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エアアジア日本国内線撤退 エアアジアジャパン10月31日消滅

びー旅ロード117 エアアジア日本国内線撤退

エアアジアはなぜ日本国内線から撤退するのか?

エアアジア日本国内線撤退 10月ピーチ成田就航 全日空LCC戦略の闇All Nippon Airways AirAsia


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エアアジアはなぜ日本国内線から撤退するのか

17:06 2013/07/29
エアアジアジャパンが2013年10月31日でなくなる。1ヶ月の空白後12月からANA系新LCCがエアアジア路線を引き継ぐ。12月からエアアジアの運行していた成田発の国内線路線は復活するが、復活するのはエアアジアではない。ANA系の新LCCだ。

羽田発着国際線エアアジアX(画像下)は現状のまま運行される。ANAは49%のエアアジア保有のエアアジアジャパン株を買い取り100%ANA子会社とした後、現存のエアアジアジャパン体制、従業員やエアアジアジャパンが利用していた設備はその新会社に引き継ぐという。

エアアジア、世界で成功、日本で失敗。引き継がれたANA系新LCCの行き着くところは運賃値上げ。この日本流は世界に誇れるのか?そしてこんなANAのLCC戦略は利用者に受け入れられるのだろうか。

ニュースとして出回るエアアジアジャパンへのだめだしは以下の様なもの。ネット予約が日本になじまなかった。旅行代理店ではなく直接販売にこだわった営業戦略のミス。日本でのエアアジアブランドの認知度の低さ。それらが原因で80%の搭乗率を目標としていたが60%台という低い搭乗率が続き累積赤字が膨らみ続けた。このだめだしをしているのは日本(ANA)側なのに、なぜANA側からでなくエアアジア側から提携解消を申し出るのか。さらにそんな儲からない会社をなぜANAが引き継ぐのか。


エアアジアジャパンがなくなる理由を公のニュース等でひととおり説明を受けても「何で?」と疑問が残る。すっきりしないエアアジア日本国内線事実上の撤退。

そして全日空(ANA)という巨大企業相手に誰もはっきりとはいわないが、この状況で浮かび上がるシンプルなキーワード「のっとり」。提携を始めたかなり早い段階から(もしかしたら提携を始める前から)LCCノウハウ吸収のためにエアアジアブランドを使い捨てするこのシナリオができていたようにも見える。

このヤミの部分をわかりやすく解説。ANAはここ数年でLCCの日本国内線席捲を免れないと判断し体質が水と油とわかっていながらエアアジアと提携をした。手っ取り早くLCCノウハウを手に入れたかったのだ。そしてエアアジアを日本国内線に就航させて軌道に乗った頃合いを見て、提携解消になるように展開させた。路線をそのまま自分の子会社のものにする「のっとりのシナリオ」を描いていたということだ。これは提携する前からANA側で計画されていたようにも見える。経営主導権はANA側にあるので、赤字になるように運行させることも含めてその辺の舵取りは自在だ。

「2013年3月19日、ANAは航空機リース会社AWASよりLCC用A320新造機を3機リース決定を発表」
参考ページ:FlyTeam 2013/03/20 

エアアジアとの提携解消(発表は6月25日)はかなり前から仕組まれていた証拠。ANAのような巨大組織で今まで取引のなかったAWASとのリース契約にいたるには時間がかかるのが普通。この事実はリース決定(平たく言えばのっとり計画)はANA内部でかなり早い段階で決まっていたことを示している。


乗っ取りシナリオのその後 びー旅ロード225. バニラエア消滅2019


クアラルンプールLCCTの国際線エアアジアX A330-300

「エアアジア・ジャパンが、2013年第一四半期に、6700万マレーシアリンギット(約21億円)もの赤字」 FOX BUSINESS

一方で、エアアジア(AXM)は6月19日、英国の調査会社スカイトラックス社の2013年「ワールドエアラインアワード」で、「ワールドベスト・ローコストエアライン」とアジア地域の「ベスト・ローコストエアライン」を5年連続で受賞した。このスカイトラックス社の「ワールドエアラインアワード」は航空業界で最も権威ある賞なのだそうだ。

参考:Aviation Wire 2013年6月22日


クアラルンプールLCCT A330-300 国際線エアアジアX

日本国内線で赤字を出し続ける極悪LCCがなぜ「ベスト・ローコストエアライン」になるのか。もっと端的にいえば日本以外で利益が出て、なぜ日本だけで出ないのか。

タイやインドネシアで誰もが普通にしているネット予約をなぜ日本人だけができないのか。できないことにしておけば販売手数料で儲けることができるのでそういうことにしたいだけなのではないのか。

以下参考になる数字。営業利益率 ANA 6.87%(2012,3) , JAL 17.00%(2012,3), エアアジア 26.22%(2011,12)。

「エアアジアが苦戦して赤字を出し失敗して撤退。問題があったのはすべてエアアジア側」。ネット上に出るニュースを表面的に読む限りそう見えるが私はそうは思わない。


赤字を出すエアアジアジャパンの経営主導権はANA側にあった

エアアジアジャパンの出資比率は、議決権比率で全日本空輸が67%、エアアジアが33%、無議決権株式も含めると全日本空輸が51%、エアアジアが49%。これは表向きエアアジアという看板だがその実質的な経営主導権はエアアジアではなくてANA側にあるということだ。ちなみにJALとジェットスターの関係では経営主導権はジェットスターにある。

エアアジア側が望む他国で成功しているLCC本来の体制に持っていこうとせずにコストのかかる旧態依然の経営で、赤字になるような体制で運行させていたのはエアアジアジャパンの実質舵取りをしていたANA側なのだ。他国のLCCフライトではありえない余計なところで金を使いまくって赤字が出るのは当然のことだ。さらに突っ込んでいえばANAには「やる側だけが求める自己満足サービス」をなくしてコストを削減することができないのだ。

エアアジアCEOのトニー・フェルナンデス氏が今回の提携解消についてこう語っている。「現状は不満だが撤退はあり得ない。国内線の需要が大きい日本は東アジアで最も魅力的な市場」(2013年6月8日日本経済新聞電子版)この言葉がエアアジア側が日本撤退を全く望んでいないのに事実上の撤退をせざるを得ない状況であることを物語っている。


一方ANAホールディングスは…
共同事業解消後についても、引き続き成田を中心としたLCC事業を継続します。(ANAホールディングスリリース)

…とのこと。エアアジアジャパン撤退とは直接関係ないが10月から関空~成田をピーチが飛ぶらしい。エアアジアが就航当初からこのドル箱路線を飛んでいれば搭乗率はかなり変わっていたはずだ。

私が日ごろエアアジア(主に日本以外)を利用して、やはりエアアジアが特別だなと思うのはエアアジアは他のLCCを3歩引き離してそのLCCスタイルの最先端を独走していると感じるためだ。

「ベスト・ローコストエアライン」をライアンエアでもなくジェットスターでもなくピーチアビエーションでもなくエアアジアが取るのはそれなりの理由がある。海外の既存LCCを真似ただけの日本式LCCに先進性があるのではなく、ただ単にLCCというものに対して日本が、そして日本人がタイやインドネシアより遅れているだけなのだと素直に認めるべきだと思う。

「機内サービスなんてどうでもいいのでとにかく安くそこに行ければいい」というタイプのフライト利用者にとっては最適の移動手段。快適さにも問題は感じない。安全性でも今のところ大きな問題は起こしていない。利用者の要求していることに真正面からこたえてくれている。電車に乗るよりフライトに乗るほうがずっと多い状態になると、多くの利用者は「サービスよりも料金」となるのは自然な流れだ。飛行機にはめったに乗りません、海外旅行は一生に一度ですという利用者は今後多分減っていく。約束を守れない遅刻客やキャンセル客、ごねて得をしようとするクレイマーのために、まともな客が余分に金を払う仕組みはやはりおかしい。特権階級待遇に何の価値も感じない利用者も少なくないような気もする。

今回のANAのエアアジア国内線のっとりはそういう流れに逆行するやり方だ。ANAホールディングスはエアアジアをどこか見下している。しかしフライトスタイルを決めるのは航空会社でなく利用者なのだということに気づくべきだ。この一連の提携解消騒動で最終的に損をするのはANA側なのではないだろうか。



クアラルンプールLCCTのインドネシアエアアジア A320-200

関連リンク
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びー旅ロード225. バニラエア消滅2019


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●びー旅つぶやき 0:04 2013/08/20


機内食総選挙に客室乗務員の社員化。イベントをショーにして何かに追い立てられるように必死なイメージ戦略展開する全日空。しかしエアアジア提携解消の裏を知ると何をしようとどれも偽善に見えてしまう。なぜ今イメージアップ戦略?それは12月の新LCC就航に備えて、今現在裏でイメージを損なうようなことをしているしているからなのではないのか。

エアアジア日本国内線撤退を取り上げ、「ああいうスタイルのLCCは日本の空になじまない。日本の航空業界も航空行政もそういうものだから仕方ない」で終わらせるからいつまでたっても大手の殿様商売が続くのだ。不要な自己満足サービスとクルーの安全要員としての一面をすりかえるレトリックも胡散臭さ漂う。よくLCCの安全面に問題があるような何の根拠もない言い回しがされるが、実際にはここ半年で安全面で話題になっているのはLCCでなく、運行中に火を噴く大手の787バッテリー問題だ。

一度倒産しているJALのほうが過去に背に腹は代えられないコスト削減を経験しているのでまだまとも。TVにせよネットにせよ大手メディアのニュースでやるLCC関連情報は底が浅過ぎ。



デンパサール空港 マカッサルから到着のインドネシアエアアジア

●びー旅つぶやき 18:21 2013/07/31


茄子の味噌汁がうまい。今日近くの八百屋でトマト4個150円だった。健康診断、中性脂肪がやばかった。カルニチンとオメガ3脂肪酸飲んでるのに。

自宅周辺地域(東京都目黒区)はここ数日曇の日が続いて若干暑さ和らぐ。日本は水道水の温度が低いので暑い日でも水シャワーは気合がいる。「ひゃっ」となって修行的になる。インドやタイのゲストハウスの水シャワーの気持ち良さはない。

中国、韓国と連日「日本は嫌いだ」のニュースばかり。そんなに嫌われたらそりゃみんなその辺避けてタイやバリ島にいくわな。東南アジアの国々は日本に友好的な国が多い。インドネシアは70年前に結構いろいろあったのになんで中国、韓国のようにならないのだろう。スラウェシ島でもセラム島でも片言日本語しゃべるおじいさんがいてはっとする。彼らは80歳には見えなかったけど。

写真右上はタイ南部トラン駅前。ダイハツミゼットバリバリ現役だが2013年2月の画像。側面にエアアジアの宣伝広告が光る。この広告を見てエアアジアに乗る人はファーストクラスの待遇は求めない。



インドネシア バリ島 デンパサール空港 マカッサル行きエアアジア マカッサルまで片道4500円



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スカルノハッタ第3ターミナルのエアアジア機内



エアアジアジャパン那覇線の機内。台風欠航で翌日の便に無料で変更。ラッキーにもホットシート3席独占する。成田~沖縄片道6,680円。



マカッサル空港 エアアジアA320-200 機内。


LCCTのエアアジア



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