13:16 2018/07/16
マレーシアの鉄道計画が61年ぶりに政権交代を果たしたマレーシア新政権誕生で揺れている。マレーシアの経済誌エッジ・マーケッツ(電子版)は2018年7月4日、同国最大規模鉄道計画、「東海岸鉄道」(ECRL)を進める中国企業に工事休止命令が出されたと報じた。マレーシア新政府マハティール首相が中国へ過度に依存したインフラ整備事業だとして見直しを公約していたのだ。
The East Coast Rail Link (ECRL) Malay: Laluan Rel Pantai Timur
ECRLはマレー半島東海岸タイ国境近くから首都クアラルンプール近郊まで、マレー半島を横断しながら全長約690kmを結ぶ鉄道。
ナジブ前首相(収賄罪などで起訴)が2016年11月に訪中した際に李克強首相と合意し、昨年2017年8月に着工した。2024年7月の完成予定で工事進捗率は現在14%とされる。
しかしマハティール首相は、契約内容がマレーシアに不利で、融資や作業員などを中国がほぼ丸抱えし、巨額の借金が残ると懸念を表明。新政権の再査定では、事業費は現計画の550億リンギットから、810億リンギット(約2兆2100億円)に増額すると判断。
これら調査結果を受けて同計画を管轄する財務省傘下のマレーシア・レール・リンク(MRL)が3日付で、建設主体の中国交通建設集団(CCCC)に、「国益の観点から」との理由で、即時中止を命じた。
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東海岸方向のスンガイコロク国境
中国資本で建設された西海岸バターワース新駅
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一帯一路とマラッカジレンマ2019
ECRLは、当初の総工費550億リンギ(1リンギ=約28円)をかけ南シナ海側のタイ国境近くからマラッカ海峡まで、マレー半島を東西横断する形でクアラルンプール近郊と東西の重要港を結ぶ総距離約680キロの一大プロジェクトだった。工事はすでにスタートしており2024年7月の完成を目指していた。
マハティール首相の指摘の通り、この鉄道は鉄道インフラ援助の一面とは別にマレーシアを将来、経済的に中国の配下に置く意図が見え隠れする。さらに「マラッカジレンマ」に対する中国の軍事プレゼンス確保の一面を持つ。見えにくい中国の闇の一面を内包しているのだ。この中国のマラッカジレンマ解消にはクラ地峡横断運河や泰緬鉄道復活、カンチャナブリ・ダウェイ港ルートなど複数の計画が水面下で模索されている。
マラッカジレンマとはマラッカ海峡において中国が抱える潜在的な脆弱性のこと。中東からの輸入原油全体の8割が通過するマラッカ海峡の安全保障をシンガポールの米軍
Changi Naval Base に握られていることを指す。有事にここを閉鎖されると中国はいとも簡単に致命的な兵糧攻めにあうことになる。
関連リンク
マレーシア東部タイ国境情報 マレーシア東海岸鉄道ETS
国境パダンブサール駅のマレーシアコミューターETS、クアラルンプール行
マレーシア高速鉄道 シンガポール新幹線構想
しかし一方ですでに西海岸では2018年7月現在パダンブサールから1日14往復のバターワース行中国製コミューターETSが運行し、さらに1日6~7往復(曜日による)のクアラルンプールまでの特急が運行している。西海岸は東海岸→クアラルンプールルートと違って地形も平たんで鉄道の地元民需要が高い。
またこれとは別に2016年12月14日マレーシア、シンガポール両政府は高速鉄道計画の合意文章に調印。2026年開業予定としている。クアラルンプールのバンダルからシンガポール、ジュロンイースト間約350キロを最短1時間30分で結ぶと発表。
駅数はマレーシア側に7駅、シンガポール側に1駅。現在のマレー鉄道より海側に建設される予定。入札は2017年第4半期とされていた。シンガポール新幹線計画だ。この高速鉄道受注が日本製になるか中国製になるか注目を集めていたが、この計画は棚上げ状態で入札は行われていない。この高速鉄道は中止が決定された上記のECRL以上にコストがかかるためだと推測される。
クアラルンプール市内パサールスニ駅の高架鉄道LRT Rapid KL クラナジャヤ線 Laluan Kelana Jaya、旧称プトラLRT。車両はドイツ製。
マレーシア高速鉄道
マラッカジレンマは中国のものだが、同様のマラッカ海峡要因の経済的ロスはタイやベトナムも抱えている。「一帯一路」と聞こえのいいオブラートに包まれた「軍事プレゼンス」の含みのない日本製鉄道は中国製より相手国の信頼は得やすい。今の状況はある意味それらの各国へ日本の鉄道売り込みのチャンスなのだ。
問題はコストだ。クアラルンプールからシンガポールまでエアアジアの3倍の運賃で2倍の時間をかけて行く需要は現地にはない。日本の新幹線が成り立つのは東京大阪間往復2万8000円の運賃で運行できる背景あってのことなのだ。ここで建設にも運営にもコストのかかる最先端の高速鉄道にこだわるなら前述の中国と大同小異。「日本に過度に依存したインフラ整備事業」と判断される。
日本は最先端の高速鉄道にこだわりすぎる。現在運航されているパダンブサール~クアラルンプールの中国製高規格電化コミューターETSは最高時速140
km だが2017年2月に1日7往復から14往復に増便され車内も2年前の1日1往復のみの閑散路線とは比べ物にならない混雑ぶり。何より運賃が安い。163km乗って320円。なので地元民に支持されている。もともと鉄道インフラ自体はマレーシアも強く望んでいるのだ。日本が異様にコストのかかる最先端高速鉄道にこだわらなければ先方の需要にこたえることはできるのだと個人的には思う。
シンガポールのマーライオン
びー旅つぶやき
22:32 2018/07/14
タイは電子たばこの持ち込み使用が禁止。違反をした場合は10年以下の懲役もしくは50万バーツの罰金。とのこと。在タイ日本大使館から注意喚起が出ているらしい。山田さんからの情報。シンガポールや台湾も持ち込み不可。知らずに持ち込んで懲役10年きっついな。私は吸わないので関係ないけど。
0:57 2018/07/10
関空発ホノルル行往復エアアジアXで予約する。プロモで往復総額22,010円だった。燃油空港税込、クレカ手数料込の料金。新幹線東京大阪往復より安い。ハワイには20回以上行っているけどこんなに安くハワイに行くのは初めてだ。ただ目黒から関空まで、バスタ新宿発バスにせよジェットスターにせよ利用せねばならんので若干追加いるけど。西成泊まるか関空で空港難民になるか。いずれにせよネタの宝庫。東京在住で関空発エアアジアホノルル線利用する偏屈はたぶんまだ少ない。久々のハワイじゃ。最新情報仕入れに行く。まだちょっと先だけど。
ホノルル線の機内食たけえ。もちろん私の往復22,010円には機内食代も預け荷物代も座席指定代も入っていない。いつものど根性フライト。高くてまずい機内食にはLCCファスティングで対抗。かつてホノルル線で見てたハリウッド最新映画見れないのがちょっと寂しい。深夜便なので寝てればいいか。次の冬にバンコク方面に越冬に行くかはまだ思案中。一時1日3便だったタイエアアジアX成田バンコクまた1日2便に戻ってる。
びー旅つぶやき
関東甲信地方が梅雨明け
18:25 2018/06/30
6月29日関東甲信地方が梅雨明け。今日も炎天下。今の気温夕方なのに30℃。今年の1月にタイやカンボジアを旅していた頃の気温だ。自作のカツカレーと氷入りダイエットコーク強烈にうめえ。水道水の温度も上がり目黒の自宅で水シャワーが浴びれる。
今年はトマトが安く、日本なのに毎日トマトが食える。ありがてえ。アボカド三和で1個98円だがミャンマーの山奥で40円で食ってたのでいまいち手が出ず。今年の梅雨の期間23日とのことだが、実感としては今年梅雨なんてあった?という感じ。チョコアイスもうめえし。やっぱ夏はいい。日本脱出して南下する必要がない。と言いつつまたまた出国カウントダウン。
10:32 2018/06/23
ブラジルが1次リーグ敗退?昨日のワールドカップ、ブラジル・コスタリカ戦。91分まで0対0。ブラジルは先日のスイス戦でも1対1で引き分けている。このまま引き分けなら1次リーグ敗退もありうる。ロスタイム突入時は誰もが引き分けを予想した。ところがなんと急転。ロスタイム6分間でコウチーニョとネイマールのゴールで2点。緊迫の試合内容もさることながら試合後のネイマールの涙が強烈に印象に残った。
決勝ではない。1次リーグ2戦目。しかし1次リーグ敗退の予感は試合中90分までネイマール自身にもあったはず。ブラジル中心選手と言われ、やんちゃなイメージあり、試合中もかなりあれていた彼の試合後のひざまづいて顔を覆う姿は私のようなすれたおっさんでもぐっときた。けがが癒えたばかりで全快までまだ時間がかかる状態でもあったらしい。
びー旅つぶやき
17:21 2018/06/17
米朝首脳会談失敗。金正恩1人勝ちのメディアの論調。トランプ大統領が何も成果があげられなかったように酷評されている。あの会談を評価しているのは共産党だけという失敗論調づくりのレトリックは日本らしい。
私はこれまでトランプ氏に対してあまり好印象は持っていなかったが今回の米朝会談で彼に対する見方が変わった。今回の会談のトランプ氏の持って行き方はさすがだと感じた。彼に対する見方の違いは一手先二手先を見るか、十手先二十手を読むかの違いだ。二手先を読むなら確かに今回の会談は何も得るもののない失敗だ。ただトランプ氏はその先を見据えているのだ。
金正恩氏は表面的には強気だが、実際は追い詰められて救いを求めている状況なのではないか。米国優位なのは触れるまでもない。優位な立場の者が一切妥協を許さぬ強気の交渉で金正恩氏にあたって交渉決裂させるのは果たして賢明か?確かに理不尽なことをしているのは北朝鮮側だ。しかし出口が見えず救いを求めている相手に、けしからん一辺倒で、妥協を許さず追い詰めて何の得があるのだろう。80年前の日本のような状況に追い込んでその後日本はどうなったのか。
過去2度も裏切られている。そんなことは当事者の米国がわかり切っていることだ。それでもあえてトランプ氏は会談失敗とたたかれながら金正恩氏に出口を用意したのだ。パンムンジョムで文在寅氏と握手をし、核実験施設爆破映像を流す。以前とは違う流れが起きつつあると見ることは楽観しすぎだろうか。今後北朝鮮の期待する経済制裁解除で本当に救われるのは金正恩氏ではなく、現在虐げられている最下層の北朝鮮の庶民に他ならない。
西新宿
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