◆011 パスポート紛失事件簿 2008年7月26日(土) |
オーチェテルビーチ前 |
2004年12月19日カンボジアのシアヌークビルで実際に遭遇したカンボジアらしい味のある体験談。カンボジアにシアヌークビルというビーチリゾートがある。オーチェテルビーチというのが一番大きなメインのビーチ。そして私はそこの隣の小さなスレンデビティービーチの1泊3$の宿に宿泊していた。
日本人宿?のメアリーチェンダのあるヴィクトリービーチは小さくテンションは低い。とはいえもともとシアヌークビル自体がテンション低くゆるめなのだが。安宿にピンキリあるのは当然の事だが、これは運悪く悪い方の宿に泊まってしまった時の話。ただ安宿=極悪宿というわけではなく、私の少ない経験から判断すればこういうパターンは30軒に1軒くらいか。
オーチェテルビーチ近辺では深夜まで大音響で音楽をガンガンかける悪習が蔓延していてその宿も近くにバーが併設されていて例外でなくとにかく夜大音響の音楽で眠れぬ環境だった。2000年頃はこの辺は静かなビーチだったのに。加えて閉口したのはボロ宿のその3$の部屋が、従業員の控え室のような所とベニヤ板1枚隔てた音が筒抜け状態。
|
従業員のボロカセットレコーダーのクメールポップスと間抜けな歌声が夜10時過ぎに延々響き渡る。深夜3時過ぎにもそのボロカセットレコーダーの大音響に起こされる。
あまりにうるさくて眠れないので朝になって宿を代えようと荷物をまとめていると衝撃の事実が発覚。パスポートがない。これにはあせった。これまで世界中いろいろあちこち放浪しまくったが、これは私にとっても初体験。最初は落としたものと思い込んで宿のおっさんに泣きついた。どこかに落ちてなかったか?と尋ねると「それは気の毒に。私が何とかしてあげよう」的なまことに親切な対応。でもその後、「そのパスポートを見つけた人に君はいくら払うんだ?」と言う予想もしなかった展開のセリフ。その時は「いや見つけてくれるなら10$払ってもいい。何とか見つけてくれ」と素直に好意にすがる。ちなみにカンボジアの物価はものによるが日本の1/10~1/100。公務員の給料が1ヶ月20US$(2,200円)と言うお国柄なので10$は日本の感覚で言うと1万円?10万円?
ただ私のいつもの習性で、なくなったものに必要以上に騒ぎ立てても疲れるだけ…と、一応あせってはいてもビーチで泳いだり、テンションの低い沖の島への1日8$のシュノーケリングツアーに行ったりと普通に緩めのリゾートを楽しんでいた。
そんな風に能天気に楽しむ合間に「パスポート見つかった?」と宿の人間に確認も忘れない。そして今度の返事は「見つけた奴に60$払えば君のパスポートは出てくるかもしれないな」とこれまた予想外のファンキーな言葉。同じ宿の人間からでなく、宿に関係ない兄ちゃんからも全く同じ内容のことを聞いたのでここで少しおかしいことに気づく。さらに「見つけた人に60$払います…の証文を書けば必ず出てくる」のダメだしに確信した。私のパスポートは「落とした」のではなく「盗まれていた」のだ。 |
容積率275%で高速移動 |
|