対決させるまでもなく、勝負になっていない。かけっこなら子供と大人の差だ。新幹線と飛行機の速度対決のこと。最高速度、新幹線E5系320km/h、ALFA-X
360km/h、リニア中央新幹線 505km/h。飛行機A320巡航速度(最高速度ではない)1004km/h、ゆるゆる飛ぶ近距離国内線省エネ水平飛行時約710km/h。
新幹線ラスボスのリニアでさえ飛行機には到底かなわない。リニアの裏に隠れる5兆6300億円の建設工事費(東京名古屋木曽谷ルート334km)が異様。エアアジアを成田や横田からセントレアにとばした方が経済効率はたぶんいい。
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びー旅ロード2020
東京~大阪 のぞみ普通車指定席片道14,450円
東京~大阪一番安く行けるのは何?JR在来線?長距離バス?いや、現在は飛行機なのだ。そして一番高額なのが新幹線。速度スペック飛行機の3分の1以下なのに。なぜこんなことが起こっているのだろう。それは日本の航空業界が海外本格LCC襲来をきっかけに、価格を抑えることで生まれる潜在需要の大きさに気づいたからなのだ。
2012年LCC元年に日本国内線に旧エアアジアジャパン、ジェットスターなどのLCC(格安航空会社)が運行を始め、日本の空に利用者目線の健全な価格競争が生まれた。ジェットスターは東京~大阪を片道1990円で飛ぶプロモーションをやり、日本の旧態依然の航空業界に激震が走る。その後それに引きずられるようにJAL、ANAともに国内線価格を下ざるを得なくなった。客単価は下がり、収益率は落ち、全体利益は下がるかと思われた。しかし実際はそうはならなかった。「高いので乗らない。安ければ乗る」という利用者が想定以上に多かったのだ。
新幹線対飛行機の勝負はもうすでについている。速度でも、料金でも。
1999年航空行政を巻き込んだ価格カルテルがまかり通っていた頃、スカイマーク、エアドゥ相手の「新規参入組が低価格で搭乗率を上げると、大手がその前後便のみ同料金にし、赤字撤退したら高値に戻す」という時代からは隔世の感。
そしてこの日本国内線のフライトコモディティ化によるフライト低価格運賃の波は10年前まで飛行機と競合していた新幹線にも及ぶことが必至になってきた。「最近、飛行機と比べて新幹線高くない?」ということだ。東京~大阪のぞみ普通車指定席片道14,450円。自由席13,620円。そしてこの料金は回数券や早得など涙ぐましい努力をしてもたいして安くはならない。
ジェットスター チェックインカウンター
●LCCプロモフライト実録
東京~大阪片道2800円フライト 名古屋~新千歳片道3700円フライト
東京~那覇片道6680円フライト
なぜ新幹線? 新幹線対LCCフライト ー新幹線クライシス
私の常々感じている素朴な疑問。なぜ皆さん東京~大阪の移動に、いまだにあの料金の高い新幹線に嬉々として乗るのだろう。のぞみ東京~大阪約14000円、所要2時間。ジェットスターやピーチなら約6000円、所要1時間20分(実際に飛んでいるのは45分)で飛べるのに。JALやANAでも早割などにすれば1万円弱で行ける。大手は羽田~伊丹だし。
私が東京から大阪に行くのに新幹線の選択は全くない。なぜ他の方々が時間が余分にかかって運賃の高い新幹線を選ぶのか、いくら運賃会社持ちといえども私は不思議でしょうがない。新幹線対飛行機?いやいやその対戦おかしいでしょ。実力が拮抗していない。やる前から勝負はついている。「飛行機は墜落が怖いので乗りたくない」「新幹線の大ファンなので」などの事情がある場合は別だが。
この勝負にならない構図は運営JR側にとって、存続にかかわる危機に他ならない。新幹線クライシス。近距離の東京~大阪400kmですらLCCとはコスパで勝負にならない。「新幹線対飛行機」の構図が成り立っていたのは2012年より前のことだ。今新幹線と勝負が拮抗しているのは長距離バスだけだ。LCC真空地帯の東北エリアでのみかろうじてその存在感を保っているのが現状か。
拮抗したコスパ対決になるのは長距離バス ―新幹線クライシス
長距離バスは新幹線に比べて料金3分の1以下になるが所要時間が3倍以上になるのでコスパ的にはいい勝負。長距離バスはネット表示東京大阪1700円と出てるがそういう料金は3か月に1度しか現れない。LCC5円フライト(右)に等しい。
実質最安3000円~でこれも便数は少ない。利用者の足元を見た意味不明なシーズナリティがあり、盆暮れ等、混雑時期に料金が高騰する。
時期によっては7800円になったりもする。所要7時間なので途中食事必須。混雑時期に乗って海老名SAで1200円定食食べればフライトの倍以上になる。
旅情を求めてあえて寝台車や夜行バスという場合を除いて1000kmを超える陸路移動はもはや効率の悪い遠回りでしかない。現地に用事があって、仕事で、という場合には、効率よく、早く、安くそこに行ければそれ以外のサービスはどうでもいい。特に国内線近距離1~2時間フライトで機内食などなくても何の問題もない。到着先でおいしい食事はいくらでもできる。また旅費が会社持ちでない場合、贅沢さより安く行けることの方がより重要だ。
Booking.com
北海道新幹線の危機
国内線フライトコモディティ化の波を受けてもっとも危機が深刻なのはたぶん北海道新幹線だ。LCCなら東京札幌を東京大阪間とさほど変わりない運賃で飛べるが、新幹線ではそうはいかない。ほとんどの利用者は新青森駅
- 新函館北斗駅のみ利用するのではない。東京や大阪発でトータルのコストで利用を決める。本州側主要都市から札幌まで陸路にこだわると異様なくねくねルートになりとても効率が悪い。東京大阪間の現状でも価格差あるのに、さらに強烈な価格差が予想される。利用者側からすればそこまで高額で時間のかかる高速鉄道にこだわる意味がない。右は名古屋から札幌までの陸路と空路ルートの比較。フライトとの効率の差は歴然。
北海道新幹線は開業2年目を迎えて1年目に比べて利用者2割減と見通しは厳しい。財務省2018年4月25日発表の、北海道新幹線2017年度の営業赤字が103億円。LCCならこんな金額になるずっと以前に即撤退。利益が見込める路線に変更する。整備新幹線の工事・運営コスト高は今に言われ始めたことではない。しかしこのコスト高こそがインドネシア高速鉄道を中国に持っていかれた最大の原因なのだ。台湾新幹線の赤字転落も然り。これを続けている限り日本の高速鉄道技術は世界の鉄道インフラ需要から見放される。
セントレア 空港写真いっぱい。あれ?わしもエアポート投稿おじさん?
国内線フライト私的考察 日本の空港の特異性
私が個人的に国内線短時間フライトに求めるものは時間と価格だ。豪華なサービスも、極論すれば快適性すらいらない。早く安くストレスなくそこに行ければそれでいい。盛んに機内Wi-Fi無料を喧伝するが、当たり前のことが当たり前になっただけだ。
国内線ファーストクラスは小銭で優越感に浸れるって発想貧しくないか。たった1時間の国内線フライトでラウンジによるゆとりのある方はたぶんそんなに多くない。頻繁にフライト利用する利用者ほどカウンター締め切りギリギリ空港着で、ゲート直行即搭乗ということが多く、空港での無駄な待ち時間は少ない。
私の希望としてはボーディングブリッジ出た後、空港滑走路誘導路内を無駄に徘徊する時間をなくしてほしい。飛行機が動き出してからテイクオフまであれだけ時間がかかるのは日本くらい。同じ混雑空港でもKLIA2やドンムアンならボーディングブリッジ出て早いときには10分たたずにテイクオフしている。その運営でインシデント件数の増加の話は聞かない。日本の空港にはシステム上何らかの瑕疵があるとしか思えない。なのでたった400km、実質飛行時間40分なのにネット上のフライト時間表示は倍の1時間20分になるのだ。この無駄な時間を加算されたフライト所要時間に新幹線は救われているのだが。
「昨今離発着増加のため」などもっともらしい言い訳を考える暇あったら無駄を省く根本的なシステムの見直しを個人的には望む。離発着増加の前の昔から空港内での誘導路で異様に時間つぶすのは日本の空港の特徴だった。
羽田空港
最後に参考までにJR青春18きっぷにも触れておく。青春18とあるが年齢制限なしで購入可。発売期間も利用期間も限定され制約の多いJR乗り放題切符。5日間(5回)分のJRの普通列車・快速列車のみ利用可の乗り放題きっぷが11,850円。1回あたり2,370円と計算できるが、購入時に11,850円が必要で2,370円では購入できない。1回使えば払い戻しもできない。期限過ぎれば無効。なのでこれを最安とするには無理がある。東京大阪間を往復したいだけの利用者には、使わない切符を3枚余分に買わされているだけ。東京大阪往復のみで利用する場合片道5,925円になってしまう。特急に乗れないので東京~大阪9時間かかるらしい。安いようにちらつかせて安くない。複雑な仕組みを延々読まされて結局何の得にもならない、時間無駄にされ損した気持ちになる日本らしいきっぷだ。
びー旅つぶやき
ESTA個人申請
13:05 2018/10/06
ESTA申請する。2年前と若干勝手が違っていて少し手間取る。無事14US$で取得。私の10年パスポート来年夏で切れるので今回のESTAの有効期限1年ない。通常は2年。また取ればいいんだけど。前回と違って即承認されずにいったん保留ステイタスになり焦る。5分後に画面更新したら承認になっていた。シリア訪問歴あるから?ちなみに2011年3月1日以降シリアに訪問していたらESTAは認証されない。ESTA申請解説2019年最新版近日公開。
エスタの支払いはペイパルも銀聯でもできるようになった。CBP Global Entry プログラムってなんだよ。日本人に関係ねえじゃん。ちなみに日本人観光客は「
これ持ってるか」の質問には「いいえ」で回答する。詳細後日解説。
びー旅つぶやき
0:29 2018/10/06
ジェットスター成田関空予約する。先日検索した時より往復で3000円安くなっていたので迷わず予約。ピーチよりも1000円ほど安い。ピーチにしようか迷っていたが結局ジェットスターになってしまった。ネット表示価格片道3390円。カード手数料(1000円)込で往復9400円。片道4700円。預け荷物なし、座席指定なし。2015年10月は2800円で乗ったがこの料金ならまあ合格点。これなら7時間もかかって、料金も同じようなバスタ新宿のバス使う必要がない。さらに東京~大阪のぞみは普通車指定席片道14,450円。自由席13,620円。私は皆さんが何のためらいなく東京大阪間移動に新幹線を使うことが不思議でしょうがない。運賃3倍以上かかって遅いのになぜ?今回の私の場合、新幹線だと新大阪から関空まで南海使って追加の小銭いるし。
水没関空復活。ジェットスターはターミナル1でエアアジアホノルル行と同じターミナル。びー旅目線の最新関空レポート近日公開。ふっふっふ、エアポート投稿おじさんになってやるぜ。
ジェットスター成田→関空は1日4便。ピーチは1日2便。またジェットスターもホノルルに就航しているが、エアアジアのような日本からの直行便はない。日本から行く場合メルボルンやデンパサール経由と超大回りになり料金も高額。バンコクからもホノルルに行けるが週3メルボルン経由で片道800US$ 台。LCCのシートピッチでこの長時間乗り継ぎフライトは修行だ。
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びー旅ロード2020