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チェンマイ新幹線 バンスー駅

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チェンマイ新幹線進捗と今後の課題

チェンマイ新幹線Rachaburi

2015年5月27日バンコクバンスー駅発チェンマイ新幹線(距離約670km)が日本製になることが決定。ダークレッドラインのバーンスー~ランシット間の鉄道用高架工事と並行して多数の鉄道インフラ計画、高速道路の延伸計画が大規模近郊都市開発として同時進行している。

このチェンマイ新幹線の成功は、タリンチャン発タイ南部経由シンガポール行マレー新幹線構想など他の高速鉄道計画の受注にもたぶんつながる。しかし日本製台湾新幹線での赤字転落の例にもあるように完成後の運営上の課題は多い。


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バンスージャンクション バンコク郊外都市開発

20:31 2016/11/25

新興国の鉄道インフラの受注は日本にとって大きな利益になる。弱い者いじめの消費税増税よりずっと建設的な歳入になる。独自のノウハウのある鉄道建設はもっと新興国にアピールすべきセールスポイントがあるような気はする。

ただ日本国内でうまくいっている仕組みがそのまま新興国で成り立つとは限らない。台湾で破たんした日本製新幹線の例からもわかる。インドネシアが日本製案から撤退した背景には台湾の例が影響していると見るのが妥当だ。




新興国の高速鉄道は「そんな値段じゃ誰も乗らねえよ」となりがちな開通後の乗車料金設定のジレンマがある。制作側の誇るどんな便利な最高の技術の高速鉄道も一般庶民から支持され使われなければ未来がない。1人あたりのGDPが台湾よりずっと低いタイで、今日本でやっているようなLCCより高い乗車料金での運行は不可能だ。日本で現状の新幹線の運営が成り立つのは東京~大阪往復28000円の運賃が成り立つ極めて特殊な背景があるからなのだ。





新興国にそれを望んでも破たんは自明だ。誰も乗らない高速鉄道は赤字経営となり、導入した新興国自身が苦しめられる結果に終わる。そういう例が前例にあると「素晴らしいけど無理」と後続に拒否されるのは当然のことだ。先日のインドネシアの日本案拒否の背景にはそういう流れがあると私は思う。

チェンマイ新幹線は台湾新幹線の二の舞になることはなんとしても避けなければならない。新興国の一部のお金持ちクラブより、大多数の庶民に歓迎され、利用される高速鉄道でなければならない。以前からこのサイトで指摘しているとおり、今日本に求められているものは「最高の技術」ではなく「最高のコストパフォーマンス」なのだ。そしてタイの一般庶民の向こうには、何十億人という新興国、途上国の人々が日本の技術を待っているのだ。






この辺は近郊鉄道の路線と重なる。

バンコク~チェンマイ新幹線

バンコク・チェンマイ新幹線が2015年5月27日、日本製になることが両国間協議で決まった。2013年4月ころはこの高速鉄道は「バンコク~ピサヌロークが2018年~2019年の開通、チェンマイまでその2年後開通を予定」といわれていたが、延期、延期、また延期がお約束のお国柄なので不確定要素は多い。

15年中に日本側からの調査団がタイ入りして来年2016年着工の予定…とのことだったが、16年11月24日現在ランシットの先での大規模工事が確認できたので予定通り工事は始まっているようだ。都市部以外では地平線まで延々広がる大地なので工事は早いように思う。タイ平野部の地形は高速鉄道のためにあるような地形だ。




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