びー旅ロード 2012年 No.77 バンコク洪水その後
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チャオプラヤ川沿いの屋台は浸水しても営業中


土嚢を積んで洪水対策。市内ではいたるところこの状況だった。

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チャオプラヤエクスプレス
洪水中も運行していた



ボート乗り場浸水中


バンコク洪水その後

2011年10月~11月タイ洪水収束

洪水の収束宣言後の検証、市中心部で大洪水は起こったのか


2011年10月31日 浸水が最もひどかった頃のバンコク チャイナタウン

◆2012年1月17日(火)バンコク洪水その後   前のびー旅ロード  次のびー旅ロード
2012年12月に人類が滅亡するというマヤ暦に端を発する味のあるの予言が出回っている。それが本当であろうとなかろうと、こういうものを取り上げて騒ぐのが一部の方々は大好きだ。

この話題の難点は2013年になればそれが本当か嘘かはっきりしてしまうことだ。ノストラダムスの時のように。そして何にもなかった場合、「大変なことが起こる」と騒いでいた方々はお約束でどこぞへと霧散する。正体不明の預言者やオカルト信者ならそれでかまわないが、大手のメディアが同じようなことでは甚だ疑問だ。

先日、2011年7月下旬から11月にかけてタイで大規模な洪水が起こった。この水害による死者は11月8日時点で529人、被災者は約290万人に上った。ちょうど運悪く私はこの洪水が一番深刻な10月31日にバンコクに立ち寄る羽目になる。

カオサン近く サムセン通り方向 2011年10月31日

日本より安いアフリカ行きの格安航空券を求めてマレーシア国境から陸路でのバンコク入りだった。別に洪水取材を狙っていったわけでなく、数ヶ月前から手配していた旅程にちょうどこの洪水が重なってしまった感じだった。

いつものようにパソコン持参で連日当日情報を現地から実況していたので、たまたまこのバンコクの洪水の状況も現地から生中継していた。


10月31日現地時間13時43分撮影

11月8日現地時間10時37分 この時、今後バンコクは洪水で大変なことになるといわれていた。



10月31日のチャイナタウン 翌日にこの水はなくなった
実況中継の様子はここにある写真の通り。冠水の勢いがもっとも強かったのは私がバンコク入りした10月31日頃で、その後水位は日に日に下がっていった。

上流から30億トンの水がじわじわ下りてくる仕組み自体は私も理解していたが、その現地の状況を見て、乾季を迎えていることを考えあわせてもその後大洪水が起こるとはとても思えなかった。そして当日公開情報にもその実感を素直に書いた。毎日こんなに水がどんどん減っているのにこれから洪水が起こるわけがないと。

そして私はガーナ行きのビザと航空券を手配してアフリカへ発った。西アフリカという、良い子にとっては行ってはいけない禁断エリアで、生きて帰ってくることだけに専念していたのでその後のバンコクの洪水にかまっている余裕などは全くなくなってしまった。アフリカ到着後はジェットコースター放浪にいっぱいいっぱいの日が続いていた。

私は11月10日にバンコクを発ったが、11月9日時点でネット上には相反する二つの予想が対立していた。「これからバンコク市内でも大洪水が起こる」というものと、私が書いたように「これ以上の洪水は起こらない。今後収束する」というもの。災害の予告というより、もうその時すでに500人以上の死者を出している洪水被害がその後首都バンコクまで及ぶのかどうか意見が二つに分かれていた。

現地が浸水しているのは事実だがバンコク市内に限って言えばそれはバンコクのほんの一部。10月30日から11月7日にかけて冠水道路も次の日には干上がっていて、チャオプラヤ川の水位も日に日に下がっていった。


2011年10月31日 バンコク チャイナタウン この水は翌日消滅

2011年10月31日洪水バンコク当日情報公開ページはこちら

その時の状況を明白に覚えているが大手メディアのほとんどが「今後バンコクで大洪水が起こって大変なことになる」の一点張り。9対1の割合で「バンコク市内でも大洪水が起こる。だからみんな非難しよう」という論調が大半を占めていた。そのあまりの勢いに私の「深刻化せず収束する」という見方が間違っているかような雰囲気だった。しかし今その時どちらが正しかったかははっきりしている。

その後バンコク中心部は大洪水で水没することはなかった。

10月31日サムセン通り この後数日で水は消えてなくなった。

11月11日タイ政府洪水対策本部は衛星写真から判断して状況が改善しつつあると発表。11月17日にインラック首相は数日の内に洪水被害が和らぐ可能性を示唆。そして12月23日スクムパンバンコク都知事は洪水の収束を宣言。


10月31日13時41分撮影

11月8日10時36分 私はこの状況を見て洪水は収束すると思った。

そうなのだ。結局騒ぐだけ騒いで11月10日以降バンコク市内中心部では深刻な洪水被害は起こらなかったのだ。間違っていたのは「これから洪水で大変なことになる」と言っていた方だった。そしてその後のバンコクの洪水状況の沈静化に関しては日本のメディアではほとんど何も言及されず。


2011年11月10日以降 バンコク中心部に洪水は押し寄せては来なかった


  10月31日のサムセン通り 3日後には水はなくなる。 
11月上旬洪水がバンコク中心部に押し寄せるかも知れないといわれていた時期、郊外の浸水エリアまでわざわざ出向いていって「大変なことになっています」という報道だと受け取る側はバンコクすべての場所がすでにそういう状況になっていると誤解する。現地の情報知りたがっている方々の危機感を無用にあおるだけだ。ラチャダピセークだのラプラオだのややこしいカタカナ地名連呼されてもタイに縁のない普通の日本人は余計混乱する。

洪水のもっとも深刻な時期、バンコクに滞在していて実感したのは、実際の状況と騒がれている内容があまりに違っていたことだった。

今パソコンのハードディスク(HDD)の価格が高騰している。タイの洪水での関連工場閉鎖の影響だとささやかれているが、日本で使われているHDDのすべてがタイの、しかも洪水エリアだけで作られているわけはないので便乗値上げの部分はありそう。今私はSSDノートPCのバックアップ用の外付けHDD、買わずに価格が下がるのを待っている。ウェブサイトの制作や管理程度だと32Gのフラッシュメモリでも十分足りる。


チャオプラヤエクスプレス(川のボート)は洪水時も運行 乗り場浸水中 11月3日撮影
ホアランポーン駅で列車が出なくなったため対岸のタリンチャン駅に向かう人々


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はみ出し情報
  • 1月16日円高でタイバーツが1万円替えて4,155.16B。洪水収束でバンコク行き時?一方で燃油税往復26,000円がネックか。
  • 12年1月14日タイ警察はテロの危険性が高い場所として、イスラエル大使館(スクンビット19、オーシャンタワー2の25階に所在)、カオサン通り、スクンビット22を挙げて警戒を強化している。
  • タイ南部で季節はずれの豪雨。12月31日~1月1日パッタルン、ソンクラーなどの9県で洪水が発生。10人の死亡、約15万世帯の47万人が被災。バンコクからは約600kmの距離があるのでバンコク周辺には影響なし。南北を結ぶ鉄道や国道が一時寸断され、交通がマヒする。


12年1月の南部洪水発生
地域はバンコクから遠い



チャオプラヤエクスプレス3B


地下鉄駅入り口は完全防護




カオサンとは対岸になるチャオプラヤ川沿い


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2011年10月31日 洪水がもっとも深刻だった頃のカオサン近くサンティチャイプラカン公園

洪水中のチャオプラヤ川
10月31日 ↑↓この上下の写真比較で9日間で水がどれだけ引いたかがわかる

洪水後チャオプラヤ川
11月8日 この後バンコクに大洪水は訪れなかった

  
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冠水道路 バイクもバスもお構いなしに通常運行 なぜならこの状況は現地では珍しくないから 2011年10月31日

2011年10月31日洪水バンコク当日情報公開ページはこちら

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