泰緬鉄道に乗ろうタイ国鉄ナムトック支線

蒸気機関車702号機（旧C56 4 1935年三菱重工製、製造番号156）

泰緬鉄道タイ国鉄ナムトック支線Tourism Tactics

泰緬鉄道とは第2次世界大戦中日本軍によってつくられたタイ・ミャンマーを結ぶ軍事物資輸送鉄道。1942年7月5日にタイ南本線のノーンプラードゥック駅から、ミャンマー（ビルマ）側からは1942年6月28日にタンビュザヤより建設を開始、1943年10月に完成。1942年6月7日ミッドウェー海戦敗北後の海路運行が危険になったためマラッカ海峡回避物資ルートとして建設された。

この建設には日本軍1万2000人、連合国の捕虜6万2000人、募集や強制連行のタイ人数万人、ミャンマー人18万人、マレーシア人8万人、インドネシア人4万5000人が使われたという。無茶な突貫工事と劣悪な労働環境で連合軍捕虜約1万6千人、アジア人労働者4万～7万人の膨大な数の死者を出した。

戦後、ミャンマー側の全線とタイ側の国境から3分の2にあたる区間が廃止。現在はタイ国鉄によりトンブリ（バンコク）からナムトックまでのタイ国鉄ナムトック支線として運行している。カンチャナブリのクウェー鉄橋は映画「戦場にかける橋」でも有名。現在観光列車と化しているが、運賃はトンブリ（バンコク）駅～ナムトック駅100THB（350円）と日本人の感覚では良心的。運行しているのは蒸気機関車ではなくタイ国鉄のフランスアルストーム社製のディーゼル車。

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泰緬鉄道乗車実録2017年12月22日　　　クウェー川鉄橋を徒歩で渡る

カンチャナブリ―クウェー鉄橋脇に展示の泰緬鉄道機関車

蒸気機関車719号機（旧C56 23 1935年汽車製造製、製造番号1352）カンチャナブリ―のクウェー川鉄橋脇。隣に蒸気機関車804号機1915年Kitson製もある。バンコクからナムトックまで直行するとこういう所に寄れない難点あり。

泰緬鉄道車窓

2022年5月9日（月）

泰緬鉄道は戦時中の旧称だがインパクトあるのであえてそう呼ぶ。現在の正式名称はタイ国鉄南線ナムトック支線。英語ではデスレールウェイ Death Railway ともっとインパクトある名前。前述のように旧日本軍が強いた過酷な路線建設労働環境で多数の英米捕虜の死者が出たためそう呼ばれる。

当時泰緬鉄道はノーンプラードゥック（バンコク西65km）から国境を越えミャンマーのタンビュザヤ Thanbyuzayat まで415kmを運行していたが、現在はタイ国鉄によりトンブリ（バンコク）からナムトックまでの運行になっている。

クウェー鉄橋を渡るタイ国鉄列車

カンチャナブリの戦場にかける橋を渡るタイ国鉄列車ナムトック行き
戦場にかける橋（クワイ川鉄橋）列車通過時間
往路　6:07　10:35　16:26　　復路7:17 　14:45 　17:37

タイ国鉄時刻表検索

ナムトック駅

関連リンク
カンチャナブリー行き方　　トンブリー駅　　プーナムロン国境
トンブリー駅からホアランポーン駅へ　　ミャンマー鉄道南線　　ダウェイ駅
ミャンマー国鉄北線3等列車乗車実録2017

泰緬鉄道に乗る2つの方法　2019年版

2018年6月現在泰緬鉄道に乗るには2つの方法がある。

①バンコク発
②カンチャナブリ発

この鉄道の見所はカンチャナブリ～ナムトック間なので時間があるなら②でカンチャナブリ泊してナムトック往復したほうがより楽しめる。

カンチャナブリに宿泊すれば戦場にかける橋で有名になったクウェー（クワイ）川鉄橋を徒歩横断できる。この鉄橋は単線なのに列車横断時にも歩行者が鉄橋上の線路脇から写真撮影できる味のある構造になっている。クウェー川鉄橋近くには泰緬鉄道運行当時の蒸気機関車が展示してある。

カンチャナブリには外国人観光客用のコスパのいいホテルが複数ある。物価も安くタイのゆるゆるローカルライフが楽しめる。またカンチャナブリ拠点のエラワン滝ツアー（遠いので1日必要）というのもある。

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関連リンク
ピマーイ遺跡　　パノムルン遺跡　　パノムワン遺跡　　アユタヤ遺跡
シーコーラプーム遺跡　　プレアヴィヒア遺跡　　ワットプー遺跡
ロッブリー遺跡　　スコータイ遺跡　　タイ物価2018

アルヒル桟道橋　泰緬鉄道時代の木製の橋が修復されてそのまま使われている。

泰緬鉄道に乗ろう2019年版

①バンコク発
チャオプラヤ川の王宮対岸にトンブリー駅というバンコクのローカル線の駅があり、そこからナムトックまで1日2本（2往復）の列車が運行している。外国人料金徹底していてカンチャナブリまででもナムトックまででも100THB。座席は3等のみ。ちなみにタイ人無料（要ID提示）。257で行って258で帰ってこればバンコクから日帰りもできなくもない。バンコク～ナムトック片道180km、所要5時間。バンコク～カンチャナブリ片道120km、所要3時間。列車内にはポットン式のトイレがあり、売り子による飲み物や弁当などの車内販売もある。また2017年にホアランポーン駅から土日祝祭日運行の特別列車も運行開始した。

泰緬鉄道（ナムトック支線）時刻表

　往路　バンコク、トンブリー駅発ナムトック行き列車は1日2本

　復路　ナムトック発トンブリー駅行き

②カンチャナブリ発
カンチャナブリに宿泊した場合、翌朝発以降のナムトック行きに乗る。カンチャナブリ―発はノンプラドゥック始発の1本が増えるので1日3本（3往復）になる。朝6時7分発の列車485はノンプラドゥックジャンクション始発なのでほぼ地元民しか乗っておらず列車がすいているメリットあり。途中で乗っても外国人はカンチャナブリ～ナムトック100THB。ナムトックにも複数のホテルあるが若干高め。ナムトックからナムトックサイヨークノイ駅までは徒歩20分。駅にはバイタクもトゥクトゥクもいる。カンチャナブリ早朝発なら途中下車してアルヒル桟橋を徒歩で歩いたりもできる。日本と違ってタイでは線路内に侵入してもあまりとやかく言われない。ただ運行に邪魔にならない最低限の配慮は必要。

カンチャナブリ発ナムトック行き　485はノンプラドゥック始発

ナムトック発カンチャナブリ行き　486はノンプラドゥック止まり

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ナムトック支線　列車運行時も鉄橋の脇の避難スペースから撮影できる

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クウェー川鉄橋の歩行者避難スペース。ここでの列車の速度は時速20kmほど。

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関連リンク
サンクラブリ―　　メークロン市場
ダムナンサドゥアク水上マーケット　　スリン　　メーサイ
パヤトンズ国境　　エラワンの滝

ナムトックからサンクラブリまで

ナムトックサイヨークノイ駅より先のミャンマー方向への線路は撤去されてない。そこから先に行くにはローカルバスで行くことになる。泰緬鉄道の通過していた国境はパヤトンズ国境。

2018年現在パヤトンズ国境は完全ローカル国境でタイ人、ミャンマー人以外の越境は不可。以前あった外国人の1日越境制度もなくなっている。

国境の最寄りの町サンクラブリ―はタイ人の避暑観光地として宿泊施設が多数ある。写真右はパヤトンズ国境タイ側のスリーパゴダ。

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ナムトック駅

泰緬鉄道復活を望むタイとミャンマー

旧泰緬鉄道ルート以外にもタイ周辺ではクラ地峡横断計画（運河、鉄道、パイプライン）やダウェイ～ブンタウの4か国を結ぶインドシナハイウェイ構想など騒がれてから久しい。飽和状態のマラッカ海峡回避ルートとしても注目されている。シンガポールや各国華僑の利権から反対の声もあるが、タイ、ミャンマー両国にとってはマラッカ海峡回避ルートは自国に大きな経済効果を生む。

特にタイは中東からの石油をマラッカ海峡経由せずにミャンマーの港から輸送できるメリットは計り知れない。両国の利権の調整は難題ではあるけれど。

華々しい高速鉄道開発のみでなく、こういう地味な物資ルートでこそ日本の鉄道、道建設技術は行かされるべきではないのかとは個人的に思う。新泰緬鉄道の復活はそう遠くないかもしれない。ミャンマー側ではタンピュザヤからタイ国境への鉄道計画はすでに始まっているらしい。

ミャンマー　ミェイ港

びー旅

7:48 2018/06/09
自民、参院定数6増法案を了承、今国会法案成立の見込み。わかってない。人口減で財政再建もままならない中、今最も必要なことは公僕楽園環境を減らすこと。全くの逆行だ。「参院で前例作って次は衆院で議員増だ」という狙いも見え隠れする。楽園環境を自ら削る高潔さは現政権にはないようだ。

1票の格差でごまかすな。議員増で増える歳費や選挙費用はすべて税金。10パーセント増税で賄うということか。6増しても何も変わらない。現状での公僕楽園環境の拡大は、まわりまわって少子化やデフレスパイラルをさらに進めることに気が付かないのだろうか。

びー旅つぶやき

日本人の忠誠心

13:15 2018/06/03
昨今大手メディアでは日大アメフト部の問題ばかり。日本人特有の上下関係に根付く盲目的忠誠心に問題があるのではとのネットの声。それに対して私なりに感じたこと。

私は日本人のもつ特有の忠誠心は美徳だと思う。欲も打算も入り込まない一途さがあるからだ。しかしハチ公物語に涙する日本人特有の感性は外国人には理解されづらいらしい。ただ今回の問題は忠誠心にあるのではなく、その無垢な忠誠心を邪念のある人間があらぬ方向へ悪用することだも思う。

ギリギリまでやることをやってなお、できそうでできない時の他者からの一発のパンチの意味は確かにある。例えばアントニオ猪木氏のファンへの壇上での気合パンチを暴力行為と告発する野暮はいない。なぜか。

人間には自分の心から信頼する指導者からの一発のパンチのように、無茶で理不尽な指導で覚醒する潜在能力があるからなのだ。監督やコーチへの忠誠心があり、まじめな若者ほどその効果は大きい。トップアスリートになるには自分の持てる能力以上の潜在能力を覚醒させる何らかの方法が必要なのだ。それが一発のパンチだったり精神的に追い込んだ理不尽な練習だったりする。しかしその行使の仕方が健全なルートから少しでも逸脱すると途端にパワハラになりブラックになるのだ。行使するほうにわずかでも邪念があるとその望むべき覚醒は失敗する。今回の日大の例のように。歴史上日本人の忠誠心が裏目に出た最たる例はたぶんゼロ戦特攻隊かもしれない。

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