乾期のきらきら快晴ランブトリ通り バンコク
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南国海外移住は天国?
13:42 2024/05/21
私は毎冬南国に長期旅に出る。そんな頻繁に長期の海外に行くのなら現地に移住しないの?の質問をたびたび受ける。答えは単純一択。移住はしない。理由も単純。1年の半分が雨期になるから。
海外移住。特に物価の安い南国への移住は一見バラ色に見える。青い空にきれいなサンゴ礁ビーチに南国フルーツ。しかしその裏には見えにくいデメリットが複数ある。現地で長期生活しないと見えてこない面倒だ。治安?言葉?いやいやそんなことではないのだ。
ピピドン島ロングビーチから見るピピレ島 2024年2月28日
私が移住を選択しない理由
私は大多数の一般的な日本人旅行者と違い、円安物価高の今でも、先日実証した通り、現地でホテル代込1日1000円以下の格安生活が可能で、タイ語もクメール語も一般的な旅行者よりはましに話す。ベトナム語やミャンマー語やタガログ語は赤ん坊レベルだが。そんな私でもタイ、マレーシア、フィリピン、東南アジア諸国への移住の選択は全くない。理由はただ一つ。半年続く雨期があるから。
雨期のビーチ カンボジア シアヌークビル
コロナ以前は堅調だったマレーシアなど東南アジア諸国へのシニア層の移住が激減しているらしい。円安に重なって、都市部のコンドミニアムなどの価格高騰が原因とのこと。日本は来年2025年GDP
がインドに抜かれて5位になる。消費者の可処分所得に直結する1人当たりGDPの下落はさらに激しい。日本の国力が減退する中、日本の貧困層とタイやマレーシアなど新興国中間所得層の可処分所得の逆転が起きて久しい。新興国移住での物価の恩恵が減っている。
確かにその一面もあるのだろうが、それ以外に1年の半分が雨期、半年間は南国のイメージから程遠い残念なドン曇り生活環境という事実が浸透していった側面もありそう。かの国への渡航者が増える一方で、旅行会社や現地不動産会社の「大丈夫、雨期でも夕方スコールがあるくらい」がタイやマレーシア、フィリピンでは間違いであることが広く知られるようになったともいえる。
プノンペンチュロイチャンバーエリアの高層ビル群2024 中国資本で建ったコンドがカモ待ち状態。
パンボチェ(標高3985m)の僧院 ネパール पाङ्बोचे बौद्ध बिहार
半年続くドン曇りの雨期
1年の半分が雨期で晴天南国イメージから程遠いドン曇り環境という事実。どんな豪華な住環境で暮らそうと窓の景色が毎日鉛色。外出ても灰色の空なら悲しい。それが半年も続くのだ。そこそこリテラシーの高い方なら移住する前に確認できること。移住してから知ってこんなはずじゃなかったとなるのはあまりに痛々しい。
一方で日本の冬の時期、タイやマレーシアなど北半球の東南アジア諸国は乾期になり、まさに旅行パンフ写真にある南国イメージの連日快晴。日本が氷点下になる時期に最高気温30℃越えになるのでその部分は天国になる。寒いのが苦手な私には涙が出るほどありがたい。現地で格安旅行が可能な私には今の円安物価高も関係ない。
なので私は日本の冬を避けて現地へ乾期の間だけ渡航する。タイやカンボジアに雨期がやってくるころ日本に春が来るので、その時期を見計らって帰国する。雨期の間に現地に滞在する気は全くない。その理由は現地で雨期を体験した方ならわかると思う。
バンコクの雨期のドン曇りの例 ランブトリ通り
コラートナイトマーケット 観光客は私だけ。完全地元民向け。
Booking.com
移住や長期滞在で生じる「望郷」
3泊4日の乾期バンコク旅行では「まだ帰りたくない」となるのはわかるが、3カ月超える長期旅だと人によっては「早く日本に帰りたい」モードになる。たぶん現地に3カ月以上滞在しないと感じることのできない感覚だ。乾期の3泊4日のバンコク旅行での、まだ帰りたくないモードのまま移住を決めると3か月後にやってくる「早く日本に帰りたい望郷モード」が生じた時移住者の方はどうするのだろう。私の率直な疑問だ。いったん移住した後にやっぱりやめたとするには時間的にも金銭的にもそれに伴う労力もかなり大きい。
心身共に健康で、言語習得も難しくない若者世代ならともかく、シニア層ともなると言葉の問題以上に健康面の問題もある。現地語どころか英語すらままならない状態で、認知症やがんや透析が必要になった場合など望郷ではすまない気はする。また現地の方には何ともない常在細菌、ウィルスも、それらに免疫のない日本人には、さらに抵抗力の衰えたシニア世代には深刻な状況を招く。無縁なので詳細不明だが、日本の公的健康保険のきかない現地の医療費はかなり高額だと聞く。参考までに私はバンコク郊外ミンブリのセリラック病院で3度目のコロナワクチン受けたが、それは無料だった。
乾期のバンコク
乾期のカオサン通り
海外移住の盲点 高い物価で半年の雨期
現地への移住や長期旅行は甘くない。気力も体力も衰えた年齢層向けでなく、まだそれら難題を跳ね返す元気のある世代向けなのだと個人的には思う。
現地語どころか英語すらままならない状態で、バンコクやクアラルンプールやプノンペンなど都市部の高層コンドで生活すれば、現地庶民物価結界に到達することはまず不可能。あらゆる面で日本と同じかそれ以上の現地の中間所得層物価が適用される。現地庶民物価の恩恵を受けることはまずできない。その状況で6カ月のテンション激低ドン曇り雨期を過ごすなんて私にはとても考えられない。事業のためとか節税のためとかの目的ほかにあるなら別だけど。
夜のクアラルンプール ブギッビンタン
タイに行けば格安旅行ができる?
先行LCCのエアアジアのバンコク便が高騰。その傍ら後発LCCのセブパシフィックやベトジェットが客寄せで格安プロモをたまにちらつかせる。なのでそれらを利用して格安求めてフィリピンやベトナムに行く旅行客も増えている。
先日「格安LCCでフィリピン行っても、格安旅行ができない。タイで簡単そうに格安旅行をしているのでタイに行けば格安旅行できるのか?」と問われる。いやいや、IMF2024年1人当たりGDP、フィリピン128位、ベトナム124位、タイ92位なのでこの数字だけ見ればタイのほうが物価が高く格安旅行は難しいのだ。タイよりずっと物価の安いフィリピンやベトナム(IMF2024年1人当たりGDPのデータではそうなる)で格安旅行ができないのならタイではもっと格安旅行は難しい。要は庶民物価に到達できるかどうかなのだ。現地語どころか英語すらまともにしゃべれない状態で旅をするとか、高額なツアー会社の言いなりになっているとかでは、高額な旅行者物価結界に取り込まれてそこでぼられまくるというだけなのだ。
羽田空港第3ターミナル
びー旅つぶやき 日々の日記
14:17 2024/05/21
2024年IMFのGDP、ドイツに抜かれ日本4位に。来年2025年にはインドに抜かれて5位になる見通し。コロナ前にはインドに抜かれるのは10年後と言われていたのにあっという間の衰退。
それより気になるのは2024年日本の1人当たりGDP38位に転落。35位韓国、34位台湾よりも低い。円安だけでない深刻な落ち込み。人口減による国力低下。庶民が消費税と物価上昇に苦しめられる。GDP4位なのに1人当たりGDP38位が日本の闇を際立たせている。庶民から搾取した税金巨額かけて大阪万博(既得権益者の自己満足イベント)やっている時ではないのでは?と思う。
日本全体が衰退しているかと言えばそういうわけでもなく、一方で日本企業の収益最高で内部留保が膨らみ続けている。国民3分の1の既得権益者の裕福な暮らしのために残りの3分の2の庶民が苦しめられる構図になってしまっている。トリクルダウン機能しないのなら、内部留保に課税してその分でベーシックインカムに回すような荒治療必要なのではないのか。政治家が経団連の言いなりになっている限り今の日本の衰退は止まらない。子育て支援じゃない。なぜそんなピント外れなことをやる。いったん生まれれば金などなくとも子供は育つ。もっと前の段階だ。3分の2の庶民、既得権益層の外にいる若い世代に金が回らなければ少子化は止まらない。
マッターホルン ツェルマット拠点に個人トレッキング スイスの物価は高いがツェルマットの物価は特に高い。