ミャンマー民主化は不可逆
2021年2月20日(土)
2021年2月1日にミャンマーでミャンマー国軍によるクーデターが起こった。20年11月の選挙でアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が大勝し民主化が加速する状況下での民主化に逆行する軍による謀反。ミン・アウン・フライン国軍総司令官に全権力が委譲され、事実上の国家指導者となったことをミャンマー軍が一方的に宣言し、軍事政権が誕生している。
民主化が進み長年の軍事政権下で築き上げた軍の既得権益がなくなっていくことへの理不尽な抵抗だ。しかしミャンマーの民主化は止められない。表面的に軍政継続しているタイとは背景が違う。民意を軍事力で翻す行為は国際社会からだけでなく、ミャンマー全国民を敵に回す行為だ。
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ヤンゴン市内 スーレーパゴダ
ミャンマークーデター2021
米国が経済制裁への動き
2011年の民政移管の背景は、軍事政権で少数民族と小競り合いをしていると国際社会から見放され国家が衰退していくことを痛感しての民主化への方向転換だった。米国の経済制裁が解かれその後数年の目覚ましい経済発展は誰もが知る事実だ。今回のクーデターを受けて、バイデン米大統領は10日、ミャンマー国軍幹部らに制裁を科す大統領令に署名。制裁再開の動きを見せている。経済制裁がどういう状況を生むかは軍幹部は嫌というほど実感しているはずだ。
ミャンマーの軍政は古くはビルマ共産党軍、近年は少数民族を敵に回しての小規模な闘争だったが、今回は少数民族でなくミャンマー全国民を敵に回す構図になっている。経済発展と民主化が一体であることはミャンマーの方々が一番痛感しているからだ。それに米国をはじめとする国際世論が加勢する構図になって軍幹部は正直あせっている状況だと思う。
バガン遺跡
カックー遺跡
経済成長と民主化は切り離せない
こんなはずじゃなかった状態の国軍幹部は「1年以内に選挙をやる」と声明。国軍のいうクーデターの原因は選挙不正とのことなのだが、再度選挙やっても結果は変わらない。振り上げたこぶしの収まりどころがつかない国軍のメンツを保っての収束と勝手に予想している。つまり現状は民主化への道へのバグ発生状態。修正されれば再度民主化への道が再開される。たぶん中国もそれを読んでいるので下手に軍事政権援助に踏み切れないのだと思う。
ミャンマーは日本の1.8倍の国土。人口5371万人(2018年)。鉱物資源も多く、長年の経済制裁で取り残されいた分インフラ需要も膨大。仏教国で国民性も勤勉でまじめ。何より国自体に底知れぬパワーを感じる。コロナや少数民族問題はあるものの、インド洋に面しているのでマラッカ海峡問題がない。また中国、タイ、ベトナムに対してマラッカ海峡回避ルート開発の可能性も持つので、潜在的な経済力はタイかそれ以上だ。
ヤンゴン国際空港前の通り
ミェイ。沖のメルギー諸島は海洋少数民族交差点。旧日本軍の遺構も残る。
YouTube おとちゃんねる メルギー諸島
ミャンマー民主化への道
ミャンマーの抱える少数民族問題
ちなみに少数民族問題はもつれているロヒンギャのみが強調されるが、深刻だったタイ国境の少数民族との和平は劇的に進んでいる。カレン族もモン族もシャン族も民主化による恩恵を実感し、民主化を望んでいる。ロヒンギャ以外のタイ国境方向の海洋少数民族との関係も良好だ。
スーチーさんがロヒンギャ問題で責められることが多いが、ロヒンギャ問題はもともとロヒンギャとラカイン(アラカン)族との少数民族同士のいざこざが抗争の原因。なのでスーチーさんの意のままにならない軍の勝手な暴走はあるものの、中央政府で強引に解決できる問題ではないのだ。
カレン族とモン族の方々と一緒にミャワディからコーカレイへ向かう。2014年2月に私が乗った地元乗合自動車。こっちがバスより安かったので。
ミャンマー中華丼タミンマオ激うま ミャンマータンメン
バガンの市場
チェントンの市場 チェントンは北部山岳民族交差点
ミャンマー民主化への道
東南アジア最後のブルーオーシャン
ミャンマーの民主化は不可逆だ。軍の提示する1年以内の再選挙で民主化はさらに加速し経済発展を続けると個人的に思う。それを求めているのは何よりミャンマー多数派国民(11月8日の総選挙ではNLDが476議席のうち8割以上を獲得)なのだから。右はクラ地峡運河構想の河口都市コートーンのペンギンホテル。
ミャンマーは港湾や鉄道インフラに対する日本の技術支援を望んでいる。今回の山を越えて政変リスクが減ればたぶん日本も進出しやすくなる。タイやインドネシアで拒否され中国に持っていかれた高速鉄道のような展開は避けたい。ミャンマーは東南アジアで取り残された最後のブルーオーシャン。開発のポイントは金のかかる最先端でなく、庶民に恩恵があり支持される展開なのだ。
2012年11月19日オバマ大統領訪問で、ミャンマーのATMで手持ちクレカ使って現地通貨がおろせるようになった感動は今もはっきり記憶に残る。それまでは西アフリカの辺境都市でも使えるクレカが何でミャンマーで使えないんじゃ状態だった。現地の方にとってあの時はたぶんそれ以上のインパクトがあったと思う。民主化不可逆の確固たる理由だ。
ミャンマー語は隣国言語との共通点がほとんどなく日本人には習得が難しい。現地ではシャン語やモン語もあって共通語がミャンマー語になっている。ただ英語はタイやカンボジアに比べれば若干ましでヤンゴンではそこそこ通じる。
奥インレー サカー遺跡
びー旅つぶやき
ガイドブックと既成ツアー
15:27 2021/02/20
海外旅行をつまらなくしているのはガイドブックと旅行会社?旅人側にある程度の機動力がある場合、それらは不要というより、自由を奪うマイナス要因になる。言い方変えると邪魔なだけ。ただこの辺は旅人による。予定調和をつまらないと感じるかは個人差あるし、ツアーの枠組みや予約がないと現地で何もできない場合には既成ツアー参加は避けようがない。
旅とは日常の規制から解放されて自由になることだと思うが、日本人定番の海外旅行ツアーとは、籠の中の鳥が籠の外に出るのにさらに小さい籠に入って外に出るように見えなくもない。
例年なら今頃気温30℃の炎天下でバリバリ旅進行中のはずがコロナのせいで寒い日本で引きこもり。旅をしないとまた腹が出てくる。今年は結局ミカンが1個も食えなかった。去年タイやインドで1個2円だったので日本の1個40円のを買う気がしない。バナナやパイナップルは食ってるけど。
インレー湖
びー旅つぶやき
新宿中央公園
22:37 2021/02/14
緊急事態宣言下なのに日曜の新宿中央公園すごい人出。2月なのに晴れてるとあったかい。寝転がって都庁見上げて聞くからあげ姉妹の「1・2・3」いい感じ。新宿公園だとSIMなしスマホでも新宿Wi-Fiで無料で新曲聞ける。
あの曲をあやめちゃんとかかっきーでなく1期生でやるとこがまたいい。わしゃやっぱNiziUより乃木坂がいいな。
西新宿 新宿中央公園
緊急事態宣言中の2021年2月7日日曜日の新宿中央公園
びー旅つぶやき
20:12 2021/01/31
今日時点でコロナのこれまでの約1年の死者5597人。インフルエンザの2018年の死者3325人、超過死亡約1万人。これよりはるかにショッキングな数字が2020年1年間の自殺者の数2万919人。コロナのせいで自殺者が増えているかというとそういうわけでなく、ピークは2003年の3万4427人。ここ数年減少傾向にあってなおこの数字なのだ。前年2019年2万169人から微増。本来ならコロナ大騒ぎ中なので爆増しても不思議でないのに、逆に落ち着いている風に見えなくもない。なくなっているのがコロナと違って70代以上でなく、現役世代や若い方が多いのも痛々しい。
見方を変えると自殺する方にとってはコロナ前の平常環境が、緊急事態宣言時と同じ絶望環境だったということ。ピークだった2003年は緊急事態宣言下より悲惨な状態だったってことなのだ。
日本社会の闇が垣間見える数字だ。最下層はとことん追い詰めて搾取する。外国人技能実習生が年間9000人も逃げ出すわけだ。過労死という言葉は海外にない。日本の最下層労働環境は現代の奴隷制?ヒエラルキー上位の者が幸福かといえば必ずしもそうでない。労働生産性主要先進国最下位で長時間労働が常態化。1人当たりのGDPは高い(金はある)のに幸福度は低く、少子化が進む。日本の闇は深い。駅のホームドアは表向き転落や列車との接触事故防止となっているが実質人身事故の名の飛び込み自殺防止柵。
ヤンゴン船着場前の風景