2017年10月28日(土)
2017年10月29日、エアアジアジャパンが2013年10月31日以来、4年ぶりに日本国内線を就航させる。何度も就航延期を繰り返してようやく名古屋のセントレア空港を拠点に名古屋~千歳間を1日2便で運行開始。順次路線拡大予定で台湾線も検討されている。
日本の国内線を実質提携子会社で独占している大手2社、日本航空、全日空との提携関係にない完全独立LCCは春秋航空日本に続いて2社目。
エアアジアジャパンプロモ航空券 千歳~名古屋800円。直線距離985km、陸路道のり1473km。車19時間半。フライト1時間50分。
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エアアジアジャパン2012とエアアジアジャパン2017の違い
ここで疑問。現エアアジアジャパンの設立2015年7月1日とされている。しかしそれ以前にもエアアジアジャパンはあった。2012年のLCC旋風の筆頭で騒がれていたのはエアアジアジャパンだったのではないか。そこでその疑問に答えるべく、バニラになってなくなったはずのエアアジアジャパンが、なぜ2017年に同じ名前で再出発になったかの背景解説。
エアアジアは2011年8月に全日本空輸(ANA)と提携し、エアアジアジャパンを設立、2012年8月に日本国内線を就航させた。その後「とある事情」で2013年に提携解消し、旧エアアジアジャパンは表向き本体そのままでバニラエアへと社名変更して現在も成田拠点に運航継続していることになっている。
しかし今回のエアアジアジャパン復活は旧エアアジアジャパンがバニラエアと名前を変えて継続していたのではなかったことを意味する。さらに言えば2013年10月のエアアジアジャパン消滅はANAホールディングスによる旧エアアジアジャパンの「計画的な乗っ取り追い出し」だったことを裏付ける。ANAとエアアジアの提携解消の原因となった「とある事情」とはこの「計画的な乗っ取り追い出し」に他ならない。
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エアアジアジャパン プロモーション航空券
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もともと2012年までは日本国内線は大手2社の実質価格カルテルが認められた特殊な環境だった。航空行政を巻き込んでいるので、2000年頃のスカイマークやエアドゥの例(新規参入組の低価格運賃にあわせて客を奪い、つぶれたら元に戻す)のように大手を振ってえげつない新規参入つぶしができていた。
ところがANAホールディングスは国際的なフライトコモディティ化の潮流から日本国内線のLCC席巻が免れないと読んで、エアアジアのLCC運営ノウハウを手っ取り早く頂戴するために、2011年8月にエアアジアと提携してエアアジアジャパンの名で国内線運行を始めた。最初から乗っ取り目的、解消前提の提携だったのだ。ノウハウを吸収して経営が軌道に乗った頃を見計らってエアアジアジャパンを実質乗っ取り追い出したというのが本当のところなのだ。
提携相手の闇の本性を知ったエアアジアがANAホールディングスを提携関係を保てる相手ではないと、エアアジア側から提携解消を申し出た。この辺もANAの計算通りで実にお見事なビジネス手法。傍で見ていて気分は悪いけど。エアアジアより明らかにLCC運営経験の浅いバニラが、エアアジアから頂戴した運営ノウハウで現在も成田拠点で問題なく運営継続できていることは、2013年8月時点でエアアジアが日本国内線を撤退する理由は経営状況的な判断ではなかったことを意味している。
2013エアアジア、ANAホールディングスとの提携解消の闇
さらにANAが最初から「解消前提の提携」だったことを裏付けるもう一つの事実がある。
「2013年3月19日、ANAは航空機リース会社AWASよりLCC用A320新造機を3機リース決定を発表」
参考ページ:FlyTeam 2013/03/20
バニラ用の機材はこういう早い段階でしっかり準備されていたのだ。
エアアジアとの提携解消(発表は6月25日)はかなり前から仕組まれていた証拠。ANAのような巨大組織で今まで取引のなかったAWASとのリース契約にいたるには時間がかかるのが普通。この事実はリース決定(平たく言えばのっとり計画)はANA内部でかなり早い段階で決まっていたことを示している。
エアアジアジャパン 名古屋~千歳3300円
2013年エアアジアジャパン撤退せざるを得なかった理由
2013年撤退時点の旧エアアジアジャパンの出資比率は、議決権比率で全日本空輸が67%、エアアジアが33%、無議決権株式も含めると全日本空輸が51%、エアアジアが49%だった。
これは表向きエアアジアという看板だがその実質的な経営主導権はエアアジアではなくてANA側にあるということだ。当時ANA側から信頼を損ねるえげつないことされても、エアアジアは提携破棄して撤退する以外何もできない状態だったのだ。ちなみにJALとジェットスターの関係では経営主導権はジェットスターにある。
2017年就航の新生エアアジアジャパンでは株主に航空会社は含まれておらず、比率はエアアジアが49%、楽天が18%、ノエビアホールディングスが9%、アルペンが5%、オクターヴジャパンインフラストラクチャーファンドが19%となっている。今回の就航に延期が重なったのは日本側にノウハウを持った受け入れ態勢がなかったことが災いしていたと思われる。
日本国内線 大手2社と新規参入LCC展望
独占して高値維持
バニラ、ピーチはANA系列会社。スカイマーク、エアドゥ、スターフライヤー、ソラシドエアはすべてANA傘下。日本航空系列で経営主導権のあるジェットスター除けばANAがほぼ日本の国内路線の格安航空会社の手綱を握っている。現状はエアアジアジャパンと春秋航空日本以外はすべて大手2社の系列か傘下。日本の国内線は実質大手独占で価格競争は起きにくい状態なのだ。
2012年のLCCショックで東京大阪線などは大手でもだいぶ下がったが、それでも今なお沖縄離島路線や女満別線は、独占して信じられないほどの高値維持という古い時代の痛ましい状況が続いている。
こういう状況でエアアジアジャパンのプロモ航空券名古屋から北海道まで800円で行けるフライトは画期的。本格LCC参入で日本の国内線のフライトコモディティ化はさらに進む。
サービスはどうでもいい 早く安くそこに行きたい
電車に乗るより飛行機に乗る方が多いような状態になるとまどろっこしいサービスはどうでもいいのでとにかく安く早くそこに行ければいいという心境になってくるのは自然なことだ。
国内線の1時間程度の短時間フライトに航空会社の余計な自己満足サービスは不要。向こうに行けばジンギスカンも札幌ラーメンも食えるのにまずい機内食食べさせられる意味がない。
長時間フライトの国際線と違ってLCCファスティングの機内断食ダイエット効果が期待できないのがつらいところ。
エアアジアジャパン就航
目黒から名古屋まで
先日就航記念のプロモ航空券が出ていたので予約サイトから予約をする。名古屋~千歳片道3300円。就航記念の片道5円航空券もあったようだが確保できず。往復で6600円。クレジットカード手数料800円で往復予約7400円だった。
私の自宅のある目黒から名古屋は遠い。今回の就航記念プロモは見送るつもりでいたのに予約サイトを見ていて気がついたら予約していた。
名古屋から千歳までは直線片道距離985km、陸路片道道のりで1473km。車で行くと19時間30分かかる。そこを1時間半、3300円で飛ぶのは鋭い。ちなみにジェットスター成田~千歳は9600円くらいから。都内に住んでいてこれを利用せずに名古屋まで行くのは偏屈としか言いようがない。いつものことなんだけど。びー旅にいつもの元気が戻ってきた。
びー旅つぶやき
23:25 2017/10/17
エアアジアジャパンがセントレア拠点に就航する。目黒から名古屋は遠い。乗りてえけど無理だ。と思っていたのに気がついたら千歳線往復予約していた。就航記念の5円航空券確保できず。名古屋~札幌片道3300円のプロモ確保。往復6600円。クレカ手数料入れて支払総額7400円。次の出国前に思わぬ国内旅行。2015年のジェットスターでの大阪西成弾丸旅行以来だ。
実は私は千歳に住んでいたことがあって何十年ぶりかの思わぬ訪問。グーグルマップには神社山の表示なし。千歳川にはいまだに大量のヤツメウナギいるのだろうか。まさにリアルタイムマシン。千歳に安宿見つからず焦る。千歳の安宿と札幌のカプセルホテルと迷うも札幌に何の思い入れないし。
名古屋までバスタから格安バス片道2800円から。新宿バスタ、セントレア、エアアジアジャパン、千歳空港。思わず味のある情報洪水に見舞われる。トムヤムクンの前にジンギスカンとなってしまった。
15:46 2017/10/18
エアアジアジャパン搭乗記2017近日公開。それに備えて都内から名古屋経由の千歳まで往復の足と宿を確保。東京から名古屋まで空路片道約18000円~、新幹線11000円~、鉄道で鈍行乗り継いでも6000円~。セントレアから千歳までエアアジア片道3300円で飛ぶのになんでやねんの構造。そんなんなら成田からジェットスターで直行でいいじゃん。どうでもいいけどジェットスターとにゃんこスターってひびきが似てる。
結局、新宿バスタ発のバスで名古屋駅まで片道2300円でネット予約。最安は1700円からだが日にちで最安がころころ変わり私の利用する日の最安は行きも帰りも2300円だった。所要5時間半。ちなみに新宿~名古屋駅383km、名古屋~千歳直線距離985km、陸路道のり1473km。車で行くと19時間半かかるらしい。フライトだと1時間50分。
都内からセントレア直通バスはなく、名古屋南笹島ライブから800m歩いて名鉄名古屋駅に行って、そこから片道780円(40分)かけて鉄道でセントレアへ行く。千歳では1泊3608円の個室予約。この宿のドミは1泊1856円~。郊外には個室1泊2500円からあったが千歳駅徒歩圏内の宿にする。札幌にももっと安いカプセルホテルはある。しかしかつて住んでいたエリアを歩いて回ってん~十年ぶりの千歳訪問のタイムトラベル気分味わいたいので。秋の北海道はいい。神社山ではキノコがいっぱいとれる。