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海外ユースホステル
若者が消えたユースホステル 熟年用ホステルになった訳
タイと中国のホステル事情 地元宿との違い
桂林からリコウ下りの終点ヤンシュオからプライベートツアー
◆海外ユースホステル 2011年7月5日(火) 前へ 次へ |
「魅力的な旅」というのは人によって違う。趣向によっても、男女によっても違う。さらに年代によっても変わってくる。
ユースホステルに宿泊する若年層が減り始めて久しい。ユースとは名ばかりで実際の利用者は高齢者が多い。理由として少子化だの旅の嗜好の変化だのが並べられるが、なぜかどれもいいわけっぽくて核心を突いていない。なぜもっとストレートな回答を誰も声に出して言わないのだろう。答えはもっと単純で明快だ。それは海外旅行でユースホステルに宿泊する旅がただ単に魅力的に見えないからだ。ユースホステルに泊まり歩いた経験は、どんなに多くの国を回ろうとも、利用している本人が思うほどの達人イメージはない。また武勇伝効果もない。
日本国内のユースホステル事情は私個人に情報がないので今回は触れないが、海外では私も何度か接点はあって実際に宿泊経験もあるのでその印象はそれなりにある。
「現地語料金<英語料金<日本語料金」。この構図は何度もこのサイトで紹介している。海外でユースホステルに泊るということは、非英語圏の旅行の場合、この真ん中の「英語料金」の旅をしている状態。 |
中国九寨溝 |
イグアスの滝 アルゼンチン |
外国人旅行者用にお膳立てされた宿泊施設なので、現地語の習得は必要なく、英語さえカタコト話せばツアーしか経験のない旅行者でも簡単に宿泊できる。地元宿を現地で自力確保するよりずっと難易度は低い。宿泊者に達人イメージわかないもっとも大きな理由だ。言い方変えれば「ヤワめのよい子が宿泊する温室宿」の印象。与えられた枠を受け入れるだけなら、無理に個人旅行するよりもすべてお膳立てされたツアーがむく。
ユースホステルは安いという印象あるが、物価の安い途上国では外国人料金の相殺もありコストパフォーマンスは悪い。ドミ(大部屋のワンベッド)なのに地元宿の個室より高かったりする。バンコクを例にとれば8人部屋のドミで1泊ワンベッド300B(800円)。4人部屋のドミ(ワンベッド)予約には4人分1泊1200B(3200円)が必要。ネット上には1泊200Bの低料金表示のホステルもあるが市街地から離れていて、2人部屋の1人料金なので1人で泊まれば400Bになる。また1室400Bの部屋の予約は3泊以上からのみ。
バンコクのカオサンのゲストハウスなら個室は100B(270円)~。市街地にあるユースホステルの大部屋のワンベッドの3分の1の値段。若い個人旅行者がユースホステルに向かわないのはこういう事情もからんでいそう。 |
またバンコクで3,000円払えばホテル予約サイトから一般ホテルのエアコン付きの個室が予約できるのでよほどユースホステルにこだわりがない限り無理に選択する意味がない。
熟年に人気。若者は少ないバンコクのユースホステル ナナチャート 1泊3,349円~
ユースホステルのある国や地域もゆるめの観光地限定。ワイキキにはあっても、カナイマにもゴラクシェプにもセロネラにもユースホステルはない。
私はドイツ発祥当事のユースホステルの理念的なものには何の異論はない。欧州や米国など場所によって利用価値がかろうじてあるものもなくはないとも思う。
ただ格安旅行を愛好する私に海外の宿泊先でユースホステルの選択肢はない。若い旅行者の現地物価の安い国でユースホステルの利用には「若いのになんでそんなスタイルを?」と人事ながら少し残念には感じる。そういう意味でもやはり年配者向きなのか。 |
中国 ヤンシュオ 地元宿1泊1室40元 住所はこちら. |
またホステルと名の付くものには「正しいユースホステル」とホステルの名前だけ借りたホステルがある。中国の安宿にはその「ばったもんホステル」が多い。しかし中国で「ホステル」と名前をつけている段階で外国人向けの商魂ぷんぷん宿なので、どちらも外国人料金。
「最低消費5元(65円)」の光る地元宿 桂林 |
中国でも旅行するのは外国人だけでなく、当然地元の方も旅行する。なので彼らの泊る地元系の格安宿はどんな町にも必ずある。個室で1泊1室20元(260円)くらいから。ちなみにホステルだと1泊1室90元~、ドミのワンベッドで20元~。
ただ1室20元の地元宿は安宿に泊まりなれていないとその渋すぎる環境にちょっとひくかも。ホステルの個室90元はこぎれいなシティホテルといった感じ。ネットで検索して出てくる中国のホステルで正規品とばったもん(YH協会に金払って登録しているかどうかの違い)を見分けるのは難しい。値段もコストパフォーマンスも変わらないので宿泊側にはどうでもいいことだが。
ちなみに地元宿でも90元出せはかなり綺麗な宿に泊まれる。当然だが20元の地元宿はネットで検索しても出てこない。日本からの予約も実質不可。現地で自力確保が原則。北京以外でも現地語でなくて可。宿泊交渉は普通話で通じる。地元系の安宿はたまに「外国人不可」と断られることあるのが難。 |
私自身、ハワイや米国本土、欧州でユースホステルを利用してみて、どうもしっくりこない違和感があった。いつも格安旅行をしている時に感じる充実感がない。渡航先が途上国でない場合はユースホステルのドミに20$で泊るくらいなら地元系のホテルに50$で泊まったほうがましじゃないかと感じた。日本国内で格安旅行が単なるテンション低い貧乏旅行になるのと似ている。インドやカンボジアでは激安旅行をしていると、笑える刺激的なことが連日怒涛のごとく押し寄せてくるが、先進諸国のユースホステル宿泊にはそういったものがない。同じお金を使わない旅でも楽しい節約旅行になるか、つまらない節約旅行になるか、その差は大きい。
Booking.com
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びー旅蛇足情報 |
- 第20回ベトナム編制作中。どういうテイストにするか迷ったが、数に迎合したぬるめの情報公開してもつまらなくなるし、らしくないと、いつもの調子で格安情報バリバリ展開中。役に立たなくて失礼。
- 簡体字表示するとエンコードが変わり、バッチ処理がしにくくなるのでカタカナ表示。タイ文字やクオックグーも使えない。ページが増えたのでいちいち更新手作業でやってられん。
- オフィスソフトをフリーのものにすると2万円台から手に入るミニノート。軽量で画面小さいのでバッテリーも長く持つ。ただメインPCとしてのスペックに欠けるのが難。ネットやメールするだけならそれで十分だがそんなんなら海外へPC持ち歩く意味ないし。
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