対照的な例として、たとえばタイに来るお金持ち中国人はほとんど団体で旗の後をついて歩く20年前の日本のTVニュース画像そのままの海外旅行スタイルが多い。中国の団体さんにはリュックひとつで往復の航空券だけで旅をするという発想自体がまだないのだ。びー旅ドットコムのサイトで紹介しているタイプの旅を楽しむには、人によっては20回くらいの添乗員付き高額ツアー海外旅行をしてそれがつまらないとわかるまでの猶予期間が必要だったりする。もちろん初回から気づく旅人もいるのだろうが。ただ人や国によっては危険も伴うので両手を広げてこっちへいらっしゃいとも言い辛い。
今マレーシアを中心に盛り上がっているエアエイジアと言う航空会社がある。バンコク-プーケット間片道(約900km)を諸税込み約3,000円と言う値段で飛ぶ格安航空会社だ。一方で政治的根回しや、私設空港をつくるなどして独占路線をつくって、飛行機は金持ちが乗るものと高額運賃を堅持しているのがバンコクエアウェイズという会社。バンコク-サムイ島間片道(約700km)を12,000円以上で飛んでいる。 |
バンコクエアアジアカウンター |
エアエイジアは同業他社、関連関係者から「安かろう悪かろう」の陰口しきりの反面、マレーシア、タイのみならず、中国、インドネシア、オーストラリアへと路線拡大し、最近のその躍進は目を見張る。この航空会社を見ていると、飛行機に乗ることがバスに乗る感覚と同じなる時代が来ているのかもしれないと思う。もちろんバンコクエアウェイズのような日本にもありがちな旧体質の勢力はそういう流れになんとか抗おうとするのだろうが、同業者がどんなにたたこうとも最終的にはエンドユーザーである利用者から支持されるかされないかだ。何の疑問もなく金を湯水のごとく使う上客相手の殿様商売だけではこういう新しい流れには太刀打ちできなくなるのは目に見えている。海や山、遺跡の美しさが売りの海外旅行には「どうしても高級ホテルでルームサービス」と言うような趣向がない限り、ブランドバッグのように高額の付加価値はつけ辛い。
バスに乗る感覚で飛行機に乗れ、国内と変わらない感覚で海外へ行く。それを自然な旅とする旅行者が増えてきた時、20年前の感覚で旗の後ゾロゾロの高額海外旅行スタイルに疑問がわき、魅力を感じなくなるのは当然かもしれない。 |