本文へスキップ

バニラエア 日本国内線LCC合戦の裏

びー旅ロード123 バニラエアとエアアジアジャパン

ANA系新LCCバニラエア 日本国内線LCC合戦の闇を暴く

バニラ・エア ANA系日本国内線新LCC就航の裏側Vanilla Air


前へ        成田空港        次へ

びー旅ロード関連コラム
エアアジアはなぜ日本から撤退したか     ANAとエアアジア提携解消裏事情

バニラエア消滅2019

バニラ・エア誕生のヤミを暴く

デンパサール空港のインドネシアエアアジア

2013年9月26日(木)

ANAホールディングスがエアアジアジャパン撤退のあと2013年12月下旬から就航させる100%出資の新LCCの名前が決まった。「バニラ・エア Vanilla Air 」という。

10月26日のフライトでエアアジアジャパンはなくなり(国際線エアアジアXは今のまま継続)、12月下旬にまったく別のANA系新LCCが就航する。事情を知らない利用者は「格安航空会社が2ヶ月の休みを取った後名前だけ変えてまた同様のフライトが再開する」と誤解されがち。

エアアジアジャパン消滅のあと間髪をいれずに新LCCを就航させるANAホールディングスの狙いはまさにそこ。エアアジアが作った流れの勢いが止まる前に、エアアジアが名前だけを変えて後は何も変わらない状態で同じものが再出発すると利用者に思わせること。



ガーナ トーゴ国境 アフラオの1泊800円のホテルからの眺め


しかし実態は全く違う。12月に就航するバニラ・エアはエアアジアとは水と油のまったく別のLCCだ。どう水と油なのか?簡単に解説。

エアアジアは「利用者が得をする航空会社」で、バニラエアは「航空会社が得をする航空会社」。

フライトの利用者1人当たりの客単価(旅客運行コスト)は50年前と比べると劇的に下がった。1960年代ハワイツアー50万円、現在換算300万円は今や伝説の笑い話だ。

利用者数が増え、航空機軽量化が進み、燃費効率も良くなり、インターネットを活用しての発券や搭乗システム運用で今までの無駄も激減。それに伴い中間マージンを取る仲買をなくすなどして不要なコストが削減された。その下がったコストを利用者に還元し運賃を下げるのがエアアジア。その分の運賃を下げずに航空会社の利益にしようとするのがバニラエアとその背後に構える全日空。空港や旧態依然の航空行政がそれを後押しする。


ここでごまかされてはいけないことがバニラエアの提示してくる格安運賃席。100席に1席1,000円の席を用意していかにも利用者すべてが1,000円で飛べるような格安アピールするエセLCCも過去にはたくさんあった。我々利用者には航空会社が自己満足でやる一般利用者が実際には利用できない格安席の宣伝などどうでもいい。もっとも重要なことはエアアジアのように本当に多くの人が格安フライトを実感できるかどうかだ。

そのエアアジアの良さの出るアジア諸国で成功している本来のLCC体制だと大赤字になるというのだからバニラエアは「100席に1席1,000円の席」を用意しての大風呂敷宣伝になることは想像に難くない。

ANAホールディングスはバニラエアがうまくいこうがいくまいが、結果的に日本国内線の航空運賃の高値が維持されて、ANA本体に利益があればいいという算段。ANA本体の利益を圧迫しない程度でなら生かしてやってもいいが、そうでないなら傘下の国内線LCCなど2社も必要ない。つまりはつぶれることも視野に入れての、いやつぶれてくれたほうがいいというスタンスでのスタート。使用機材をリースにしたのもその辺の事情からか。


この予言は6年後に現実に バニラエア消滅2019



バニラエア就航とエアアジアジャパン消滅の裏

安くておいしいものはあってはならない。安いものはまずくなければならない。安くておいしければ高くてさほどうまくもない「本体」がつぶれてしまうから。つぶしていいのは安くてまずい「新LCC」だけという考え。

エアアジアフライトは利用者にとって「安くておいしいもの」だ。今までとは比較にならない格安運賃で快適に目的地に行ける。それは私自身が何度も経験している。

なのでエアアジアが他国で展開している本格的なLCC手法で国内線、たとえば羽田~大阪などの人気路線に浸透してしまえば、ANA国内線は今のような高い料金で対抗することができない。

それがわかっているので利用者に「安くておいしいもの」として定着する前、LCCノウハウを吸収したらさっさと追い出してその路線を頂戴するにいたった。そして13年12月のバニラエア就航に至る。ビジネス手法としては実にお見事。



リオのカーニバル 夜明けのサンボドロモ

Booking.com

そして追い出してのっとったあと、これからは「安いほうはおいしくない」という自作自演が始まる。

つぶれることを視野の上で… ひょっとしたら最初からつぶすつもりでの?まさに茶番劇のスタート。今エアアジアジャパン路線をピーチが引き継げば誰が見てもあからさまなのっとりだが、つぶれた後ならピーチが自然に路線をいただける。

さらに「バニラエア」という名前がANAホールディングスのLCCに対する姿勢を象徴している。さまざまな背景を知った後だと「LCCを利用する利用者はその程度」という雰囲気ぷんぷんだ。路線をピーチに引き継がせるつなぎのLCCならそれで十分ということか。



ガーナ アクラ ジェームズタウンのビーチ

スカイマーク、エアドゥが漁夫の利

スカイマーク就航当初1999年頃は大手航空会社の攻撃ターゲットはスカイマークやエアドゥだった。当時「新規参入組の低価格運賃の前後フライトだけ安く設定して客を奪い、赤字撤退したらもとの高値に戻す」などのこれまた気分の悪くなるお見事なビジネス手法が用いられた。

しかし今はターゲットがエアアジアなどの海外本格LCCに向かっていっぱいいっぱいで相手にする余裕がない。結果、大多数の利用者が本当に望んでいる低価格フライト需要のおいしいところをかっさらっている状態か。

今後ジェットスターが一人勝ちの独壇場になりそう。ピーチも海外LCCを表面的になぞっただけのLCC。旧態依然の体質から抜け出せてはいないのでボロが出てからの衰退も早いように思う。


(旧?)エアアジアジャパン釜山線、名古屋路線撤退。一定以上の搭乗率が必要なLCCで無理やり飛べば、赤字になると最初からわかっている路線をエアアジアジャパンに飛ばせたのは「やっぱりだめだ。こんな搭乗率しかない」のだめだしの数字が欲しかったからなのか?その役目はたしたのでバニラエアでは早々撤退。

就航していない航空会社が撤退というのも実に今回の茶番らしい展開。成田~関空を飛ばせないのも似たような理由からなのだろう。もともとLCCフライトは成田~関空のような人気路線の大量旅客輸送にむくものなのに。

国内線なのにわざわざ拠点を羽田でなく成田にし、成田の深夜門限で実質的な運行妨害をし、それらの制約のないピーチの搭乗率と比較するのもおかしな話だ。この頃から既に茶番は始まっていたともいえる。



西アフリカ ガーナ アクラ かつての奴隷海岸 下はサハラ砂漠上空1万mから見る植物プラント


もし仮に羽田~大阪でエアアジアが飛べば、ANAは客を奪われドル箱路線での大幅な運賃値下げを余儀なくされる。海外本格LCCで経営体力があるので、99年にスカイマークに使った「前後フライトだけ安く設定して客を奪い、赤字撤退したらもとの高値に戻す」の類の手法も今回は使えない。そういう経緯で今回のお見事な手法でエアアジアを追い出し、その路線をそっくりいただいて無事バニラエア就航にいたる。

私は格安旅行愛好者で少しでも安ければその移動方法を選択する。しかし多分私はどんなに安くてもバニラエアには一生乗ることはない。


確保できない見せ掛けだけの格安運賃

安くていいものに勝ち目がないのでそいつを追い出してそのあとに安かろう悪かろうのLCCを自作自演で作り上げる。100%ANA子会社だからこそできるほほえましい状況。

そしてその自ら作り上げた安かろう悪かろうの競争力のない相手をうちまかし「日本の空にはLCCは似合わない」で描いたシナリオどおりの展開。そしてその茶番の行き着くところは運賃値上げ。損をするのは結局利用者なのだ。

2010年頃、まだ海外本格LCCが日本に参入する前の事。福岡に実家のある知人のぼやき。見かけ上は羽田~福岡片道1万円の航空券はあっても実際利用はできない。安く帰郷する方法が航空機では不可能なのだという。そう聞いていくらになるのかピーク時の最高値がどのくらいなのかネットで調べてみた。しかし最安値はすぐに検索できるがピーク時の料金がいくらになるか検索してもなかなか行き当たらない。しかたなく知人から直接聞いてようやくその料金知る。2010年当時で羽田~福岡往復約8万円。



往復10,160円のエアアジアプロモ成田~福岡往復便 13年9月26日検索



その後2012年にはいって、エアアジアを含む海外本格LCC参入がその殿様商売料金を打ち砕いた。その潮流は今も続いて誰にも止められない勢いなのだが、一方でその状態に少しでも戻そうと必死のもくろみがLCCバトルの裏で展開中。しかし国内線短時間フライトに付加価値をつけて高値にしようとすること自体に無理があるような気はする。



ウユニ塩湖 ボリビア


びー旅ロード関連コラム
エアアジアはなぜ日本から撤退したか     ANAとエアアジア提携解消裏事情

バニラエア消滅2019

●びー旅つぶやき 14:52 2013/12/26

国際線エアアジアX、エアバス社とA330-300を25機購入契約締結。機体の引渡しは2019年まで順次。すべて導入されるとエアアジアのA330-300は57機となる。

KLやDMKから経由便で米国へのフライトも検討されているとか。羽田(成田)経由でグアム?ハワイ?ロス?親分の顔色うかがうバニラのグアムより、こちらのほうが実現は早いかも。

ドンムアン~日本は羽田でなく成田発着に追いやられるようだ。今後羽田の利用価値が上がり始めたので?とにかく利用が不利になるように設定されるように思えてならない。それでも最終的に判断をするのは利用者だ。

バニラに権益のからむ関係者が乗ってくれるのもせいぜい最初の1ヶ月。エアアジアのやり方では赤字になるといっておきながら実際就航して目新しい仕組みは何もなし。予約サイト見たが「LCC利用者は所詮この程度」感があふれていてらしさ全開。「エアアジアのレベルのシステム作れなくてこうなりました」というふうにも見える。安かろう悪かろうの自作自演開幕。



●びー旅つぶやき 10:58 2013/09/25

13年9月28日よりエアアジアがクアラルンプールからモルディブのマーレに就航。週4便火木金日クアラルンプール発。日本からのフライスルー便はまだないので日本からエアアジアでモルディブに行くには自力での個別予約が必要。KL~マーレ燃油込プロモ片道399リンギ。30円計算で11970円。これまでのようにトリバンドラム(ティルバナンタプラム)まで行って現地フライト利用する必要なくなった。

マーレの宿は安いが、リゾート感皆無なのでトラギリ(写真右上)などの格安リゾートをマーレのツアー会社で現地予約するのがモルディブ格安滞在のコツ。リゾート島ホテルを安くするにはマーレ島の裏通りにある地元系ツアー会社を利用する。空港島のツアー窓口に安いものはないので面倒でもマーレ島まで行った方がいい。現地手配でも1泊12万円の宿があるので注意。

またモルディブに日本から個人予約しようとするとぼったくりマンが間に入って高額手数料取るので、マーレ島で現地自力手配(英語で可)が難しいなら、無理にエアアジア利用して個人で行くより日本からすべて込みのツアーにしたほうがかえって安くつく。



スラウェシ島 タナトラジャ

●びー旅つぶやき

8:35 2013/09/19
日本からの南米航空券に異変。エスタ不要のエミレーツ、ドバイ経由のリオデジャナイロ航空券が往復59,000円(燃油税別)で登場。

米国経由しない大西洋横断ルートでの南米入りなのでESTAも米国出入国税も不要。今までは米国経由せねば南米行けなかった状況が変わる。14年3月14日まで限定らしい。詳細はこちらへ 写真右はブラジルマナウス郊外アマゾン川ツアーで撮影のネグロ川。

9:14 2013/09/16
台風18号でエアアジア欠航。台風によるエアアジア欠航の対処法はこちらに紹介。去年の台風17号による欠航と代替便確保の実録。私の場合、代替便確保に成田まで行く必要はなかった。


122. マナド空港    びー旅ドットコム    びー旅ロード2013    124. 海外旅行とATM
このページは びー旅ロード 123. バニラエア







最近のびー旅ロード

びー旅ロード2013トップ

116. シリア個人旅行
117. エアアジア日本撤退
118. 豚足定食 バンコク
119. アユタヤ格安現地ツアー
120. アンボン個人旅行
121. マカッサル空港
122. マナド空港
123. バニラエア
124. 海外旅行と海外ATM
125. ネパールに安く行く方法
126. エアアジア追加申請
127. LCCの間違った乗り方
128. エベレスト街道2014
129. プードゥーセントラル
130. カオサン10Bラーメン
131. メーソット・ミャワディ国境
132. カレン族
133. シンガポールに安く行く



成田空港のチェックイン機



UAでオンラインチェックインを自宅で済ますと列に並ばずに済むがふきっさらしのカウンターでのチェックイン。荷物預けるだけ。



オンラインチェックインが済んで手元に搭乗券があるのになぜか厚紙搭乗券を持たされる。これではEチケットの意味がない。



KLIAのマレーシア航空。エアアジアとの共存がうまくいっている。なによりマレーシアやインドネシアでは空港も国もエアアジアフライト受け入れ態勢が万全だ。



ラオス デット島


ペルー ピスコの海岸線


エンジェルフォール



ポンジアスカル フラメンゴビーチ リオデジャネイロ



ニカラグア コーン島



コモドドラゴン コモド島



10月26日に消滅するエアアジアジャパン成田~福岡往復10,160円の例 13年9月26日検索 エアアジアは用意されているプロモ席の数が多くプロモ料金が確保しやすい。盆暮れ正月のピーク時にあまり料金が跳ね上がらないのも特徴。

極悪LCCではプロモ席の比率を低くしてその宣伝効果だけを利用する。



タイのフルーツ屋台


冷えたスイカ10B(30円)
日本じゃ高くて食う気せん


マンゴ1個20B(60円)


バンコクスウェンセンズのパフェ。バンコクだと金髪おっさん一人でのパフェ食い違和感なし。60B。


イオンカード(WAON一体型)
海外ATM利用にはVISA・Master提携カード必須。年会費無料。電子マネーWAON一体型カード





びー旅ロード2013トップへ