南インドのカレーとビリヤニと定番メニュー
2021年3月8日(月)
南インドのカレーをスプーンで食べてはいけない。手で食べるべきだ。バナナの葉っぱの上でご飯とカレーを手でまぜまぜして食うカレーは絶品。激うま。
おにぎりでないご飯を手で食うのは奇妙な快感がある。定食で60Rs(90円)と安いのにカレーもライスもなくなると「いらない」というまで無制限に足してくるのも意表を突く。
あまり安いので、そんなんで採算とれんのか?とこっちがいらぬ心配してしまう。六本木のインド料理店の10分の1以下の料金。なのに激うま。ちなみにチェンナイの地元食堂でもスプーンは「くれ」と言えばくれる。
上の皿にあるご飯は皿のままにせず、下のバナナの葉っぱの上にぶちまけて、周りのカップのカレーを順番にかけて手でまぜまぜして食べるのが地元流。おせんべいはパーパドという豆粉を揚げたもの。
南インドのカレーはご飯にかけて食べる日本のカレースタイルに似る。日本人のインド料理のイメージはカレーにナンだが、南インドにナンはほぼない。インド全体で見てもナンを食べるインド人はとても少ない。
インド南部は主にカレーにご飯だが、北部で庶民に食べられているのはナンでなく主にチャパティ(もちろん北部でもご飯は食べられているが)。日本では当たり前の小麦粉(薄力粉や強力粉、胚乳のみを粉にしたもの)はインドでは高級品で、普通は精製前の茶色がかった全粒粉を使う。全粒粉とは小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもの。発酵もさせないし、でかい窯も使わない。訪日インド人が日本のインド料理レストランで初めてナンを食べることも多いというよく知られた笑える構造なのだ。
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町の中に牛君がくつろぐチェンナイ裏通り 宿は1泊350Rs(約525円)
インドのカレーとビリヤニ 2021
ビリヤニとは
ビリヤニとはもともとムガル帝国時代、イスラム世界起源の宮廷料理だが、今は実質定食屋の激安定番メニュー。香り米を使って様々なスパイスで調理する炊き込みご飯。炒めてはないのだが食べた感じはほぼチャーハン。思った程カレー味はしない。2020年2月滞在時、チェンナイの地元食堂でベジビリヤニは右のような小さいカップのカレーがついて定食セットで35Rs(53円)~、ノンベジは若干高くチキンで60Rs(90円)~。屋台の弁当ではベジ大盛で20Rs(30円)。
安くて量が多く腹いっぱいになる。うまいことはうまいが、チキンマサラのような「激うま」という感じはない。安くてそこそこうまくて、はずれなく腹いっぱいになる。まさに日本でいうチャーハンのポジション。
ティルバナンタプラム トリバンドラム(旧称)ともいう。空港は前者、駅は後者の名がつく。どちらも長くて覚えにくい。モルディブの首都マレまでは600kmと東京~大阪間と変わりない距離。フライト片道120US$~。
庶民の基本食はベジ(菜食)。インドには生粋ベジタリアンやビーガンも少なくないが、多くの庶民は基本ベジで、ごくたまに贅沢をしてチキンマサラという感じだ。現地の食堂はほぼベジで、4軒に1軒ノンベジ食堂だった。ベジとノンベジ料理の料金の差は約倍。現地で格安生活をしようとすると自然とベジ食になってしまう。
写真右上はチェンナイ、ノンベジ食堂のチキンマサラとビリヤニ。チキンマサラは日本のインド料理店で食う1200円のインドカレーと変わらず激うまだった。久々に食う肉なので余計にうまい。脇のチキンビリヤニはタイ屋台のカウパットガイ(チャーハン)の3倍の量。上のセットで120Rs(180円)。上のご飯食べきると断らないと無制限に足してくる異次元展開。ベジ食メインなのにメタボ体系の多い現地の事情が納得できた。また日本では高いインド産長粒種も現地では普通のコメ。食堂のご飯の量が多いので1日1食ですむ。
爆走バジャイ。原型はダイハツミゼット?バジャイはインド産だが、カンボジアにもミャンマーにもインドネシアにも走る。
1円= 0.67061 INR / 1 INR = 1.4912円 2021/03/08 20:05
・INR(Rs)はインドルピー
ベジとノンベジ インドダイエット
日本で菜食しようとすると「ああ、から揚げ食いてえ。トンカツ食いてえ。キャベツもうやだ」とストレスたまるが、インドでの菜食生活はそういうのがない。カレーのせいか無理なく連日ベジ食で生活ができる。食材にも工夫されいてノンベジレストランで「ん?肉?」と思ったらつみれみたいな肉もどき(魚は入ってない)だった。なので現地で庶民に混ざって生活していると、気がついたら連日ベジ食になっていた。
たまに贅沢してチキンやマトンマサラという感じ。なのでいい感じにインドダイエットが進んだ。牛はヒンズー教で、豚はイスラム教でNGなので、インドの肉は鶏か羊やヤギ。
街中にはヤギもいる。食用放牧?
インド南部地元食堂 朝食メニュー
イドリー、ポンガル、ドーサイ、メドゥーバダイ、プーリー
南インドの地元食堂にナンはないが、イドリー、ポンガル、ドーサイ、メドゥーバダイ、プーリーがある。
日本人にはなんのこっちゃ?のメニューだが地元の方々にはナンよりずっと知られた定番メニューだ。チャパティまでなら何とかわかってもこの辺は実際に行かなければたぶんさっぱりわからない。見た方が早いので以下に画像で説明。
2020年2月チェンナイ地元ベジ食堂での料金とメニューの写真
Idly イドリー 肉まんの皮? ベジカレー定食40Rs 60円
Chappathi チャパティ Medu Vadai 塩味ドーナツ 上セットで30Rs
Pongal 大量マッシュポテト35Rs Poori 薄い揚げパン35Rs
マサラドーサイ Masala Dosai 50Rs(75円) このでかい塩味卵なしクレープの中の中央部分に芋カレーが入っている。白いのはカレーでなくマヨネーズ味のタルタルソースもどき。これら小麦粉パン系は全粒粉で作られる。
チェンナイセントラル駅脇の裏通り
イドリー、ポンガル、ドーサイ等は南インドで主に朝食で食べられる。午後に行くとない。午後は主にミールスやターリーというカレーセットなどご飯中心メニューになる。
右はチェンナイ食堂のポンガルセット35Rs(53円)。カレーとタルタルソース?がデフォでついて主食部分をイドリーにするかポンガルやメドゥバダイにするか選択する。マサラドーサイのように最初からセットになっているのもある。どれも安くてとてもうまい。カレーが本格インドカレーなので。
スプーンは言えばくれるが、手で食べる場合は右手だけで食べる。左手不浄云々以前に、両手ぐちゃぐちゃだと上のようなグラス取れなくなるので水とか飲めなくなる。食べ終わったら手を洗う場所が店内にある。
チェンナイセントラル駅脇の地元食堂 上のどれかを選択するとカレーはセットでついてくる。20ルピーは30円。南インドは米が主食と言われるが、朝は小麦系のパンもどきを食べる。ポンガルは芋だけど。2020年2月25日撮影。
チャパティーとナンの違い
インド人は誰も食べないナン
チャパティとナンの違いは、チャパティはインド全土で庶民に食べられているインドのパン。ナンは日本人向けインド料理として定着したインド人の食べないインドパン。
ナンはインド北部の限られたエリアで一部の方しか食べていない。精製小麦粉使うので原価もかかるし、イースト発酵させるので手間もかかる。調理に大きな窯も必要で屋台で安価に出せる庶民食からは程遠い位置にある。
一方、チャパティは全粒粉(小麦の表皮、胚芽、胚乳を粉にしたもので少し茶色い)を使い、発酵もさせず、道端の屋台でもフライパンで簡単に作れる。
日本のインド料理は特殊な付加価値がついて、インドの庶民食堂とはかけ離れた10倍以上の料金。そこで原価0.5円の庶民食のチャパティを出すより、原価50円の手間暇かけたナンをそれなりの料金で出す方が経営戦略的に正しい。そういう理由から日本でだけ定番インド料理として定着したのだ。ネパール人がやっていてもインド料理店になるのだからその辺は自在か。日本に現在もサムライや忍者がいると、豪州地方在住の兄貴が思い込んでいる状況に似る。
ねえ、なんか食いもんない?
南インド料理流行の兆し 2021
バナナの葉っぱの上で手で食うカレー
コロナ前までの話だが、都内で南インド料理を出す店が増えているらしい。ガパオライスやタピオカのようになるのか。なら個人的希望として、バナナの葉っぱの上にご飯ぶちまけて右手でカレーをまぜまぜする本格作法で食べてほしい。あの食べ方のインパクトは強烈だ。そしてあの方法で食べた方が絶対においしい。リアルなインドを体感できる。女子はネールできないけど。
チキンマサラ ご飯もカレーも食べ放題で120Rs(180円)。カレーをご飯にかけるときはスプーン使うが、食べるときは手でまぜまぜして食べる。
★YouTube おとちゃんねる
インドでカレーを手で食うおっさんの動画
南インドのサーターアンダギー
チェンナイのエグモア駅の地元宿街の小さな店にサーターアンダギーが売っていた。似たものでなく、全くのサーターアンダギー(写真右)。大きさは少し大きめだがかなりうまい。
3カ月前に宮古島で食べた3分の1の大きさのさたぱんびん(サーターアンダギー)の10分の1の値段。安くてうまいので毎日買って食べていた。サーターアンダギーってインド発祥だったのか?インドが真似しているのか。それとも偶然の一致?詳細不明。
チェンナイセントラル駅脇の裏通り
びー旅つぶやき
21:35 2021/03/15
「南インドのカレーは手で食べるべき」と先日書いたが、昨日自作のカレー食っててふと思う。この日本のカレーは手じゃ食えんな…と。南インドのカレーはナンでなく、日本のようにご飯の上にかけて食べる。バナナの葉っぱの上にご飯をぶちまけて、周りのカップのカレーをかけて手でまぜまぜして、手で食べるのが現地の一般的な作法。基本スプーンは使わない。
ただこれができるのは、粘り気のないインディカ米長粒種だからできるのだ。日本のコメだとつぶれて部分的に餅状になるので手でまぜまぜが向かない。あのネバネバ形状だと手にべっちょりついて多分食べにくい。炊き立てだとやけどもする。第一昨日の目の前の自作カレーライスを手で食うなんて発想にならない。チェンナイの地元食堂に行って、長粒種ライスと本格インドカレーを頼んで初めて「手で食べよう」となるのだ。日本のカレーとインドのカレーは別の料理だと再認識。訪日インド人が日本のカレー食べて「これは何という日本料理ですか?」と質問するらしい。
カンボジア オスマック