LCC=Low cost carrier 格安航空会社のこと
先日ネットでLCCの欠点に「遅延や欠航が多い」という10年前のひな型定型文がいまだに挙げられていて違和感。背景に日本国内線LCCしか利用したことのない、日系マイルを必死にためる方々の「安い方はそうでなくてはならない」願望がうっすらと見える。
実際に国際線LCCに遅延や欠航が多いのか。私の実感としてはほぼ大手と差がない。コロナや台風で欠航経験しているが、それは大手も変わらない。ごくたまに遅延あるも許容範囲で、こちらも大手と大差はない。私のLCC評価の視点は海外LCCに置いているせいもあるかもしれない。LCCに余剰の待機機材ないことは確かだが、今は大手でもそれを使うほどの遅延があることはほとんどない。逆にLCCはチェックインカウンターやゲートの締切時間に厳格で、上級会員の遅刻搭乗待ちディレイなどがない分その類の遅延は少ない。
←タイオーバーステイ Road22Top タイ物価3層構造→
モルディブのマレ、ヴェラナ国際空港のエアアジア
格安航空会社(LCC)欠点 最新情報
コロナ明け、円安物価高で、「格安」に海外旅行に行きにくい状況で、格安に行く数少ない方法の一つがLCCを利用した自力手配個人旅行だ。だがLCCの利用には、確保のタイミングとか、荷物を少なくするなど、それなりの身のこなしが必要になる。そのための現状を把握した事前情報が重要になる。
しかしネット上には、コロナ前の実情にそぐわない古い情報や、自身が格安旅行できていないぼられ旅行者目線のLCC解説が少なくない。当然だが、格安旅行ができない旅行者からの格安旅行情報を得ることはできない。ただLCCに注意すべきデメリットはあることは事実なので、実際にコロナ明けに快適に格安海外旅行ができている旅行者目線で、最新環境でのLCCの利点欠点をまとめてみる。
マカッサル ハサヌディン空港のライオンエア
国内LCCと海外LCCの違い
日本でLCCの解説する場合、国内線LCCと海外LCCの違いを知っておく必要がある。大手傘下LCCか、大手傘下でない独立LCCか、と言い換えることもできる。日本国内線LCCはすべて大手傘下。独立したLCCがない。大手傘下、例えばピーチの場合の全日空。ピーチは親分ANAに対して「安い方はそれなり」であることを、暗黙のうちに求められる。その結果として当然、本当に安くて快適なフライトを実現することが難しくなる。当事者がそれを口にすることは決してないが、構造上誰がどう見てもその顛末は明白だ。
ピーチやバニラなどその名前だけでも「LCC利用するやつらは所詮その程度」の傘下上層の意図が見えてしまうのは私だけか?
この辺の事情から、日本国内に焦点を置いても「安くていいLCC」の核心には迫れないので、ここではLCC本来の良さを出せる大手傘下にない独立LCCで運行される海外LCCに視点を置いて解説する。
マレ国際空港のトリバンドラム行スパイスジェット
LCC欠点アップデート
大手(フルサービスキャリア)と比較したLCCデメリット
通常席で確保した場合、大きく3つ
①預け荷物、機内食、座席指定が別料金
②払い戻し不可
③座席が狭い
以前は4つ目として「遅延やキャンセルが多い」というものがあったが、2023年現在消滅している。理由は後述。なのでそれに対するフォローやサービスが手厚いというかつての大手のメリットも実質なくなってる。
トラン空港のドンムアン行エアアジア 2022年3月撮影
最も大きいデメリットは①の預け荷物別料金に関しての罠。受託荷物超過した場合の追加請求が強烈ぼったくりなので、事前に知っておくべき。ただこれは最初に申請した受託荷物のリミットをしっかり守ればいいだけなのだが。
例えば成田バンコクのエアアジアで「受託荷物なし」でネット予約して、チェックインカウンターで「機内持込み制限7kg超えて持ち込めない」となった場合など。カウンターで当日受託荷物申請するとその場で1万円とられる。また、受託荷物の超過の場合も1㎏あたり2,200円もとられる強烈な罠がある。前述の通り、最初の予約時に申請した荷物をきっちり守れば理不尽にぼられることはない。
その他はたいしたことない。機内食ネット事前予約せずに当日購入でのぼったくりはせいぜい+2~300円。なので荷物超過だけ注意していれば、ぼられることなく快適に格安利用ができる。
LCC欠点①
①預け荷物、機内食、座席指定が別料金
LCCではこれらがサイドメニューとなって別料金として小銭とられる。ただこの辺で小銭とられまくっても燃油税のないLCCは大手の半額以下か。「なんで別料金なんだ」とごねるなら、LCCに乗らずに倍額払って大手に乗ればいいだけなのだ。
逆に預け荷物なく、機内持ち込み荷物のみ、機内食不要、座席指定も不要という私のような搭乗者には追加請求ゼロ。すでに実録公開している通り、成田~バンコク往復諸税込18,200円で往復できたりする。コロナ明けは31,500円だったけど。ちなみに大手は成田~バンコク往復エコノミー18万円だったりする。荷物の小さい搭乗者は大手に乗ると馬鹿を見る。他人の荷物代払ってるってこと?
LCCのサイドメニュー別料金で、私が理不尽なぼったくりと感じるのは荷物超過時の請求くらい。機内食や座席指定は小銭追加なので問題は感じない。特に機内食などは国際線でも1000円程度(会社や路線で違うが、エアアジア成田バンコクで事前予約なら740円)なので空港で食事すること思えば十分安い。機内食のメニューを予約の段階で事前に選べるのはある意味新鮮。
預け荷物あって、機内食も頼んで、座席指定もしたい場合は、それらがパックになった予約ができるのでそれを利用するのも手。個別に頼むより割安になる。ちなみに私は常に携行荷物7kg以下で、機内持ち込み荷物のみで搭乗している。チェックインカウンターで重量超過での追加の支払いしたことはまだない。
西パプア州ソロン空港のエクスプレスエア
LCC欠点②③
②払い戻し不可
この対策は簡単。ただ単に空港に遅刻せずに行けばいいだけ。最初に自分が決めたフライトを変更せずにそのまま利用すればいいだけなのである。また最近のLCCでは予約の段階で小銭高いプランで予約すれば払い戻しはできるようになっている(当日遅刻による直前キャンセルは不可)ので厳密にはデメリットにはなっていない。
スパイスジェットの機内。大手エコノミーとの差は感じない。
③座席が狭い
大手エコノミーとの差はさほど感じない。「そういわれれば少し違うかな?」という程度で十分許容範囲。LCCのシートピッチはボリビアの山岳バスの非人道的棺桶状態に比べれば天国のスペース。成田~バンコクの場合でたった6時間(韓国、台湾、マニラなどなら2~3時間)、たった10㎝の差に我慢できないという虚弱搭乗者はそんなにいない。体重150kg身長2mとかの場合は別だけど。
ちなみに今はエアアジアの国際線にはフルフラットシートがあるので、どうしても機内でふんぞり返りたい場合には小銭払えば寝転がって移動できる。大手の上位クラスに比べれば激安。
LCCになぜ遅延、欠航が減ったのか
日本運航開始当初に言われたLCCのデメリット、LCCの遅延、欠航がなぜ減ったのか。これは特に海外で顕著。それは地上職員含めた運航システムの熟練職人化が進んだからだ。LCCの急増、混雑に合わせて空港の無駄を省いた効率化も進んだ。
確かに今もLCC特有の連鎖遅延はないわけではない。だが手探り状態の運航開始当初に比べれば劇的に減っている。利用者側からすれば許容範囲。これは逆に言えば大手の遅延欠航に備えた待機機材はSDGsに反する無駄ともとれるかもしれない。
予備機材なしのタイトな運航を遅延なく可能にしているのは利用者側のLCC運航に対する慣れもある。そういうものだからそういうものとして利用する。頻繁に利用し、そこに行くことだけが目的のミニマリスト利用者は余計なサービスを求めない。遅刻せずに空港に行き、てきぱきと利用してさっさと降機する。遅延の要因になる利用者側の無駄の消滅が背景にある。フライトコモディティ化はキャリア側のみでなく、利用客側にも浸透しつつあるのだ。
私はボーディングブリッジよりタラップが味あっていいと思う
大手フライトヒエラルキー結界の価値
フライト移動はそこに行くのが第一の目的。機内でふんぞり返る意味は私にはあまりない。10年前までは台頭してきたLCCを下に見る風潮があったが、その流れが変わってきて来ているようにも感じる。今時海外LCCも満足に利用できないのは遅れているという視点。大手に高額出して乗るのは金持ちというより、ただ単にリテラシーのない残念な方々に見えてしまう風潮。もうかなり前から海外渡航は一世一代の大イベントではなくなってきている。私の場合、近所の公園に行く態勢で海外に気軽に行く。近所の公園に行くのに大それたサービスいらないと思うのは自然なことだ。
大手が盛んに喧伝する上級クラスのありがたいサービスは、他人の作ったヒエラルキー結界内で、相手の思うようにそれが素晴らしいものと洗脳されているように見える。ラウンジって何?頻繁にフライト利用するものは空港でぼーっとする時間などなく、空港についてすぐ搭乗して出発する。その他人の作ったどうでもいいヒエラルキー結界の上層で酔いしれることに意味を感じない。フライトは移動手段だ。豪華なサービスいらない。ただそこに行ければいい。なぜってそこに行けばハイテンションの海や山や遺跡、ラウンジのただ飯よりうまい屋台飯が待っているからだ。それに比べれば、機内でふんぞり返ることに私は価値を見いだせないだけなのだ。
日本国内線LCCは今も?
労働効率先進国最悪の日本。安全運航第一の美談のもとにやらなくていい無駄な慣習やシステムで無駄な時間を費やす傾向あり。安全運航第一なのはわかりきった大前提。効率の悪いシステムの言い訳ではない。とにかく日本の空港では搭乗してからテイクオフまでの時間が長い、同じような海外の混雑空港の倍? …なので日本国内線LCCについては、いまだにLCCの遅延欠航は多いのかもしれない。国内線LCCに乗ることがあまりないので実感できないが。
びー旅つぶやき 日々の日記
14:31 2023/06/14
行く気全くないし、興味ない他人事なのでどうでもいいが、大阪万博入場料7,500円ってすげえな。誰が行くんだ?そんな金出して?たぶんTDLやUSJの入場料見ての設定と思うが、催行者側のもうけ最優先、一方的な自己満足料金の感否めない。「こうしたら安くなる」の煩雑な料金体系ごちゃごちゃ出して本来の高額ごまかすのも定番手法。それに取り込まれる情弱は昨今減ってきている。そうまでしていく価値があるのか?富める者がより裕福になる既得権益者丸もうけの分断社会加速イベントに見えなくもない。
ちなみに1970年大阪万博入場料800円。1985年つくば万博500円。たぶん1970年から2025年で物価は10倍にはなっていない。1970年物価ラーメン110円が現在2023年600円なので、ざっくりと5.5倍。海外に行くことや新幹線の料金思えば7,500円は小銭だが、たとえ小銭あってもその価値がそこになければ足は向かない。その内容バーチャルですむんじゃないの?