ボルネオ島 タワウ上空のエアエイジア
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最近マイレージの「特典航空券」いわゆる「ただ券」に燃油追加税がかかるという興味深い話を聞いた。こういうことがまかり通ること自体がこの業界の体質を象徴している。もともとFFP(マイレージサービス)は、「うちの会社をひいきにしてくれたらご褒美としてただで飛行機に乗せてあげますよ」と言うサービスのはずなのに、苦労してためたマイレージを使う段になって、納得のできない一方的な理由を並べられて、いややっぱり料金かかりますって…。「そんなサービスならはじめからやんなよ」と思うのは私だけ?サービスどころか約束違反?お得意様に不快な思いをさせているだけ?こんなことされてまだそのグループのマイレージを貯める気分になるのかな…
さらにその話に引き込まれてしまうのはその燃油追加税の料金。某日系7月でバンコク往復、燃油税だけで4万円?混雑時期と言うのもあるのだろうが、燃油税だけでで最安時期のバンコク行格安往復航空券が買えそう。奥が深いのは同じマイレージのただ券でも燃油税がかからない航空会社もあるということ。ユナイテッド(UA)のただ券はセーバーチケット(2万マイルでバンコク往復できる)でも燃油税はかからない。 |
先日知人がこのセーバーチケットでバンコクただ券手配したらしいが、5月中旬時点で9月まで空きはなく、10月の空いている席と11月の空いている席のある便に自分の日程を合わせてようやく確保したとのこと。それでも実際かかった費用に燃油税はなく、発券手数料25US$とバンコクと成田の空港使用料合計4,350円だけだったそうだ。通常の感覚で「ご褒美のただ券」と言われて納得できる追加料金はこの程度までだろうなと勝手に思う。
バンコク往復「ただ券」は4万マイルが一般的なのでこの「ただ券」は人気があり、用意されている席も少ない。休みを自由に取れる人以外には確保は無理そう。ちなみに知人は既にリタイヤされていての悠々世代。こういうサービスを受けたらたぶんその航空会社のファンになるのだろうなとも思う。これが本来のマイレージサービスなのではないか。
今後、航空券の料金表示はこの燃油追加税を含めた表示に変えていくとのことだが、「それが当たり前だろ」と突っ込みたくなる。今までなんで不当表示にならないのか不思議で仕方なかった航空会社側の一方的な都合に利用者側が泣かされていた状況が、本来あるべき姿に戻るだけではないのか。さもいいことをしている風にアピールすること自体が不自然だ。
2010年開港予定の茨城百里空港にエアエイジア(エアアジア)の長距離路線版エアエイジアXがクアラルンプールから就航を模索しているらしい。燃油税込で東京~大阪間にあたる距離をを3,000円以下(すべての席ではない)で飛んでいるアジアの格安航空会社の元気組み筆頭の航空会社だ。日本にも国内線には燃油税はないが、どちらにせよ特典航空券の燃油税4万円とは全く相反するびっくり料金だ。こういう値段で実際にフライトがあって採算が合っているわけだから、やはり4万円の燃油税に違和感は感じてしまう。
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エアエイジアXがもし就航実現すれば、国内大手がかつてエアドゥやスカイマークつぶしに使った手段は通じない気もする。格安航空会社が躍進している地域では、航空機をバスに乗る感覚で利用する人達が増えている。ボーディングパスもコンビニのレシート状態。一部の上客のご機嫌だけをとって、航空会社にとって耳に痛いその他大勢の顧客の本音を汲み取ることをしない殿様商売が成り立つ時代は終わろうとしている。
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