昆明~シンガポール高速鉄道計画フェーズ1竣工
2021年10月30日(土)
今回2021年12月に竣工予定の昆明発中国南部の辺境通ってのラオス縦断鉄道ビエンチャン行は、単独で考えれば開通しても採算性ゼロの閑散路線。しかし延伸してバンコクまで開通することを前提にすれば話は全く変わる。さらにその先にはタイ南部からマレーシア縦断してシンガポールに至るとすれば、まさに中国の熱望する一帯一路具現化象徴鉄道に変貌する。
中国はすべてそれらを計算のもと、ラオス縦断鉄道を昆明シンガポール高速鉄道の第一段階としてしたたかに進めているのだ。この計画は中国から中央アジアや中東へ向かう路線より、ずっと経済効果の期待できる沿線の巨大市場を背景にした国際主要路線の可能性を秘める。
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ビエンチャン駅のラオス縦断鉄道の中国製車両
ラオス縦断鉄道
昆明からビエンチャン鉄道開通
先日2021年10月16日、いつも情報いただいている山田さんからラオス縦断鉄道開通の情報いただいた(記事掲載は10月17日)。内容は以下の通り。
ビエンチャンから中国の国境ボーテン間の鉄道414kmが12月開業予定。営業速度時速160キロ。貨物列車は120キロの予定。列車名はラ―ンサーン号。
7両編成2クラス制。停車駅はビエンチャン ファンホン バンビエン ムアンカシ― ルアンパパーン ムアンカ ムアンサイ ナトーゥイ ボーテン。タイムテーブルはまだ不明。タイ国境の町タ―ナレンとビエンチャン間が建設中。右地図は鉄道ルートではないので注意。
続いて10月20日のCNNネットニュースで昆明からラオス国境の景洪まで中国側鉄道開通情報が出回る。そのCNNニュースではビエンチャンまでの鉄道であることには触れられていたが、景洪からラオス側国境ボーテン(180kmもある)まで、さらにラオス縦断鉄道についてはあまり触れられておらず。ボーテン~ビエンチャンの開通は21年12月になりそうだが、ビエンチャンから昆明まで開通するかはまだ不透明。もともと竣工延期はかの国のお約束でもあるし。時期はともかく昆明からビエンチャンまでの中国製鉄道開通は確かなようだ。
バンコクからコーンケンに建設の進む鉄道計画。
●関連リンク
東南アジア縦断高速鉄道 2020年10月28日
ラオス高速鉄道 バンコク・ビエンチャン国際列車 2018年1月3日
イーサーン高速鉄道 コーンケン発ビエンチャン行 2018年8月25日
コーンケン ラオス新幹線胎動 2017年12月26日
新幹線クライシス マレーシア高速鉄道 インド高速鉄道
ラオス縦断鉄道は延伸してバンコクへ
タイ側でも進むイーサン高速鉄道工事
中国はこの路線もともとバンコクへ延伸すること前提の計画のようす。タイの東北部イーサーンでもノンカイ~コーンケン~コラート~バンコクを結ぶ鉄道路線工事(右画像)が着々と進んでいる。
ラオス縦断もイーサーンもそれ単独では閑散路線で経済的なつり合い取れそうにないが、バンコクまで延伸するなら中国とタイをつなぐ国際路線となり、様相は劇的に変わる。そしてその先、南部マレーシア方向への延伸も当然織り込み済みなのは明白だ。
ここで気になるのは日本の高速鉄道輸出との対比だ。
インドネシア高速鉄道受注の戦いで中国に敗北したのに続いて、日本製チェンマイ高速鉄道計画消滅。その一方で中国製の鉄道計画の目覚ましい進展。インドネシアもタイも親日国という背景がありながら。なぜ?
技術はある。日本側も高速鉄道技術の海外展開を切望している。しかしなぜか先方に受け入れられない。
その理由は明白なのだ。
ビエンチャンの中国資本デパート
昆明シンガポール高速鉄道計画
なぜ日本は高速鉄道海外展開で中国に負け続けているのか。理由は単純。日本の高速鉄道輸出は開発費と運営コストへの配慮がない。要は開発費と運営コストが「高すぎる」ということだ。これは日本の新幹線の運賃が異様だということの裏返しでもある。東京大阪間556kmに14000円の運賃は、たとえ1/3になるとしても同じ距離を280円で移動しているかの国々の庶民には論外。LCCより高い運賃払って高速鉄道に乗る地元庶民はいない。
利用するのは一部の富裕層だけ、大多数の庶民は誰も乗らない閑散高速鉄道。大赤字路線になることが目に見えている。庶民に支持されない鉄道インフラは存在価値がない。さらに言えば完成後も延々援助がなければ、運営できない高速鉄道は相手にされなくて当然なのだ。
ムアンコア ラオス 鉄道運行以前に橋がない
東南アジア縦断高速鉄道
中国のしたたかな鉄道輸出戦略
日本の高速鉄道輸出に比べて中国の戦略はしたたかだ。開始段階で高速鉄道の大風呂敷を広げない。先方の予算の都合に合わせて庶民にも乗れる鉄道計画から始めていく。
最初から時速300km超の高速鉄道である必要はないのだ。先方には高速鉄道定義の時速200kmも重要ではない。開始段階では庶民が乗れる160kmの列車で十分なのだ。所用10時間が3時間になることは地元の方にとっては涙が出るほどありがたいこと。そしてそれには時速300km
はいらない。時速160kmで十分なのだ。
バンビエン
さらに言えば、標準軌の1435mm と高速走行前提のカーブの少ないルートさえ確保できていれば、上を走る列車の高速鉄道化は難しくない。ゼロから作るのに比べればその労力は10分の1か。まず路線インフラと実績を確保する。それは先方の信頼を得ることに等しい。そして先方の経済発展のタイミングに合わせて徐々に運行速度を上げて行けばいいだけなのだ。行きつく先は東南アジア縦断高速鉄道。まさに中国の望む一帯一路具現化高速鉄道計画だ。
この展望が日本の新興国鉄道計画にはない。時速320kmを自慢したいがゆえに中国に先を越される顛末はそろそろ終わりにするべきではないのだろうか。
ルアンパバン
日本の姿勢は往年のODAに見られるように基本施しスタイル。先方の事情を深く考えずに場当たり的な援助になる傾向があり。作って終わりの友好橋ならそれでいいが、鉄道インフラはそうはいかない。援助に対する援助がなければ維持できない高速鉄道に疑問がわくのは当然だ。先方は施しでなく対等なビジネス関係を望んでいる。中国はそこにうまく入り込んで、結果、持続可能な鉄道インフラ計画になっていると言えるのではないか。
ビエンチャン
中国がラオス縦断してタイに抜ける鉄道計画を進めていることは前から耳にしていた。タイ、マレーシア縦断してシンガポールに至る高速鉄道計画もかなり前からこのサイトで言及していた。しかしその第一段階ともいえる昆明からビエンチャンに至るラオス縦断鉄道がこんなに早く実現するとは予想外だった。それだけ中国側がこのプロジェクトに入れ込んでいるのだ。逆にあれだけ騒がれ期待を持たせたチェンマイ高速鉄道は何だったんだろうとも思う。
バンビエンから先中国国境まではかなりの山道になる。
Booking.com
びー旅つぶやき 日々の日記
10:55 2021/10/21
先日のラオス高速鉄道の話。昨日のCNN(2021.10.20.12:54 JST)のネット記事でも紹介されていた。しかし内容よく見るとCNNのほうは昆明からラオス国境の景洪まで520km、約3時間の中国側鉄道開通情報がメインとなっている。先日私が取り上げたラオス縦断鉄道にはあまり触れられてない。CNN報道とびー旅情報合わせると12月には昆明からビエンチャンまで高速鉄道(ラオス側160km/hだけど)開通は間違いなさそうだ。
たぶんその先のタイ側のノンカイからコーンケン開通も近い。2015年9月8日からクアラルンプール~パダンブサールの中車株機製鉄道(標準軌ではないが)も開通している。昆明~バンコク~シンガポールの一帯一路は夢物語でなくなってきている。標準軌の1435mm
確保できていれば時速160km から200km 以上の高速鉄道列車運行への壁はさほど厚くない。開始段階で高速鉄道にこだわる意味はないのだ。中国の戦略はしたたかだ。
バンコク航空券確保して先方の事情調べて唖然。タイとその周辺国の入国環境は想像していた以上に厳しい。ワクチンパスポートあれば簡単に出入国できると思っていた甘い考えが吹っ飛んだ。隣国ビザランなんてとてもできる状況でない。カンボジア入国時のデポジット2000US$は笑うしかない。今回はタイビザなし30日以内でタイ国内のみの訪問になりそう。そのタイも11月以降の入国状況は不透明。でもCOE(入国許可証)なくなるだけでかなり助かる。現段階で滞在期間中の保険加入必須で2カ月滞在だと保険料4万円もぶっ飛んだ。やはり一般旅行者の海外旅行はまだかなり遠い。
タイ側サラブリー県、Hin lap 郊外の中国製鉄道高架工事中の様子。
12:27 2021/10/18
来年1月11日のエアアジアフライト。せっかく出国が決まったのに一方的にキャンセルされてめちゃへこんだ。当初変更も払い戻しもできずカオス状態。今日やっと実質再予約の形でバンコク行チケット確保。二重払いだけはギリ回避。ただこれもいつキャンセルされてもおかしくない。もともとそういうのを覚悟の上でコロナ明け切ってない状態でのバンコク行なんだし。日系フライトにして往復10万円払えばこの手の悶着はないんだけど。
海外渡航用PCR検査のぼったくり価格設定に閉口する。ネットで最初に出てくる料金は3~4万円。陰性証明別費用+1万円だったりする。中国でクラスター発覚後、何千人と無料PCR検査を絨毯爆撃的に強行しているのを見ると、検査にかかる費用原価はたぶんそんなに高くはない。いろいろ模索し先日感染発病時にPCR検査した自宅徒歩圏内のクリニックに聞くと、証明書込みで5000円でやってくれるという。この差何なんだ。来年出国時にはワクチンパスポートのみでPCR陰性証明は不要になっている可能性もある。
なんとか出国フライトは確保しなおしたが、まだまだ不透明な先行き。出国直前の検査で陰性にならなければすべてパア。出国はまだだいぶ先なんだけど。出国前からネタ満載。もし行けたらラオス鉄道乗ってみようかな。
ルアンパバン
Booking.com
びー旅つぶやき
9:30 2021/10/17
いつも情報いただいている山田さんからのラオス鉄道情報。
ビエンチャンから中国の国境ボーテン間の鉄道414kmが12月開業予定。営業速度時速160キロ。貨物列車は120キロの予定。列車名はラ―ンサーン号。7両編成2クラス制。停車駅はビエンチャン ファンホン バンビエン ムアンカシ― ルアンパパーン ムアンカ ムアンサイ ナトーゥイ ボーテン。タイムテーブルはまだ不明。タイ国境の町タ―ナレンとビエンチャン間が建設中。高速道路もビエンチャンからバンビエンまで開通済み。中国マネーでラオス激変中 …とのこと。山田さん情報ありがとうございます。
ビエンチャン駅のラオス縦断高速鉄道の中国製車両
バンコク~コーンケンより先にラオス縦断鉄道ができるとは予想外。バンビエンから先、中国国境までは結構な山道。トンネルや高架かなりあると思うが短期間で竣工に至る。背景に浮かび上がるのは、昆明からバンコク経由シンガポールの一帯一路具現化象徴のような鉄道計画。日本は高速鉄道海外展開で、中国に完全に先を越されている状況か。中国が展開している鉄道は時速200km
いかないので正確には高速鉄道ではないのだけれど。論点はそこではなく、新興国では300km走行の最先端より、価格(特に完成後の運賃のからむ維持費)を重視したインフラ計画が選ばれているという事実だ。
インドネシアでの敗北に続いて、日本製チェンマイ高速鉄道計画消滅。その一方で中国鉄道計画の躍進。日本はなぜ先方の望む鉄道計画が提示できないのだろう。コロナで見えにくくなっているが、頓挫しているインド西部の高速鉄道計画にも暗雲か。ラオスは親中だが、インドは嫌中親日国なのに。
ビエンチャン
びー旅つぶやき
13:55 2021/10/15
予想はしていたがさっそく迷走。先週予約したばかりの来年1月のエアアジアバンコク行のフライトがキャンセルされた。先方都合のキャンセルなので無料変更か払い戻し原則なのだが、ネット上で変更ができない。問い合わせもAVAというAIの的を得ない対応。クレジットポイントにすることもできない。問い合わせフォーム(送信のみで返信来ない)や電話でも解決せず。電話も自動音声のみで折り返すの案内のみでその電話を待っている状態。
帰りの3月のフライトはキャンセルされていない。成田発バンコク行は2月には週3である様子。無料変更でなく金出して再予約してもいいが、その予約がまたキャンセルされる可能性も。コロナ明けの出国フライト迷走中。
キャンセルされた2021年1月11日のバンコクフライト
2回目のワクチン副反応。37.2℃の熱出たのは1日だけだったが、倦怠感が3日ほど続く。接種翌日ほど強くはないが何となくだるいという感じ。私の場合接種前に感染発病していて、すでに抗体がある状態での2回接種のせいもあるか。感染後後遺症で延々倦怠感残る方はワクチンどうしているのだろう。ワクチンで後遺症増幅される可能性もありそう。接種後1週間たってとりあえず私の倦怠感は消えた。副反応で死ななかっただけラッキーか。
成田の空港バス「エアポートバス東京・成田」1000円から1300円に値上げしやがった。しかもネット予約できなくなっている。東京駅の乗り場も微妙に変わっているみたい。PASMOが使えるようなので若干救われる。このバス、2020年2月1日よりTHEアクセス成田と東京シャトルが一つになってシンプルな名前になった。