クラ地峡運河とマラッカ海峡問題

マレー半島運河 クラ地峡運河とマラッカ海峡問題

Malay Peninsula Canal

マレー半島運河構想 クラ地峡運河

ラノーン港
「マレー半島運河構想」というものがある。飽和状態にあり、なおかつ問題の多いマラッカ海峡交易回避ルートの筆頭候補だ。そしてもしマレー半島最狭部であるクラ地峡に運河ができるとしたらクラブリー川河口の都市ラノーンはそのインド洋(アンダマン海)側の拠点となる。実現すればここがシンガポールに匹敵する交易拠点になる可能性があるのだ。

日本はもっと積極的にこういう国際プロジェクトを親日国でもあるタイやミャンマーに働きかけるべきだ。この規模の開発受注とその後の経済効果は高速鉄道の比ではない。消費税増税を続け、経済が委縮し、結果少子化が加速する負のスパイラルからも脱却できる。


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マレー半島運河とマラッカ海峡 Malay Peninsula Canal


マレー半島はタイ中南部チュンポーン南からラノーン州のクラブリー川上流にかけて最もくびれて細くなり50kmほどになる。海路輸送でこのたった50km の障害のために中東からの巨大タンカーは2000km 以上もマレー半島を迂回せねばならない。現状は危険の多い狭い海峡を通る経済効率の悪いルートしか選択肢がないのだ。

マラッカ海峡の全長は900km 、幅は狭いところで65~70km、平均水深は25m、岩礁や小さな島、浅瀬が多く大型船舶航行には危険水域。この航路上シンガポール付近の Phillips Channel は海峡の幅が2.8km、水深23m といわれる。そういう状況なので、ここには昔からマレー半島を大きく遠回りしないですむ、マラッカ海峡回避ルートのクラ地峡運河構想があった。マレー半島の一番くびれて細くなっているところに運河を作って船が通れるようにしようという構想だ。パナマ運河やスエズ運河と同じ時期に運河構想があがっていたのに2019年現在実現していない。なぜなのか。




クラブリー川河口域支流のマングローブ汽水域

マレー半島運河構想 クラ地峡とソンクラー運河

13:58 2019/12/16
タイ時間
中東から日本や中国(欧米のいう極東)に石油をタンカーで運ぶには現状マラッカ海峡を通るルートしかないということは軍事的に重要な意味を持つ。つまり有事にマラッカ海峡ルートを閉鎖さえすればいとも簡単に極東を兵糧攻めに追い込むことができる。そしてマラッカ海峡の出口であるシンガポール海峡は米軍 Changi Naval Baseが実行支配している。

つまりもし米国と中国が戦争を始めた場合、シンガポール海峡を閉鎖すれば中国はいとも簡単に深刻な兵糧攻めにあうことになる。

この戦術は75年前に旧日本軍で実証されている。1942年6月ミッドウェー海戦後、太平洋地区の広い部分で制空権制海権を奪った米軍が、マラッカ海峡輸送ルートをシンガポール海峡を閉鎖することで日本を深刻な兵糧攻めにして敗戦へと追いやった。






クラブリー川河口 タイラノーン側


クラブリー川河口汽水域 タイカクピア Tai Kak Pier


クラ地峡 陸路最狭部ルートの例



マラッカジレンマ

当時日本はクラ地峡鉄道や泰緬鉄道でなんとか石油輸送ルートを確保しようとしたがかなわなかった。この100年来欧米白人社会がクラ地峡運河を作らせなかったのはこの軍事的な優位性を維持するためなのだ。

そして2019年12月現在は日本でなく中国を封じ込めるためにあえてマラッカ海峡オンリーの輸送ルートのままになっている。逆に言うと中国はこの状況を何としても抜け出したいと必死で模索している。これをマラッカジレンマという。

中国は一帯一路と聞こえはいいがその実はこのマラッカジレンマの軍事的脆弱性から様々な方法を使って抜け出そうとしているのだ。南シナ海の喧しい展開もそれが関係しているように私には見える。そして中国は今現在もクラ地峡のやや南のソンクラーに運河構想を立ち上げている。しかしパッタニー独立問題を抱えるタイ側から国土を運河で分断する構想にあまり好意的に受け取られてはいない。またシンガポールも独占している権益が分散されるので現状のままを望んでいる。



クラブリー川河口のラノーン港





マラッカ海峡回避ルート

しかし中国のマラッカジレンマを置いておいたとしても、マラッカ海峡の飽和問題は取り上げられてから久しい。いずれは解決せねばならない問題と言える。マラッカ海峡回避ルートとしてのクラ地峡運河、もしくはクラ地峡鉄道、クラ地峡パイプラインなどの国際プロジェクトの立ち上げは今後のこの地域の経済発展には不可欠だ。

もっと日本が親日国であるタイにマレー半島運河構想を働きかけていくべきではないのか。ODAの類の施し援助としてでなく国際プロジェクトとして。中国主導だときな臭くなるが日本主導ならそういう色合いも薄まる。恩恵を受けるのは中国だけでなく、タイやベトナム、日本も同様。さらに現状鄙びた地方都市でしかないラノーンがシンガポールと同等の交易拠点になることはタイにとっても大きな利益をもたらす。もう米国の軍事戦略の都合でこの地域の経済発展が妨げられる時代ではないのだ。

マレー半島運河(クラ地峡運河)はたぶんミャンマーダウェイ~ベトナムブンタウのインドシナハイウェイ構想よりもずっと大きな国際プロジェクトになると私は個人的には思う。日本国内の公共工事は現状すでに飽和している。人も物資も往来皆無の地域に無駄に税金かけて道路を作っても意味がない。日本が海外でできることはODAで橋を作ることや高速鉄道輸出だけではないのだ。



ラノーン パヤム島行ボート乗り場 ナウワーピア スピードボートはここから発着、スローボートはその時の積み荷によってここになったりタイカクピアになったりする。


クラブリー川河口汽水域

8:47 2019/12/16
タイ時間
今ラノーン行のスローボートに乗って海風に当たってパソコン開く。乗客は4人だけ。スピードボートはあの小さい船に30人は乗って満員状態で15分おきくらいに出発していた。

各社30分おきだが数社あるので実質15分おき。この200Bのボートも1日3便になったようだ。パヤム島8時半、14時、15時発。

ロングビーチから港まで4キロ以上あるので7時に宿をチェックアウト。ジャングルロードを歩いて港へ向かう。半分くらい来たところで連日利用していたジャングル食堂の不愛想なおじさんがバイクで追いかけてきて後ろに乗れという。ジャングル食堂横切るときにおばちゃんに「じゃあね」と挨拶したので、歩いて港に向かう私を不憫に思ってわざわざ追いかけてきてくれたのだ。それを断るのも悪いので乗せてもらってあっという間に港に着く。

ジャングルロード4kmは地元の人でも歩く人はほとんどおらず。皆バイクで移動する。歩く私に地元の方が「後ろに乗ってけ」と好意で声をかけてくれることしばし。リボン島の時もそうだった。バイタクでないのでもちろん無料。こっちは節約もあるが海外旅行ダイエットのためにあえて歩いているんだが。2km歩かずに済んだ。おじさん送迎ありがとう。本当は足のサンダルずれが痛かったんだ。今船は快適にラノーンを目指す。風が心地よい。乃木坂の自己チューで行こうがしみる。



タイカクピアのパヤム島行スローボート


パヤム島船着場のスピードボート

ラノーンで日本円両替

13:52 2019/12/16
タイ時間
ラノーン市内の地元ホテルの快適窓際部屋1泊280Bで天井ファンに当たりながらパソコン開く。さっき市内の銀行歩き回って一番ましなレートだったクルンスリバンクで2万円両替する。手持ちのバーツが少なくなっていたがこれでしばらくもつ。

今の宿最安は240Bなのだが、カビ臭い独房だったので280Bの風通しのいいベランダ付きの部屋に代えてもらう。Wi-Fiがないがそれなり快適。セブンイレブンのアイスカプチーノがうめえ。


ラノーン 2019年12月16日(月) 晴時々曇 旅18日目

出費詳細
ラノーンスローボート200 市内4番ソンテウ15 フライドチキン25 カウニャウ5 ビッグコーラ10 2品盛り定食40 トマト1kg 35 アイスカプチーノ中18 ハーダウチキン23 カーウニャウ10 ソムタム30 325ml缶ゼロコーラ15
宿泊代
ホテル 280 THB
合計

706 THB( 2,541.6 円)

1円 = 0.27635 THB /1 THB = 3.6186円 2019/12/14 6:55
 1バーツ=3.6円で計算
クルンスリバンク2万円両替 5,442THB(0.2721)

ベランダのある快適宿

9:59 2019/12/17
タイ時間
昨日パヤム島から戻ってラノーンで快適安宿生活。1泊280B だけどベランダあり洗濯物が干せる。独房でなくかび臭くないので少し宿泊するかも。昨日は曇りがちだった天気もまた雲一つない快晴に逆戻り。

ラノーンって雨の多い地域のはずなんだけど。基本乾季に来ればタイは晴れる。宿にWi-Fiないので近くの欧州組向けのホテルのWi-Fi使わせてもらって転送。金とられないみたい。日焼けで疲れてるし虫刺されかゆいし。ラノーンで少し休養中。菓子パン5個で20B。ハーダウの揚げ餃子25Bがうめえ。今気温32℃。


ラノーン 2019年12月17日(火) 快晴 旅19日目

出費詳細
弁当2つ40 餃子25 ゼロコーラ缶15 菓子パン5個20 アイスカプチーノ中18 水泳用ゴーグル20 蚊取りスプレー69 餃子25 カウニャウ10 ゼロコーラ缶15 ソーセージ2本10 夜食ツナサンド10 6.5 缶コーヒー10 牛乳12.25
宿泊代
シンタウィホテル 280 THB
合計

585.75 THB(2,108.7 円)

1円 = 0.27635 THB /1 THB = 3.6186円 2019/12/14 6:55
 1バーツ=3.6円で計算


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パヤム島船着場の私が今日乗ったスローボート200B


古い情報だと1日1本となっているが19年12月16日現在1日3本。350Bスピードボートは数社運行なので15分おきに出ている。

インド洋トップ
1205 ラン島行き方
1206 パタヤ格安滞在
1207 パタヤ格安バス
1208 エアアジア国内線
1209 ラノーン空港
1210 パヤム島行き方
1212 パヤム島滞在
1214 ロングビーチ
1216 クラ地峡運河
1218 ラノーン温泉
1219 クラブリー
1220 スリン島アクセス
1221 スリン島テント滞在
1222 スリンボートツアー
1224 スリン島脱出

びー旅公式動画
YouTubeおとちゃんねる


パヤム島船着場のスピードボート。数社で30分おきに運航しているので15分おきに出入りしている感じだった。


 現在宿泊中の部屋の
 ベランダからの眺め


 タイのわんこは自由だ。


 ソンテウ乗車中


パヤム島船着場のチケット売り場。バンコクやプーケットに一括手配できる。


待ち時間に朝飯


船内で日記書く


船内でポテチ


信号待ち


トマト1kg35B。1個10円。


2品盛り40B。右の野菜は無料食べ放題だが調子にのって食べ過ぎると翌日下痢する。


ハーダウ(タイ語で5つ星の意味)という現地フライドチキン屋に餃子25B発見。揚げ餃子だがこれが結構うまい。たれも酢醤油で日本風。注文時は「ギョウザ」ですむ。「ジャオズ」ではない。でかめフライドチキンは23B。ハーダウはカンボジアのモンドルキリにもあった。


カンボジアモンドルキリ州センモノロムのハーダウ(ファイブスター)。ミャンマーやラオスにも進出中。


この組み合わせ意味なくハッピー。チキンはハーダーウでなく地元店で25Bで買う。


ハーダウ(ファイブスター)のチキン23Bとソムタム30B。ハーダウはチキンカツみたいなパン粉のころもが少しついている。


船着場からマーケット前まで乗ったのは4番ソンテウ。港でなく大通りまで出て拾ったので帰りは15THBだった。コラートとかソンテウは8Bなので南部は物価が高め。


現在宿泊中の部屋


トイレがこれだと難易度高い。別にトイレットペーパー使ってもいいんだけど。


手動ウォシュレット。トイレにこれがあれば助かる。上の洗面器方式だと腹が出てるとグキッ、いててとなる。


ラノーン市場の八百屋さん


ファイブスター(ハーダウ)の揚げ餃子25THBは串にささっている。



クラブリー川河口汽水域のラノーン港付近


ラノーン港 Tai Kak Pier




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