ネパール エベレスト街道旅行情報

レンジョパス ヒマラヤ遭難

ヒマラヤインパクト びー旅ドットコム

ヒマラヤ遭難 ゴーキョからレンジョパス
ガイド/ポーターなし9時間トレッキング


レンジョパスRenjo Pass (Renjo La) 5360m


レンジョパス頂上からの下り雪道 奥の黒いのは湖。雪がないといったのは誰じゃあ

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● レンジョパス Renjo La 標高5360m ヒマラヤ遭難の記録

6:48 2013/11/24

氷点下のヒマラヤ山中、日の暮れた暗闇の中で叫んだ。「Help me」。脱水状態でのどカラカラ、言葉になっていない言葉だった。レンジョパス5360m越え後のルート。標高4380mのルンデというヒマラヤ奥地の村でのこと。

昨日私はヒマラヤで遭難した。実際には現在ぴんぴんしているので「遭難しかけた」といったほうがいいのかもしれないが、状況的には日の暮れたヒマラヤ奥地の暗闇の中をガイドもポーターもなしでたった1人でさまよっていた状況は遭難といって差し支えないとも思う。ただ人の助けは全く借りずに自己解決はしているんだけれども。

真っ暗なヒマラヤの山道をたった一人歩く。標高5300mから4300mを9時間歩いて体力の限界だった。次の村らしき場所に到着した時には当たりは真っ暗、写真右はレンジョパス頂上付近の私。このあと暗闇を一人歩く夜間トレッキングになるとはまだ思っていなかった。ちなみに雪がなければ、雪があっても雪対策をしっかりしていれば、このルートは6~7時間で行ける。


行けども行けども次の村らしきものが見えてこない。ヒマラヤの山奥で日が暮れてこの状況にたった1人ってやばくねえか。ガイドもポーターもいないのでこの時あとどれくらい行けば次の村に行けるのか、たどり着けるのかさえ不明だった。実際はここから次の村のルンデまでは約3時間。このあと夜間トレッキングとなる。標高5000m気温氷点下でほぼ遭難状態。写真撮ってる場合か?



フェリラプチェ Pherilapche 6017m。レンジョパスはこの山の向こうへ回り込む。簡単なルートといわれたが見かけ上はとてもそのように見えず。実際行ってエキセントリック体験。


●レンジョパス Renjo La とは

ゴーキョからはゾンラ(チョラパス)以外にレンジョパスという峠がある。フェリラプチェPherilapcheというゴーキョレイクの向こうに見える山の裏側を通ってナムチェに抜けるレンジョパス Renjo Pass 5360m 峠越えルート。アンちゃんからきいたこのルート。ゴーキョの宿でも確認した。雪もなく簡単なルートだという印象だった。次の村のルンデLumde 4380mまでは5時間でいけるとのことだった。

朝寒いうちから出発するのはいやなので5時間ならとゴーキョの宿を9時にチェックアウトしてレンジョパスに一人で向かう。ゴーキョレイクのほとりを回って山奥へ入り込む感じ。本当にあんな山の裏側に行くルートあるのかというのが実感。

アンちゃんの話では2時間でレンジョパスにいけるとのことだが、確かにレンジョパスの入口までは2時間だがパスの頂上までは5時間。さらに雪がないとの情報は全くのガセでゾンラパスとほとんど変わりない大雪状態。雪がないの情報を鵜呑みにして雪対策を全くせずに臨んだのでゾンラの二の舞に。特に峠を越えたくだりが谷底への転倒滑落が怖いので全く思ったように進まない。


このあと日が暮れて真っ暗に。ヒマラヤのトレッキングルートには街灯はない。しかし日が完全に暮れても雪明りでかろうじて足元は見える。ソーラー発電のない真っ暗なゴーストタウンを目指す。


●ルンデ Lumde 標高4380m

峠を越えると日がどんどん沈む。まわりの山が高いので午後3時を過ぎると急に暗くなり温度も下がる。くだりなのでトレッキング自体は楽なのだが、いけどもいけども町らしきものが出現しない。あの丘の向こうにきっと宿があるに違いないとヘロヘロな体に鞭打って丘を越えてもまだ延々無人の雪道が続いている。次の丘を越えればと期待するもまた同じ状況。5時間でつくんじゃなかったんかい。

そうしているうちにどんどん日は暮れていく。レンジョパスはメインのエベレスト街道とは大違いで9時間のトレッキング中95%私一人だけ。追いつき追い越すトレッカーゼロ。すれ違うトレッカー3組。

ガイドもポーターもなしなのでヒマラヤ山中に全くの私一人。このルートには地元民荷物運びも皆無。とにかく人がいない。暗くなったらやばい。明るいうちに次の村にたどり着かねば。あせるも既に暗くなった頃は8時間も歩き続けているので電池も切れかけ。


峠の向こうの湖


●標高4300m 氷点下暗闇トレッキング

空が白んでいるうちに何とか丘の上から村らしきものを見つける。だがヒマラヤの丘から見下ろす谷の町は遠い。そこへ向かって歩いているうちにとうとう日が暮れ真っ暗に。当然4000mの山道に街灯などない。

だが日が暮れても漆黒の暗闇にはならず。雪明りでぼんやりと道は見える。ただ見つけた村に近づくも明かりがない。ゴーストタウンのように真っ暗。ヒマラヤの村にはまだ電気のない村もたくさんある。それは知っていたので予定とは違う見知らぬ村に迷い込んだのかもしれないとも思った。その場合は一般民家にお願いして泊めてもらうしかない。とにかく寝袋なしの氷点下野宿は避けたいのでその村にまっしぐら。

1時間ほどしてようやくその明かりのない村に到着。懐中電灯のような明かりを見つけて叫ぶ。「Help me」。そこが今宿泊しているLumde 4380mだった。遭難しかけたというより、これは遭難。ゴーキョからの所要は9時間。最初からそんなにかかるとわかっていたら朝早く出発したのに。


日が暮れるのに延々道は続く


明かりのほうに近寄っていくとそのゴーストタウンで唯一明かりがあったそこがルンデのロッジだった。さらに近づいていくとそのライトの主が宿に導いてくれた。「どこから来た」「日本」、「私も日本人です」と急に日本語会話になる。意外。そのロッジに2人しか宿泊していない一人がこれからレンジョパス越えをしようとそのロッジに宿泊中の日本人の方だった。

ちょうど外に出て歯磨きにライトを持って出てきていたところだったという。山小屋には流しがないので歯磨きは外に出てする。おつきのガイドとポーター一人づつ連れていてガイドは日本語を話す。地獄に仏状態。何とかロッジにありつけ氷点下野宿で数日後冷たくなって発見という展開は避けられた。

先方も人里はなれたヒマラヤ山奥の暗闇の中から金髪のおかしな日本人がたった一人で現れたのでかなり驚いておられた。宿の名前はレンジョパスサポートロッジ Renjo Pass Suport Lodge。1泊200Rpなのに部屋の中にトイレがついている。



ルンデ Lumde のレンジョパスサポートロッジ Renjo Pass Suport Lodge V.D.C, Namche-9, Solukhumbu TEL:038-540-363 / 977-215-1114 Mob:981-338-1329 / 981-877-7348

このロッジのおじさんはシェルパの方だが富山県に仕事で行っていた時があって日本語を話す。思いがけずの日本語環境。それ以上にあったかい布団で寝ることができてマジ助かった。9時間トレッキングで体力も気力も消耗。食欲なくりんごジュースだけ飲んで寝た。その日の食事はそれだけ。地獄の特訓通り越して遭難。それを現地から実況中継。ネタ的にはおいしいのか?微妙じゃ。

● 2013年11月23日(土)旅費総額 Rp(円)
水300 りんごジュース350 朝ララ300 ブラックティ70

部屋代 レンジョパスサポートロッジ Renjo Pass Suport Lodge(ルンデ) 200


● ルンデからナムチェまで 7時間半トレッキング

18:20 2013/11/24

ルンデ Lumde 4380mから一気にナムチェ namche 3440m までおりる。今日は途中道を間違えたので7時間半のトレッキング。なんとか明るいうちに宿にたどり着いた。しかし昨日の遭難しかけの9時間トレッキングの翌日7時間半トレッキングは連日の地獄の修行だ。

タメ Thame 3800mから分岐した道のナムチェの反対側の谷に行ってしまいあわてて戻る。ロス約1時間。これがなければ6時間半でついたのに。一人でトレッキングしているのだから道を間違えるのはしょうがない。レンジョパスルートはメインのエベレスト街道と違ってトレッカーのみならず、荷物運送の現地の方の往来も皆無なので道の確認のしようがない。ルンデからタメまでは完全に一人トレッキング。この状態もうなれたけど。

タメを過ぎてからは谷を回ってあの山の向こうにはナムチェの町並みがあると何度も思わせて延々山並みが続く。一人で初めてのルートなのでどれくらい行けば目的地に着くか見当がつかない。雪もなく道幅も広いので昨日のレンジョパス越えよりはずっとましなんだけど。ナムチェの町並みが見えた時には本当にほっとした。


ナムチェに向かう道で

● 2013年11月24日(日)旅費総額 Rp(円)
ガーリックステーキ550 ホットシャワー300 デジカメフル充電200 パソコン200 コーラ250 300 水100

部屋代 フットレスト(ナムチェ) 200Rp


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だから雪がないといったのは誰じゃあ



レンジョパス前半はずっとエベレストが見える


これが道か?滑らずに歩くほうが難しい。すべると100m滑落。空も宇宙色だし。ガイドもポーターもなし。すれ違うトレッカーも皆無。


修行も度が過ぎると遭難する


雪道


滑落すると深い谷底へ



レンジョパスの雪道



道が狭まる


2013年10月~11月現地から当日公開中

ヒマラヤインパクトトップ
10/23 エアアジアXと羽田空港
10/24 ランカウイ島
10/25 クアラルンプール
10/26 トリブバン国際空港
10/28 ネパールビザ延長申請
11/1 ジリ ヒマラヤ山岳バス
11/3 デウラリ ガウリシャンカー
11/4 キンジャでティハール
11/5 ダクチュパス 1泊50円の宿
11/6 ジュンベシ ラムジュラ峠越え
11/8 ブプサからルクラへ
11/11 ナムチェインターネット
11/13 パンボチェにアンちゃん食堂
11/15 ゴラクシェプ
11/16 カラパタール
11/17 エベレストベースキャンプ
11/18 ゾンラパス
11/22 ゴーキョピーク
11/24 レンジョパス ヒマラヤ遭難
11/26 ルクラ空港
11/27 タメルで散髪
11/28 カトマンズ発エアアジア
12/2 ヒマラヤインパクトエピローグ



レンジョパスへの道


レンジョパスサポートロッジ Renjo Pass Suport Lodge



遭難翌日ナムチェに到着したアホ。ルンデ→ナムチェは途中道を間違えたので7時間半かかった。間違えなければ6時間半だったのに。ガイドポーターなしの一人で放浪しているのだからしょうがない。この荷物結構重い。傘とかパルティとかいらんもんが結構はいっとる。


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山の神様は遭難という形で人の命を奪う


レンジョパスから見るエベレスト 下の湖はゴーキョレイク


宇宙色の空 撮影地点標高5300mなので この山は Pherilapche 6017m



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