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びー旅ロード004 「旅行業界」
 ◆004 旅行業界  2008年4月14日(月)  前頁へ   次頁へ


成田空港第一ターミナル北ウィング
私は渡航の機会が多いわりに国内で旅行業者と接することがあまりない。ホテルもゲートとなる国以降の移動の手配も行った先で自力手配するので、国内の旅行業社に格安航空券手配以外でお世話になることはほとんどない。しかし最近、旅情報を公開するようになっていやおうなく「今どうなっているの?」程度に調べざるをえなくなってきた。

日本人の海外旅行者数は毎年増え続けていたのかと思っていたら1996年以降は頭打ちでここ数年も1700万人を越えた所で伸び悩んでいるらしい。海外旅行が自由化された1964年には13万人だった頃から比べればすざましい伸びなのだが、ピークは2000年の1782万人。(日本旅行業協会のページから情報拝借:詳細はこちら)旅行業界といえば右肩上がりの業界と言うイメージがあったのでその辺を知って「意外」と言う印象を持った。ただ下がっているわけでもなく伸び悩みとはいえ1700万人も毎年渡航しているのだからそれはそれで驚くべき数字だ。

ブームは去って定着してきたといった感じか。定着と同時に旅のスタイルの多様化も進んだ。20年前海外旅行といえば、一般的に一部のお金持ちのみが行くものだった。大金はたいてツアーで添乗員さんがついて一生に一度と言う感じだったらしい。その行き方は今絶滅しているわけではないのだろうが、とりあえず現在はそれ以外のスタイルがいろいろ出現している。1700万人渡航者数は繰り返し海外へ行って、現地の言葉をしゃべり、現地の事情にも詳しい旅行者が増えてきていることを裏付けている気はする。そして繰り返し渡航していると個人で行くという方法のほうが楽しくて効率がいいかもしれないということにうすうす感づきだす。

Booking.com

対照的な例として、たとえばタイに来るお金持ち中国人はほとんど団体で旗の後をついて歩く20年前の日本のTVニュース画像そのままの海外旅行スタイルが多い。中国の団体さんにはリュックひとつで往復の航空券だけで旅をするという発想自体がまだないのだ。びー旅ドットコムのサイトで紹介しているタイプの旅を楽しむには、人によっては20回くらいの添乗員付き高額ツアー海外旅行をしてそれがつまらないとわかるまでの猶予期間が必要だったりする。もちろん初回から気づく旅人もいるのだろうが。ただ人や国によっては危険も伴うので両手を広げてこっちへいらっしゃいとも言い辛い。

今マレーシアを中心に盛り上がっているエアエイジアと言う航空会社がある。バンコク-プーケット間片道(約900km)を諸税込み約3,000円と言う値段で飛ぶ格安航空会社だ。一方で政治的根回しや、私設空港をつくるなどして独占路線をつくって、飛行機は金持ちが乗るものと高額運賃を堅持しているのがバンコクエアウェイズという会社。バンコク-サムイ島間片道(約700km)を12,000円以上で飛んでいる。

バンコクエアアジアカウンター

エアエイジアは同業他社、関連関係者から「安かろう悪かろう」の陰口しきりの反面、マレーシア、タイのみならず、中国、インドネシア、オーストラリアへと路線拡大し、最近のその躍進は目を見張る。この航空会社を見ていると、飛行機に乗ることがバスに乗る感覚と同じなる時代が来ているのかもしれないと思う。もちろんバンコクエアウェイズのような日本にもありがちな旧体質の勢力はそういう流れになんとか抗おうとするのだろうが、同業者がどんなにたたこうとも最終的にはエンドユーザーである利用者から支持されるかされないかだ。何の疑問もなく金を湯水のごとく使う上客相手の殿様商売だけではこういう新しい流れには太刀打ちできなくなるのは目に見えている。海や山、遺跡の美しさが売りの海外旅行には「どうしても高級ホテルでルームサービス」と言うような趣向がない限り、ブランドバッグのように高額の付加価値はつけ辛い。

バスに乗る感覚で飛行機に乗れ、国内と変わらない感覚で海外へ行く。それを自然な旅とする旅行者が増えてきた時、20年前の感覚で旗の後ゾロゾロの高額海外旅行スタイルに疑問がわき、魅力を感じなくなるのは当然かもしれない。

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