入場料3日で62US$との差も大きい。
びー旅つぶやき 日々の日記
9:27 2023/09/04
航空運賃高騰で格安海外旅行は過去のもの…の論調。これは正しくない。今現在も金かけない海外旅行は可能だ。ただコロナ前、格安旅希望者の全体の5割ができていたが、今は全体の1割しかできない状況になっている。そして残り9割は「高額出して渡航」の選択はせず、「行かない」という選択をしている。
格安海外旅行の難易度がコロナ前と比較にならないほど上がっている。旅行者側にある程度の旅の技術が必要になっている。典型的日本人向けツアーで海外へ行く。日系航空会社しか使えない。行き先を選ぶ配慮がない… というタイプには確かに今格安に海外に行くことはできない。「格安海外旅行は過去のもの」を公言する方々はほぼ間違いなく自分自身が格安海外旅行を実行できていない。できないので枝葉のどうでもいい理由を持ち出して負け惜しみの言い訳をしているだけなのだ。
円安物価高も航空運賃高騰も関係ない。一番肝心な点は実際に金かけないで海外旅行ができているかどうかなのだ。今エアアジアが天狗になって運賃高騰させているのは事実だが、その陰でベトジェットはそこそこな運賃でフライトを飛ばしている。今よりずっと渡航の難易度の高かった2022年2月~4月、2022年11月~翌年3月にも格安海外旅行は不可能と言われていたが実際にそれを私は実行している。
今年春以降、完全にコロナが明けて猫も杓子も海外となって、高くてもいいので海外へという小金持ちの狂喜乱舞で、一部航空券高騰し一見海外へ格安に行くことができないようも見える。しかし今現在でも場所を選べば、海外LCC使って格安海外旅行は簡単にできる。特に新興国の庶民物価は安いままなので格安滞在はコロナ明け物価高も関係ない。私がいま日本でおとなしくしているのは日本が暖かい(暑い?)ので寒さをしのぐ必要がないからだ。最近の私の渡航は「越冬」が目的になっている。加えて今タイは雨期真っ最中だし。日本が極寒に向かい、かの地が乾季になる時期を見計らって私は渡航する。航空券高騰?片道9000円が15000円になったのを私は高騰と認識しない。コロナ真っ最中の隔離免除旅に比べれば今の格安海外旅行など難易度は半分以下だ。小金持ち狂喜乱舞への便乗は長く続かない。航空会社も顧客層を広げなければ長期的な利益にはつながらないことを知っている。
Booking.com
12:52 2023/09/03
次の旅を模索中。エアアジアが天狗になってバンコクフライト代高騰が続く。盛んに「セールだ。今買おう」と宣伝しているが、11月の成田バンコク片道が4万円台。しかも預け荷物なし、機内食座席指定なしで。それら込み往復なら10万円近くなる。日系大手と変わりない。FD福岡発で片道11,790円が出ていたが9月下旬じゃ雨期真っ最中。雨の最も多い時期に安く行っても微妙。成田~福岡のジェットスターも、福岡のホテルもそれなりする。それら込みだと成田発と変わらない料金になる。私のコロナキャンセルで手にした手持ちのバウチャーはXJ限定(福岡発では使えない)だし。
盆過ぎれば安くなるかと期待していたがその気配なし。高くても売れる。エアアジアを天狗にしている環境があるので仕方ない。このままだとベトジェットの可能性が高くなる。越冬目的なのでベトナムの45日ビザなし滞在もありがたい。今日いつも情報いただいているちょろさんからメールもらって知ったが、今のベトナムはコロナ保険はなくても入国できるらしい。ベトナムのコロナ保険については古い情報が多く、いまだに「コロナカバー保険ないと入国できない」としているサイトも多い。ベトジェットは新興勢力らしく、バンコクやバリ島にも経由で格安フライトを飛ばしている。もう少し様子見るが、エアアジアがこのまま天狗なら今回のフライトはベトジェットになるかも。ZIPAIRの選択肢も消えていない。
・タイエアアジア(FD237)のプロモフライト片道