びー旅ロード 2012年 No.79 レガシーキャリアと格安航空会社LCC
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レガシーキャリアと格安航空会社LCC

LCCプロモ料金とIATA普通運賃

航空運賃の二重構造 フライト適正運賃について


サイパン上空

◆2012年2月1日(水)レガシーキャリア    前のびー旅ロード   次のびー旅ロード
2012年2月現在、成田クアラルンプール往復、IATA正規運賃適用の大手航空会社(レガシーキャリア)で飛ぶと週末エコノミー396,000円プラス燃油税26,000円。総額だと40万円超える。一桁違ってないか一瞬目を疑う。現在この値段での利用者はどのくらいいるのだろうか。

IATAとは国際航空運送協会(International Air Transport Association)の略。「イアタ」と読む。国際線を運航する航空会社や旅行代理店業界の団体。高額運賃を設定する価格カルテルとの批判もあり、LCCは加盟しない事も多い。ちなみにLCCとは格安航空会社(Low Cost Carrier)。

この正規料金で利用するのは日系利用義務付けられている外務省の職員くらい?それもそれが自費でなく我々の税金というのも趣きのある構造。公費にしろ会社の経費にしろ他人の金でしか利用できない高額運賃はやはりどこかおかしくないか。

スーダン上空1万mのエジプトエア サハラ砂漠

2011年10~12月に私が実際に利用した羽田発エアアジアクアラルンプール往復は燃油税、空港税込みで支払い総額38,856円。先のレガシーキャリアIATA正規料金10分の1以下。渡航費が経費で落ちる立場だったとしても、ここまでいくとさすがにちょっと… となりそう。昨今の航空運賃設定はこういう二重構造状態。収束の方向は「適正価格」なのだろうが、それは果たしてIATA正規運賃なのか。こういう料金の前だと国内線、羽田-福岡往復の正月料金8万円は適正かとも思えてくる。


ホノルル空港のチャイナエアライン



ハワイ上空 この風景は払った料金に左右されない
安く乗れば事故遭遇率は高くなるのかといえばそういうわけでもなく、統計上はレガシーキャリアとLCCの事故率にあまり差はない。エアアジアも創業以来大きな事故は起こしていない。安全性の維持にIATA運賃は必要ないようだ。

国内LCCピーチアビエーションが2012年1月5日より関空発250円フライトプロモキャンペーン実施。1月25日よりスカイマークが関空~新千歳・那覇片道780円プロモ展開。2012年和製LCC熾烈な価格競争が始まり、あちこちですでに火の手が上がっている。

私の利用した羽田クアラルンプール往復38,856円はまだおとなしいほうでLCCのプロモにはもっと強烈な激安設定がある。数百円の国際線フライトは海外LCCではかなり前から存在していて珍しいことではない。数十万円のIATA普通運賃と対照的。

LCCのプロモーション(販売促進)料金にも問題点はある。プロモ激安席はフライト席がある程度通常料金で埋まることを前提に発売されるので、それなりの搭乗率がなければフライトは赤字となる。当然用意される激安プロモ席も少ない。数百円という価格の強烈な宣伝効果をLCCは利用する。


成田空港

エアアジア予約方法解説へ

ただこのからくりに味を占めてLCCがたやすく激安席キャンペーン連発するのは諸刃の剣。激安席は話題づくりのための単なる撒き餌。用意されているのはほんの数席でしかないからだ。結局そのインパクトに集まってきた利用者のほとんどに10倍料金の提示しかできないのでは単なる不当表示になりかねない。

今年2012年就航の和製LCC3社が利用者から支持されるかどうかは就航1~2年後に答えが出そう。就航直後だけにぎやかなのはよくあることで、その後失速も同様によくあることだ。しばらくたってみたら結局さほど安いわけでもなく、それまでとあまり変わりない状況…というのはこれまでどこかで見かけた展開だ。格安旅行者からの信頼得られるかどうかは数百円のプロモ席でではない。それは中だるみ時期を迎えた後の座席占有率ではっきり答えが出る。

ボルネオ島上空のエアアジア      .

また和製LCCの本当の正念場は国内線よりも中国、韓国、タイやベトナム交えた国際路線になりそうな気はする。「日本に行ってみたい」というタイや中国の方は現地でたくさん見かける。人口から見て総数はきっと膨大だ。しかし彼らの大多数はレガシーキャリアのIATA運賃で旅行はしない。


成田空港


     インドネシア上空のエアアジア
航空機のおかげで世界が狭くなったという言い回しがたまにされるが、私は世界が狭くなったとは少しも感じない。辺境の地を放浪すればするほど逆にその広さを実感する。しかしその反面、フライトに対する視点がここ10年で変わってきたとは思う。IATA普通運賃を背景に、某日系航空会社の「そういう客層は相手にしない」というスタンスだと利用者にそっぽを向かれることは倒産後の負債2兆3221億円という金額が示している。

その某航空会社の経営が下降していた同じ時期のエアアジアの躍進が象徴的。これは平たく言えば需要はあるのにそれに応えられていないということだ。IATA普通運賃とLCCプロモ料金のどちらが適正料金に近いか。それを決めるのは利用者だということを示しているようにも見える。30年前には航空機は日常から離れた別世界のありがたい特別な乗り物だったので市場を無視した自己陶酔型の殿様商売が許された。

しかし2012年現在、少なくとも私には、航空機はバスや列車同様の日常的な乗り物になっている。なぜなら今の私には長距離バスや新幹線より国際線フライト利用の機会がずっと多いから。IATA正規運賃で乗らなければ利用の機会も増える。そしてその利用頻度は30年前にあった特別な付加価値も減らす。

航空機がここまで普通の乗り物になった現在、高値にして一部の利用者からとんでもない料金請求するより、たくさんの利用者にフライト提供して利益を出すほうがいいんじゃないのかと勝手に思う。

●2012年1月24日 エアアジアジャパン 2012 LCC大戦開幕はこちらへ
●2011年10月27日 エアアジア羽田線搭乗実録。詳細はこちらへ
●2011年9月13日 羽田発KL行エアアジアネット予約実録、詳細はこちらへ
●2011年6月15日 関連コラム エアアジア選択分岐点はこちらへ


インドネシア上空のエアアジア エアアジアのローカルフライトはいつも地元の方で混雑している。


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  • ESTA申請をする。14US$。キャプチャ取りながらやったのでやり方近日公開予定。あの15分の作業に5500円も払う価値はないと思うのだが。やり方詳細公開すると旅行会社の営業妨害になる?
  • 私が国内の長距離バスや列車より国際線フライト利用が多いのは国内では引きこもり状態にあるせいもある。新幹線や国内線フライトはもう何年も利用していない。近距離の東急線や山手線は国際線フライトよりはたぶん多く乗っている。興味がなければ隣の町はアフリカよりも遠い。

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